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東京大学 1987年 理系 第4問 解説

数学1/立体図形数学2/積分法テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
東京大学 1987年 理系 第4問 解説

方針・初手

点Pの $y$ 座標を変数でおき、点Pの座標を設定する。直線AP上の任意の点の座標を媒介変数を用いて表し、回転軸に垂直な平面 $x=k$ における切り口の円の半径を求める。その断面積を $k$ について $0$ から $1$ まで定積分し、体積 $V$ を計算する。最後に、得られた $V$ の式を平方完成して最小値を求める。

解法1

点Pの $y$ 座標を $t$ とおく。点Pは $yz$ 平面上の放物線 $z = 1 - y^2$ 上にあるため、Pの座標は $(0, t, 1-t^2)$ と表せる。

直線AP上の点の座標は、実数 $s$ を用いて $\vec{OQ} = (1-s)\vec{OP} + s\vec{OA}$ と表すことができる。点Aの座標は $(1, 0, 1)$ であるから、

$$ \begin{aligned} \vec{OQ} &= (1-s)(0, t, 1-t^2) + s(1, 0, 1) \\ &= (s, (1-s)t, (1-s)(1-t^2) + s) \\ &= (s, (1-s)t, 1 - (1-s)t^2) \end{aligned} $$

となる。

直線APと平面 $x=k$ ($0 \leqq k \leqq 1$) の交点の座標は、$s=k$ のときであり、

$$ (k, (1-k)t, 1 - (1-k)t^2) $$

である。

直線APを $x$ 軸のまわりに回転させてできる曲面を平面 $x=k$ で切断したときの断面は、点 $(k, 0, 0)$ を中心とする円になる。この円の半径を $r(k)$ とすると、三平方の定理より

$$ \begin{aligned} \{ r(k) \}^2 &= \{ (1-k)t \}^2 + \{ 1 - (1-k)t^2 \}^2 \\ &= (1-k)^2 t^2 + 1 - 2(1-k)t^2 + (1-k)^2 t^4 \end{aligned} $$

となる。

したがって、求める体積 $V$ は、断面積 $\pi \{ r(k) \}^2$ を $k$ について $0$ から $1$ まで積分したものであるから、

$$ V = \int_{0}^{1} \pi \{ (1-k)^2 t^2 + 1 - 2(1-k)t^2 + (1-k)^2 t^4 \} dk $$

ここで、計算を簡略化するために $1-k = u$ と置換する。$dk = -du$ であり、積分区間は $k: 0 \to 1$ に対応して $u: 1 \to 0$ となる。

$$ \begin{aligned} V &= \pi \int_{1}^{0} \{ u^2 t^2 + 1 - 2u t^2 + u^2 t^4 \} (-du) \\ &= \pi \int_{0}^{1} \{ (t^4 + t^2)u^2 - 2t^2 u + 1 \} du \\ &= \pi \left[ \frac{t^4 + t^2}{3}u^3 - t^2 u^2 + u \right]_{0}^{1} \\ &= \pi \left( \frac{t^4 + t^2}{3} - t^2 + 1 \right) \\ &= \frac{\pi}{3} (t^4 - 2t^2 + 3) \end{aligned} $$

これが $V$ を P の $y$ 座標 $t$ で表した式である。

次に、$V$ の最小値を求める。得られた式を $t^2$ について平方完成すると、

$$ V = \frac{\pi}{3} \{ (t^2 - 1)^2 + 2 \} $$

$t$ はすべての実数値をとるため、$t^2 \geqq 0$ である。したがって、$V$ は $t^2 = 1$、すなわち $t = \pm 1$ のとき最小値をとる。その最小値は

$$ \frac{\pi}{3} \times 2 = \frac{2}{3}\pi $$

である。

解説

空間図形の回転体の体積を求める標準的な問題である。回転軸が $x$ 軸であるため、回転軸に垂直な平面 $x=k$ で切断して断面積を考えるのが定石となる。

直線上の点の座標を媒介変数で表し、平面 $x=k$ 上での $y$ 座標と $z$ 座標の平方和が断面の円の半径の平方になることを利用して立式する。定積分の計算においては、$1-k$ をそのまま展開しても解けるが、$1-k = u$ と置換することで計算量が減り、ミスを防ぐことができる。

最小値を求める際も、変数が $t^4$ と $t^2$ のみで構成されているため、微分を用いずとも平方完成により容易に求めることができる。

答え

点Pの $y$ 座標を $t$ とすると、

$$ V = \frac{\pi}{3} (t^4 - 2t^2 + 3) $$

また、$V$ の最小値は

$$ \frac{2}{3}\pi $$

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