トップ 東北大学 1994年 理系 第4問

東北大学 1994年 理系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数数学B/数列
東北大学 1994年 理系 第4問 解説

方針・初手

優勝が $X=N+j$ 回目の試合で決まるためには、最後の試合の直前までに優勝チームが $N-1$ 勝、敗れたチームが $j$ 勝していなければならない。したがって、最後の 1 試合を除いた $N+j-1$ 試合の並び方を数え、最後に優勝チームが勝つ確率を掛ければよい。

また、優勝チームは $A$ チームの場合と $B$ チームの場合の 2 通りあるので、最後に 2 倍するのが基本方針である。

解法1

(1) $P(X\leqq N+1)$ を求める。

$X\leqq N+1$ となるのは、$X=N$ または $X=N+1$ のときである。

まず、$X=N$ となるのは、どちらか一方のチームが最初の $N$ 試合をすべて勝つ場合である。したがって、

$$ P(X=N)=2\left(\frac12\right)^N $$

次に、$X=N+1$ となるのは、優勝チームが最後の試合の前までに $N-1$ 勝、敗れたチームが 1 勝しており、最後の試合で優勝チームが勝つ場合である。

優勝チームを固定すると、最初の $N$ 試合のうち敗戦 1 回の位置の選び方は

$$ {}_{N}\mathrm{C}_{1}=N $$

通りある。よって、優勝チームを固定したときの確率は

$$ N\left(\frac12\right)^{N+1} $$

であり、優勝チームは $A,B$ の 2 通りあるから、

$$ P(X=N+1)=2N\left(\frac12\right)^{N+1} $$

以上より、

$$ P(X\leqq N+1)=P(X=N)+P(X=N+1) $$

$$ =2\left(\frac12\right)^N+2N\left(\frac12\right)^{N+1} $$

$$ =\frac{N+2}{2^N} $$

(2) $P(X=N+j)\ \ (j=0,1,\dots,N-1)$ を求める。

$X=N+j$ 回目で優勝が決まるとする。

このとき、最後の試合の直前までの $N+j-1$ 試合では、優勝チームは $N-1$ 勝、敗れたチームは $j$ 勝している。したがって、優勝チームを固定すると、その並び方は

$$ {}_{N+j-1}\mathrm{C}_{j} $$

通りである。

さらに最後の $N+j$ 回目の試合で優勝チームが勝つ必要があるので、優勝チームを固定したときの確率は

$$ {}_{N+j-1}\mathrm{C}_{j}\left(\frac12\right)^{N+j} $$

となる。

優勝チームは $A$ チームまたは $B$ チームの 2 通りあるから、

$$ P(X=N+j)=2{}_{N+j-1}\mathrm{C}_{j}\left(\frac12\right)^{N+j} $$

したがって、

$$ P(X=N+j)=\frac{{}_{N+j-1}\mathrm{C}_{j}}{2^{N+j-1}} \qquad (j=0,1,\dots,N-1) $$

(3)

$$ a_n=\sum_{j=0}^{n}{}_{n+j}\mathrm{C}_{j}\left(\frac12\right)^j $$

を求める。

(2) の結果で $N=n+1$ とおくと、

$$ P(X=n+1+j)=\frac{{}_{n+j}\mathrm{C}_{j}}{2^{,n+j}} \qquad (j=0,1,\dots,n) $$

となる。

ここで、$N=n+1$ 勝先取の試合では、優勝が決まる試合回数 $X$ は

$$ n+1,\ n+2,\ \dots,\ 2n+1 $$

のいずれかであるから、それらの確率の総和は 1 である。よって、

$$ \sum_{j=0}^{n}P(X=n+1+j)=1 $$

すなわち、

$$ \sum_{j=0}^{n}\frac{{}_{n+j}\mathrm{C}_{j}}{2^{,n+j}}=1 $$

両辺に $2^n$ を掛けると、

$$ \sum_{j=0}^{n}{}_{n+j}\mathrm{C}_{j}\left(\frac12\right)^j=2^n $$

したがって、

$$ a_n=2^n $$

解説

この問題の本質は、「優勝が決まる直前の状態」を正確に捉えることである。

$X=N+j$ のとき、最後の試合の前までに優勝チームは $N-1$ 勝、相手は $j$ 勝している。この条件が定まれば、あとはその $N+j-1$ 試合の並び方を二項係数で数えるだけである。

(3) は和を直接計算しようとすると重いが、(2) で得た確率分布を使えば、全確率の和が 1 であることから一瞬で求まる。この見方が最も重要である。

答え

$$ P(X\leqq N+1)=\frac{N+2}{2^N} $$

$$ P(X=N+j)=\frac{{}_{N+j-1}\mathrm{C}_{j}}{2^{,N+j-1}} \qquad (j=0,1,\dots,N-1) $$

$$ a_n=2^n $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。