東北大学 1988年 理系 第3問 解説

方針・初手
まず
$$ g(x)=\frac{2x^2+x-1}{x-1} $$
とおくと、$f(x)=|g(x)|$ である。
ここで
$$ 2x^2+x-1=(2x-1)(x+1) $$
と因数分解できるので、まず $g(x)$ の符号を調べる。$f(x)=|g(x)|$ は、$g(x)<0$ の部分を $x$ 軸対称に折り返したものとみなせるからである。
また、
$$ g(x)=2x+3+\frac{2}{x-1} $$
と変形しておくと、漸近線も求めやすい。
解法1
(1) 極値を求める。
まず $g(x)$ の符号を調べる。
$$ g(x)=\frac{(2x-1)(x+1)}{x-1} $$
より、符号は次のようになる。
- $x<-1$ では $g(x)<0$
- $-1<x<\dfrac12$ では $g(x)>0$
- $\dfrac12<x<1$ では $g(x)<0$
- $x>1$ では $g(x)>0$
したがって、$f(x)$ は
$$ f(x)= \begin{cases} -g(x) & \left(x<-1,\ \dfrac12<x<1\right),\ g(x) & \left(-1\leqq x\leqq \dfrac12,\ x>1\right) \end{cases} $$
となる。ただし定義域は $x\ne1$ である。
次に $g(x)$ を微分する。
$$ g(x)=2x+3+\frac{2}{x-1} $$
より、
$$ g'(x)=2-\frac{2}{(x-1)^2} =\frac{2{(x-1)^2-1}}{(x-1)^2} =\frac{2x(x-2)}{(x-1)^2} $$
である。$(x-1)^2>0$ であるから、$g'(x)$ の符号は $x(x-2)$ の符号で決まる。よって
- $x<0$ または $x>2$ で $g'(x)>0$
- $0<x<2$ で $g'(x)<0$
である。
これを $f(x)=\pm g(x)$ に反映すると、$f(x)$ の増減は次のようになる。
- $(-\infty,-1)$ で減少
- $(-1,0)$ で増加
- $(0,\dfrac12)$ で減少
- $(\dfrac12,1)$ で増加
- $(1,2)$ で減少
- $(2,\infty)$ で増加
したがって極値は次の通りである。
(i) $x=-1$ のとき
$$ f(-1)=\left|\frac{2-1-1}{-2}\right|=0 $$
より、極小値は $0$ である。
(ii) $x=0$ のとき
$$ f(0)=\left|\frac{-1}{-1}\right|=1 $$
より、極大値は $1$ である。
(iii) $x=\dfrac12$ のとき
$$ f\left(\frac12\right)=0 $$
より、極小値は $0$ である。
(iv) $x=2$ のとき
$$ f(2)=\left|\frac{8+2-1}{1}\right|=9 $$
より、極小値は $9$ である。
なお、$x=-1,\ \dfrac12$ では絶対値の折り返しが起こるため、グラフはそこで折れ曲がる。
(2) 漸近線を求める。
まず $x=1$ では分母が $0$ になるので、鉛直漸近線の候補である。
実際、
$$ \lim_{x\to1-}f(x)=\infty,\qquad \lim_{x\to1+}f(x)=\infty $$
であるから、鉛直漸近線は
$$ x=1 $$
である。
次に斜漸近線を調べる。
$x\to\infty$ では $x>1$ なので $f(x)=g(x)$ であり、
$$ f(x)=2x+3+\frac{2}{x-1} $$
である。したがって
$$ f(x)-(2x+3)=\frac{2}{x-1}\to0 \qquad (x\to\infty) $$
より、
$$ y=2x+3 $$
は $x\to\infty$ のときの斜漸近線である。
一方、$x\to-\infty$ では $x<-1$ なので $f(x)=-g(x)$ であり、
$$ f(x)=-2x-3-\frac{2}{x-1} $$
である。よって
$$ f(x)-(-2x-3)=-\frac{2}{x-1}\to0 \qquad (x\to-\infty) $$
より、
$$ y=-2x-3 $$
は $x\to-\infty$ のときの斜漸近線である。
以上より、漸近線は
$$ x=1,\qquad y=2x+3,\qquad y=-2x-3 $$
である。
(3) 曲線 $y=f(x)$ の概形を考える。
$x$ 軸との交点は
$$ 2x^2+x-1=0 $$
の解から求まり、
$$ x=-1,\ \frac12 $$
である。したがって交点は
$$ (-1,0),\ \left(\frac12,0\right) $$
である。
また、$y$ 軸との交点は
$$ f(0)=1 $$
より $(0,1)$ である。
以上と増減、漸近線をまとめると、グラフは次の特徴をもつ。
- $x< -1$ では、直線 $y=-2x-3$ に近づきながら減少して $(-1,0)$ に至る。
- $-1<x<\dfrac12$ では、$(-1,0)$ から増加して $(0,1)$ で極大をとり、その後減少して $\left(\dfrac12,0\right)$ に至る。
- $\dfrac12<x<1$ では、$\left(\dfrac12,0\right)$ から増加し、$x\to1-0$ で $+\infty$ に発散する。
- $x>1$ では、$x\to1+0$ で $+\infty$ から始まり、$(2,9)$ まで減少したのち、再び増加して直線 $y=2x+3$ に近づく。
解説
この問題の要点は、絶対値をそのまま微分しようとしないことである。
まず中身
$$ \frac{2x^2+x-1}{x-1} $$
の符号を調べ、負になる部分を $x$ 軸対称に折り返すと考えると、極値も概形も整理しやすい。
また、
$$ \frac{2x^2+x-1}{x-1}=2x+3+\frac{2}{x-1} $$
という式変形は、微分にも漸近線にもそのまま使えるので有効である。特に $x=-1,\ \dfrac12$ は関数値が $0$ になる点であり、絶対値による折り返しのため極小になる点を見落とさないことが重要である。
答え
- 極小値は $x=-1,\ \dfrac12$ で $0$、および $x=2$ で $9$
- 極大値は $x=0$ で $1$
- 漸近線は
$$ x=1,\qquad y=2x+3,\qquad y=-2x-3 $$
- グラフは $(-1,0),\ (0,1),\ \left(\dfrac12,0\right),\ (2,9)$ を通り、$x=1$ を鉛直漸近線とし、$x\to\infty$ で $y=2x+3$、$x\to-\infty$ で $y=-2x-3$ に近づく。
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