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東京工業大学 2010年 理系 第4問 解説

数学C/平面ベクトル数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域テーマ/図形総合
東京工業大学 2010年 理系 第4問 解説

方針・初手

半直線 $AP$ 上の点 $Q$ の位置をパラメータ $t$($t \geqq 0$)を用いて $\vec{AQ} = t\vec{AP}$ と表す。「$\frac{AQ}{AP} \leqq 2$ ならば $\frac{QP}{OQ} \leqq \frac{AP}{OA}$」という条件を、$t$ についての条件「$0 \leqq t \leqq 2$ を満たす任意の $t$ について不等式が成り立つ」と言い換え、立式して処理する。

解法1

点 $Q$ は $A$ から $P$ に向けた半直線上にあるから、実数 $t \geqq 0$ を用いて $\vec{AQ} = t\vec{AP}$ と表せる。 このとき、$\frac{AQ}{AP} = t$ である。したがって、「$\frac{AQ}{AP} \leqq 2$」という条件は「$0 \leqq t \leqq 2$」と同値である。

一方、$\vec{QP} = \vec{AP} - \vec{AQ} = (1 - t)\vec{AP}$ であるから、$QP = |1 - t|AP$ である。 また、$A(a, 0)$ より $OA = a$ である。これらを用いると、不等式 $\frac{QP}{OQ} \leqq \frac{AP}{OA}$ は

$$ \frac{|1 - t|AP}{OQ} \leqq \frac{AP}{a} $$

と表せる。$P \neq A$ より $AP > 0$ であるから、両辺を $AP$ で割り、分母を払うと

$$ a|1 - t| \leqq OQ $$

となる。両辺ともに0以上であるから、2乗して同値な不等式を得る。

$$ a^2(1 - t)^2 \leqq OQ^2 $$

点 $P$ の座標を $(x, y)$ とすると、$\vec{OA} = (a, 0)$、$\vec{AP} = (x - a, y)$ であり、

$$ \vec{OQ} = \vec{OA} + \vec{AQ} = \vec{OA} + t\vec{AP} = (a + t(x - a), ty) $$

となる。これを先ほどの不等式に代入して整理する。

$$ a^2(1 - 2t + t^2) \leqq \{a + t(x - a)\}^2 + (ty)^2 $$

$$ a^2 - 2a^2t + a^2t^2 \leqq a^2 + 2at(x - a) + t^2(x - a)^2 + t^2y^2 $$

$$ - 2a^2t + a^2t^2 \leqq 2atx - 2a^2t + t^2(x^2 - 2ax + a^2 + y^2) $$

$$ a^2t^2 \leqq 2atx + t^2(x^2 - 2ax + y^2) + a^2t^2 $$

$$ 0 \leqq t^2(x^2 - 2ax + y^2) + 2atx $$

$$ t\{t(x^2 - 2ax + y^2) + 2ax\} \geqq 0 $$

問題の条件は、この不等式が $0 \leqq t \leqq 2$ を満たすすべての実数 $t$ に対して成り立つことである。 $t = 0$ のときは常に等号が成立するので、条件は $0 < t \leqq 2$ において

$$ f(t) = t(x^2 - 2ax + y^2) + 2ax \geqq 0 $$

が常に成り立つことと同値である。 関数 $f(t)$ は $t$ についての1次関数、または定数関数であるから、区間 $(0, 2]$ において常に非負となるための必要十分条件は、その区間の両端点 $t=0, 2$ における値がともに非負となることである。 すなわち、$f(0) \geqq 0$ かつ $f(2) \geqq 0$ が必要十分条件である。

(i)

$f(0) \geqq 0$ のとき

$$ 2ax \geqq 0 $$

$a > 0$ より、$x \geqq 0$ を得る。

(ii)

$f(2) \geqq 0$ のとき

$$ 2(x^2 - 2ax + y^2) + 2ax \geqq 0 $$

$$ 2x^2 - 2ax + 2y^2 \geqq 0 $$

$$ x^2 - ax + y^2 \geqq 0 $$

$$ \left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + y^2 \geqq \left(\frac{a}{2}\right)^2 $$

以上と、点 $P$ は定点 $A$ と異なるという条件 $(x, y) \neq (a, 0)$ より、点 $P$ の満たすべき条件は

$$ \begin{cases} x \geqq 0 \\ \left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + y^2 \geqq \left(\frac{a}{2}\right)^2 \\ (x, y) \neq (a, 0) \end{cases} $$

である。

解説

「$p \implies q$」の形をした命題が成立するような領域を求める問題である。本問のように条件が半直線上の点に関する場合は、ベクトルを用いて $\vec{AQ} = t\vec{AP}$ $(t \geqq 0)$ と媒介変数表示すると扱いやすい。 後半の不等式の処理において、$t$ についての1次不等式に帰着されることが最大のポイントである。1次関数(直線)が指定された区間で常に0以上になる条件は、「両端点で0以上」と考えれば場合分けを避けてシンプルに処理できる。

答え

求める領域 $D$ を表す条件は以下の連立不等式で与えられる。

$$ \begin{cases} x \geqq 0 \\ \left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + y^2 \geqq \left(\frac{a}{2}\right)^2 \\ (x, y) \neq (a, 0) \end{cases} $$

これを図示すると、 「$y$ 軸およびその右側の領域のうち、点 $\left(\frac{a}{2}, 0\right)$ を中心とし、半径 $\frac{a}{2}$ の円の外部(円周上を含む)。ただし、点 $(a, 0)$ は除く」 となる。図示する際は、当該の境界線を実線で描き、点 $(a, 0)$ には白丸をつける。

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