東北大学 1988年 理系 第4問 解説

方針・初手
3個の数の選び方は、$1,2,\dots,2n$ から異なる3個を選ぶ組合せであり、全体は
$$ {}_{2n}\mathrm{C}_{3} $$
通りである。
$X$ は「最大値 $-$ 最小値」であるから、$X=k$ となる場合は、最小値と最大値の差が $k$ であるような両端を決め、その間に残り1個を入れる方法を数えればよい。
解法1
まず、$X$ の取りうる値を考える。
異なる3個の整数を選ぶので、最小値と最大値の差は少なくとも $2$ である。また、最小値を $1$、最大値を $2n$ とすれば差は最大で $2n-1$ である。したがって、
$$ X=2,3,\dots,2n-1 $$
である。
次に、$X=k$ となる場合の数を数える。ただし $2\leq k\leq 2n-1$ とする。
最小値を $a$ とすると、最大値は $a+k$ である。これが $1$ から $2n$ の範囲に入るためには
$$ 1\leq a,\quad a+k\leq 2n $$
であるから、
$$ a=1,2,\dots,2n-k $$
の $2n-k$ 通りである。
このとき、3つ目の数は最小値 $a$ と最大値 $a+k$ の間に入らなければならないので、
$$ a+1,a+2,\dots,a+k-1 $$
のいずれかであり、その選び方は $k-1$ 通りである。
よって、$X=k$ となる場合の数は
$$ (2n-k)(k-1) $$
通りである。したがって確率分布は
$$ P(X=k)=\frac{(2n-k)(k-1)}{{}_{2n}\mathrm{C}_{3}} \qquad (k=2,3,\dots,2n-1) $$
となる。
次に、$X\leq n$ となる確率を求める。
$$ P(X\leq n)=\sum_{k=2}^{n}P(X=k) =\frac{1}{{}_{2n}\mathrm{C}_{3}}\sum_{k=2}^{n}(2n-k)(k-1) $$
である。ここで $j=k-1$ とおくと、$j=1,2,\dots,n-1$ であり、
$$ (2n-k)(k-1)=(2n-j-1)j=(2n-1)j-j^2 $$
だから、
$$ \sum_{k=2}^{n}(2n-k)(k-1) =\sum_{j=1}^{n-1}\bigl((2n-1)j-j^2\bigr) $$
となる。よって、
$$ \begin{aligned} \sum_{k=2}^{n}(2n-k)(k-1) &=(2n-1)\sum_{j=1}^{n-1}j-\sum_{j=1}^{n-1}j^2 \\ &=(2n-1)\cdot \frac{n(n-1)}{2}-\frac{(n-1)n(2n-1)}{6} \\ &=\frac{n(n-1)(2n-1)}{3} \end{aligned} $$
である。
一方、
$$ {}_{2n}\mathrm{C}_{3} =\frac{2n(2n-1)(2n-2)}{6} =\frac{2n(2n-1)(n-1)}{3} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} P(X\leq n) &=\frac{\frac{n(n-1)(2n-1)}{3}}{\frac{2n(2n-1)(n-1)}{3}} \\ &=\frac{1}{2} \end{aligned} $$
したがって、
$$ P(X\leq n)=\frac12 $$
である。
解説
この問題の要点は、$X$ を直接数えようとせず、最小値と最大値を先に固定することである。
$X=k$ であるとは、3個の数の両端がちょうど $k$ 離れているという意味である。そこで、最小値を $a$、最大値を $a+k$ と決めると、残り1個はその間にある $k-1$ 個の整数から選ぶだけになる。この見方を使うと、確率分布がすぐに求まる。
また、(2) は分布を求めたあとに和を取ればよい。計算すると結果が $n$ に依らず $\frac12$ になる点が特徴的である。
答え
$$ P(X=k)=\frac{(2n-k)(k-1)}{{}_{2n}\mathrm{C}_{3}} \qquad (k=2,3,\dots,2n-1) $$
である。
したがって、
$$ P(X\leq n)=\frac12 $$
である。
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