東北大学 1990年 理系 第4問 解説

方針・初手
勝敗は、5回の試行のうちで「$1$」と「$5,6$」のどちらが先に出るかで決まる。
したがって、各回で
- $1$ が出ればその時点で勝ち
- $5$ または $6$ が出ればその時点で負け
- $2,3,4$ が出たときだけ勝負が先送りされる
と考えればよい。まず「最初に勝負がつく回」を基準に確率を数える。
解法1
1回の試行で、勝負に関係しない目は $2,3,4$ の3通りであるから、その確率は
$$ \frac{3}{6}=\frac{1}{2} $$
である。
また、その回で
- 勝ちになる確率は $1$ が出る確率なので $\dfrac16$
- 負けになる確率は $5$ または $6$ が出る確率なので $\dfrac26=\dfrac13$
である。
勝つ確率
第$k$回目で初めて勝負がつき、その結果が勝ちであるためには、
- 第1回目から第$(k-1)$回目まではすべて $2,3,4$
- 第$k$回目に $1$ が出る
ことが必要十分である。
よって、その確率は
$$ \left(\frac12\right)^{k-1}\cdot \frac16 $$
である。$k=1,2,3,4,5$ を足せばよいから、勝つ確率は
$$ \sum_{k=1}^{5}\left(\frac12\right)^{k-1}\cdot \frac16 $$
である。等比数列の和を用いると
$$ \frac16\sum_{k=0}^{4}\left(\frac12\right)^k =========================================== # \frac16\cdot \frac{1-\left(\frac12\right)^5}{1-\frac12} # \frac16\cdot 2\left(1-\frac1{32}\right) # \frac13\cdot \frac{31}{32} \frac{31}{96} $$
となる。
負ける確率
同様に、第$k$回目で初めて勝負がつき、その結果が負けである確率は
$$ \left(\frac12\right)^{k-1}\cdot \frac13 $$
である。したがって、負ける確率は
$$ \sum_{k=1}^{5}\left(\frac12\right)^{k-1}\cdot \frac13 $$
となる。これを計算すると
$$ \frac13\sum_{k=0}^{4}\left(\frac12\right)^k =========================================== # \frac13\cdot \frac{1-\left(\frac12\right)^5}{1-\frac12} # \frac13\cdot 2\left(1-\frac1{32}\right) # \frac23\cdot \frac{31}{32} \frac{31}{48} $$
である。
引き分ける確率
引き分けになるのは、5回とも $1,5,6$ が一度も出ない場合である。すなわち、5回とも $2,3,4$ が出る場合であるから、その確率は
$$ \left(\frac12\right)^5=\frac1{32} $$
である。
解説
この問題では、「5回の結果を全部並べて数える」必要はない。勝敗に関係するのは $1,5,6$ だけであり、$2,3,4$ は単に勝負を先送りする役割しか持たない。
したがって、「最初に勝負がつく回」に着目すると、各場合が等比的に整理できる。引き分けは「5回とも勝負がつかない場合」と見ればすぐに求められる。
答え
勝つ確率は
$$ \frac{31}{96} $$
負ける確率は
$$ \frac{31}{48} $$
引き分ける確率は
$$ \frac{1}{32} $$
である。
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











