東京工業大学 2010年 理系 第3問 解説

方針・初手
$n$ 枚のカードから $2$ 枚を選ぶ事象の総数を分母とし、条件を満たす事象の数を分子として確率を計算する。条件「小さい方が $3$ の倍数」について、小さい方の数字を $x$ とおき、$x$ がどのような値を取り得るか、そして各 $x$ に対して大きい方の数字 $y$ が何通り選べるかを考える。
解法1
(1)
$8$ 枚のカードから同時に $2$ 枚のカードを引く引き方の総数は、
$$ {}_8\mathrm{C}_{2} = \frac{8 \cdot 7}{2 \cdot 1} = 28 \text{(通り)} $$
引いた $2$ 枚のカードの数字のうち、小さい方を $x$、大きい方を $y$ とする($x < y$)。 $x$ が $3$ の倍数となるのは、$x = 3$ または $x = 6$ のときである。
(i)
$x = 3$ のとき $3 < y \leqq 8$ を満たす $y$ の選び方は、$y = 4, 5, 6, 7, 8$ の $5$ 通り。
(ii)
$x = 6$ のとき $6 < y \leqq 8$ を満たす $y$ の選び方は、$y = 7, 8$ の $2$ 通り。
以上より、条件を満たす引き方の総数は、
$$ 5 + 2 = 7 \text{(通り)} $$
したがって、求める確率は
$$ p(8) = \frac{7}{28} = \frac{1}{4} $$
(2)
$n = 3k+2$ 枚のカードから同時に $2$ 枚のカードを引く引き方の総数は、
$$ {}_{3k+2}\mathrm{C}_{2} = \frac{(3k+2)(3k+1)}{2} \text{(通り)} $$
(1)と同様に、引いた $2$ 枚のカードの数字のうち、小さい方を $x$、大きい方を $y$ とする($x < y$)。 $x$ が $3$ の倍数となるのは、$x = 3, 6, \dots, 3k$ のいずれかのときである。 すなわち、$x = 3i$($i$ は $1 \leqq i \leqq k$ を満たす整数)と表せる。
$x = 3i$ のとき、$3i < y \leqq 3k+2$ を満たす $y$ の選び方は、
$$ (3k+2) - 3i \text{(通り)} $$
存在する。
したがって、条件を満たす引き方の総数は、$i = 1$ から $k$ までの和をとって、
$$ \begin{aligned} \sum_{i=1}^k \{ (3k+2) - 3i \} &= \sum_{i=1}^k (3k+2) - 3 \sum_{i=1}^k i \\ &= (3k+2)k - 3 \cdot \frac{1}{2}k(k+1) \\ &= \frac{1}{2}k \{ 2(3k+2) - 3(k+1) \} \\ &= \frac{1}{2}k(3k+1) \text{(通り)} \end{aligned} $$
以上より、求める確率 $p(3k+2)$ は
$$ p(3k+2) = \frac{\frac{1}{2}k(3k+1)}{\frac{(3k+2)(3k+1)}{2}} = \frac{k}{3k+2} $$
解説
確率の基本的な考え方である「(条件を満たす場合の数)/(起こり得るすべての場合の数)」に忠実に従う問題である。 「小さい方の数が $3$ の倍数」という条件を数式に翻訳する際、小さい方を $x$、大きい方を $y$ とおいて $x < y$ という関係式を設定し、$x$ の値を固定したときの $y$ の個数を数えるという手法(片方を固定して数え上げる手法)が有効である。 (1) の具体的な数で実験することで、(2) で用いるシグマ計算の一般項や和の範囲のイメージを正確に掴むことができる。
答え
(1)
$$ \frac{1}{4} $$
(2)
$$ \frac{k}{3k+2} $$
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