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東京大学 1971年 理系 第6問 解説

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東京大学 1971年 理系 第6問 解説

方針・初手

ジャンケンによる残存人数の推移に注目し、各状態(3人、2人)からの遷移確率を求める。 3人の状態からちょうど1人の勝者が決まる流れは、大きく分けて以下の2パターンが存在する。 1つは、最後まで3人の状態が続き、$k$回目に3人から一気に1人に絞られるルートである。 もう1つは、途中の回で3人から2人に減り、その後は2人の状態が続いて、$k$回目に2人から1人に絞られるルートである。 これらは互いに排反であるため、それぞれの確率を求めて和を計算する。

解法1

$n$人でジャンケンを1回行ったときの、結果ごとの確率を求める。

(i) 3人でジャンケンを行う場合 手の出し方の総数は $3^3=27$ 通りである。

・1人が勝つ(勝者が1人決まる)確率 勝者の選び方が $_3\text{C}_1 = 3$ 通り、勝ち方の手の選び方が $3$ 通りあるので、

$$ \frac{3 \times 3}{27} = \frac{1}{3} $$

・2人が勝つ(1人が負けて2人残る)確率 勝者の選び方が $_3\text{C}_2 = 3$ 通り、勝ち方の手の選び方が $3$ 通りあるので、

$$ \frac{3 \times 3}{27} = \frac{1}{3} $$

・あいこ(誰も負けず3人残る)確率 全員同じ手を出す場合が $3$ 通り、全員異なる手を出す場合が $3! = 6$ 通りあるので、

$$ \frac{3 + 6}{27} = \frac{1}{3} $$

(ii) 2人でジャンケンを行う場合 手の出し方の総数は $3^2=9$ 通りである。

・1人が勝つ(勝者が1人決まる)確率 勝者の選び方が $_2\text{C}_1 = 2$ 通り、勝ち方の手の選び方が $3$ 通りあるので、

$$ \frac{2 \times 3}{9} = \frac{2}{3} $$

・あいこ(勝負がつかず2人残る)確率 2人とも同じ手を出す場合が $3$ 通りあるので、

$$ \frac{3}{9} = \frac{1}{3} $$

次に、$k$回目にはじめてちょうど1人の勝者が決まる確率を考える。 これは以下の2つの場合があり、互いに排反である。

(ア)

$k-1$ 回目までずっと3人が残り、$k$回目で3人から1人に絞られる場合 1回目から $k-1$ 回目までは3人であいこになり、$k$回目で3人でジャンケンをして1人が勝つ事象である。 その確率は、

$$ \left(\frac{1}{3}\right)^{k-1} \times \frac{1}{3} = \left(\frac{1}{3}\right)^k $$

これは $k=1$ のときも $\left(\frac{1}{3}\right)^0 \times \frac{1}{3} = \frac{1}{3}$ となり成り立つ。

(イ) 途中の $j$ 回目で3人から2人になり、$k$回目で2人から1人に絞られる場合 ($k \geqq 2$) $1 \leqq j \leqq k-1$ を満たすある $j$ 回目に2人が勝ち残り、その後 $k-1$ 回目までは2人であいこになり、$k$回目で2人でジャンケンをして1人が勝つ事象である。 1回目から $j-1$ 回目までは3人であいこ、 $j$ 回目は3人でジャンケンをして2人が勝ち、 $j+1$ 回目から $k-1$ 回目までは2人であいこ、 $k$ 回目は2人でジャンケンをして1人が勝つ。

この事象が起こる確率は、

$$ \left(\frac{1}{3}\right)^{j-1} \times \frac{1}{3} \times \left(\frac{1}{3}\right)^{(k-1)-j} \times \frac{2}{3} = \left(\frac{1}{3}\right)^{k-1} \times \frac{2}{3} $$

この式は $j$ の値によらず一定である。 $j$ の選び方は $1$ から $k-1$ までの $k-1$ 通りあるので、この場合全体の確率は、

$$ (k-1) \times \left(\frac{1}{3}\right)^{k-1} \times \frac{2}{3} = 2(k-1)\left(\frac{1}{3}\right)^k $$

以上より、$k \geqq 2$ のとき、求める確率は (ア) と (イ) の和であるから、

$$ \left(\frac{1}{3}\right)^k + 2(k-1)\left(\frac{1}{3}\right)^k = (2k-1)\left(\frac{1}{3}\right)^k $$

この式に $k=1$ を代入すると、$(2 \cdot 1 - 1)\left(\frac{1}{3}\right)^1 = \frac{1}{3}$ となり、(ア) で確認した $k=1$ のときの確率と一致する。 したがって、$k=1$ のときもこの式で表すことができる。

よって、求める確率は、

$$ \frac{2k-1}{3^k} $$

解説

ジャンケンの人数推移に注目し、状態遷移を捉える確率の典型問題である。 「3人残っている状態」「2人残っている状態」「1人残っている(勝者決定)状態」の3つの状態を考え、それぞれにおける推移確率を最初に正確に求めることが定石である。 また、$k$回目に終了するという条件に対して、途中で2人になるタイミングを $j$ 回目と設定して確率を計算し、最後に考え得るすべての $j$ について和をとる(または場合の数を掛ける)処理が重要となる。 最後に、$k \geqq 2$ の前提で求めた一般式が、$k=1$ のときにも矛盾なく成り立つかを確認する手順を忘れないようにしたい。

答え

$$ \frac{2k-1}{3^k} $$

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