東北大学 2020年 理系 第4問 解説

方針・初手
この問題では、玉の色が重要になるのは 手元にある白玉・赤玉の個数 を問う (1), (2) であり、試行が止まる時刻だけを問う (3), (4) では色は関係しない。
したがって、
- (1), (2) では「表が出た回数」と「そのとき取り出した玉の色」を追う。
- (3), (4) では「表が出ると玉が1個減る、裏なら減らない」とみて、表の回数だけを考える。
という分け方をすると整理しやすい。
解法1
(1) 2回の試行の結果、手元に白玉が2個ある確率
2回の試行後に手元に白玉が2個あるためには、
- 1回目に白玉を取り出して表が出る
- 2回目に白玉を取り出して表が出る
ことが必要十分である。
1回目に白玉を取り出す確率は $3/5$、その後に表が出る確率は $1/2$ である。
1回目に白玉を手元に残した後、箱の中は白2個、赤2個なので、2回目に白玉を取り出す確率は $2/4=1/2$、さらに表が出る確率は $1/2$ である。
よって求める確率は
$$ \frac{3}{5}\cdot \frac{1}{2}\cdot \frac{2}{4}\cdot \frac{1}{2} = \frac{3}{40} $$
である。
(2) 3回の試行の結果、手元の玉が白玉1個、赤玉1個の計2個となる確率
3回の試行後に手元の玉がちょうど2個であるためには、3回のうちちょうど2回表が出る必要がある。
その確率は
$$ {}_{3}\mathrm{C}_{2}\left(\frac{1}{2}\right)^3=\frac{3}{8} $$
である。
次に、その2回の表で手元に残る2個の玉が「白1個、赤1個」となる確率を考える。
表が出た2回に注目すると、その2回では箱から玉を重複なく2個取り出して手元に残すことになる。したがって、その2個が白1個・赤1個となる確率は
$$ \frac{3}{5}\cdot \frac{2}{4}+\frac{2}{5}\cdot \frac{3}{4} = \frac{3}{10}+\frac{3}{10} = \frac{3}{5} $$
である。
よって求める確率は
$$ \frac{3}{8}\cdot \frac{3}{5} = \frac{9}{40} $$
である。
(3) ちょうど $n$ 回目で試行が停止する確率 $p_n$
箱の玉は全部で5個であり、表が1回出るごとに箱の玉は1個減る。裏なら玉は箱に戻るので、箱の玉の個数は変わらない。
したがって、試行が停止するのは 5回目の表が出たとき である。
よって、ちょうど $n$ 回目で停止するための条件は、
- 1回目から $(n-1)$ 回目までに表がちょうど4回出る
- $n$ 回目に表が出る
ことである。
ゆえに
$$ p_n={}_{n-1}\mathrm{C}_{4}\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}\cdot \frac{1}{2} ={}_{n-1}\mathrm{C}_{4}\left(\frac{1}{2}\right)^n \qquad (n\geq 5) $$
である。
(4) $p_n$ が最大となる $n$
(3) の結果より
$$ p_n={}_{n-1}\mathrm{C}_{4}\left(\frac{1}{2}\right)^n $$
であるから、隣り合う項の比を考える。
$$ \begin{aligned} \frac{p_{n+1}}{p_n} &= \frac{{}_{n}\mathrm{C}_{4}\left(\frac{1}{2}\right)^{n+1}} {{}_{n-1}\mathrm{C}_{4}\left(\frac{1}{2}\right)^n} \\ &=\frac{1}{2}\cdot \frac{{}_{n}\mathrm{C}_{4}}{{}_{n-1}\mathrm{C}_{4}} \\ &=\frac{1}{2}\cdot \frac{n}{n-4} \\ &=\frac{n}{2(n-4)} \end{aligned} $$
したがって、
$$ \frac{p_{n+1}}{p_n}>1 \iff \frac{n}{2(n-4)}>1 \iff n<8 $$
また、
$$ \frac{p_{n+1}}{p_n}=1 \iff n=8 $$
であり、さらに $n>8$ では $\dfrac{p_{n+1}}{p_n}<1$ となる。
よって、$p_n$ は $n=5,6,7,8$ で増加し、$p_8=p_9$ となり、その後減少する。
したがって、$p_n$ が最大となるのは
$$ n=8,\ 9 $$
である。
解説
(1), (2) では、裏が出たときには玉が箱に戻るので、手元の個数は「表が出た回数」で決まることが重要である。特に (2) では、まず「3回のうち2回だけ表」と考え、その後に色の条件を掛けると見通しがよい。
(3), (4) では色は不要である。停止条件は「5個すべてが箱から取り除かれること」であり、これは「5回目の表が出る時刻」と同じである。したがって負の二項分布と同じ形になり、比 $\dfrac{p_{n+1}}{p_n}$ を見ると最大値がすぐ判定できる。
答え
$$ \text{(1)}\ \frac{3}{40} $$
$$ \text{(2)}\ \frac{9}{40} $$
$$ \text{(3)}\ p_n={}_{n-1}\mathrm{C}_{4}\left(\frac{1}{2}\right)^n \qquad (n\geq 5) $$
$$ \text{(4)}\ n=8,\ 9 $$
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