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東京工業大学 2012年 理系 第2問 解説

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東京工業大学 2012年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) は等比数列の和を計算し、その値の常用対数をとって桁数を評価する。与えられた $\log_{10} 3$ の値のみを用いて、求めた和が $10^{47}$ 以上 $10^{48}$ 未満であることを自力で評価して示す必要がある。 (2) はガウス記号の定義に従い、$k = [\sqrt{n}]$ とおくのが定石である。$k \le \sqrt{n} < k+1$ を2乗して $n$ の範囲を $k$ で表し、$n$ が $k$ の倍数になる条件を絞り込む。

解法1

(1)

求める和を $S$ とおくと、初項 $1$、公比 $3$、項数 $100$ の等比数列の和であるから、

$$ S = \sum_{n=0}^{99} 3^n = \frac{3^{100} - 1}{3 - 1} = \frac{3^{100} - 1}{2} $$

$S$ の桁数を求めるために、$3^{100}$ の常用対数を計算する。

$$ \log_{10} 3^{100} = 100 \log_{10} 3 = 100 \times 0.4771 = 47.71 $$

これより、$3^{100} = 10^{47.71}$ である。 したがって、$S$ の上限について、

$$ S = \frac{3^{100} - 1}{2} < \frac{3^{100}}{2} < 3^{100} = 10^{47.71} < 10^{48} $$

が成り立つ。

次に $S$ の下限について考える。 $10^{0.4771} = 3$ であり、$0.71 > 0.4771$ より $10^{0.71} > 10^{0.4771} = 3 > 2$ であるから、

$$ 3^{100} = 10^{47.71} = 10^{0.71} \times 10^{47} > 2 \times 10^{47} $$

が成り立つ。よって、

$$ S = \frac{3^{100} - 1}{2} > \frac{2 \times 10^{47} - 1}{2} = 10^{47} - \frac{1}{2} $$

$S$ は整数であるから、$S \ge 10^{47}$ を満たす。 以上より、

$$ 10^{47} \le S < 10^{48} $$

が示されたので、$S$ は $48$ 桁の整数である。

(2)

$n$ は $10000$ 以下の正の整数である。$k = [\sqrt{n}]$ とおくと、$k$ は正の整数であり、ガウス記号の定義より、

$$ k \le \sqrt{n} < k+1 $$

が成り立つ。各辺は正であるから、2乗して、

$$ k^2 \le n < (k+1)^2 $$

$$ k^2 \le n \le k^2 + 2k $$

$n$ は整数であるから、$n = k^2 + m$ ($m$ は $0 \le m \le 2k$ を満たす整数)と表せる。 $[\sqrt{n}] = k$ が $n$ の約数となるのは、$n$ が $k$ の倍数となるときである。 $n = k^2 + m$ であり、$k^2$ は常に $k$ の倍数であるから、$m$ が $k$ の倍数であればよい。 $0 \le m \le 2k$ の範囲で $k$ の倍数となる整数 $m$ は、$0, k, 2k$ の $3$ つである。 これらに対応する $n$ は、

$$ n = k^2, \quad k^2 + k, \quad k^2 + 2k $$

である。

ここで、$n \le 10000$ の条件を考える。 $n=10000$ のとき、$\sqrt{10000} = 100$ より $k=100$ である。 したがって、$k$ のとりうる値の範囲は $1 \le k \le 100$ である。

(i)

$1 \le k \le 99$ のとき

考えうる最大の $n$ は $k=99$ かつ $m=2k$ のときであり、

$$ n = 99^2 + 2 \times 99 = 100^2 - 1 = 9999 $$

これは $n \le 10000$ を満たす。 したがって、$1 \le k \le 99$ の各 $k$ に対して、条件を満たす $n$ はそれぞれ $3$ 個ずつ存在する。 よって、この範囲における条件を満たす $n$ の個数は、

$$ 3 \times 99 = 297 \text{ (個)} $$

(ii)

$k = 100$ のとき

$n \le 10000$ かつ $100^2 \le n \le 100^2 + 2 \times 100$ を満たすのは $n = 10000$ のみである。 このとき $n = 100^2$ であり、$m=0$ に相当するため、条件を満たす。 よって、この範囲における条件を満たす $n$ の個数は $1$ 個である。

各 $n$ に対して $[\sqrt{n}]$ の値は一意に定まるため、(i)、(ii) で求めた $n$ に重複はない。 以上より、求める個数は、

$$ 297 + 1 = 298 \text{ (個)} $$

解説

(1) は等比数列の和の公式を用いた後、桁数評価を行う典型問題である。$\log_{10} 2$ の値が与えられていないため、$3^{100} > 2 \times 10^{47}$ であることを $\log_{10} 3$ の値から自分で評価して導く部分がポイントとなる。

(2) はガウス記号の扱い方の基本が問われている。$k = [\sqrt{n}]$ とおき、$k \le \sqrt{n} < k+1$ から $n$ の取り得る範囲を $k$ を用いて表す手法は、整数問題や数列の和の計算などで頻出である。$n \le 10000$ の境界付近($k=100$ のとき)の処理を慎重に行う必要がある。

答え

(1)

$48$ 桁 (2)

$298$ 個

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