北海道大学 1963年 文系 第5問 解説

方針・初手
(1) は、2つのベクトル $\vec{AB}$ と $\vec{AC}$ の成分を求め、内積の定義式を用いて $\cos \alpha$ を計算する。または、3辺の長さを求めて余弦定理を用いてもよい。
(2) は、三角形の角の2等分線の性質である「$AD$ が $\angle BAC$ を2等分するならば $AB : AC = BD : DC$ が成り立つ」を利用する。これにより、点 $D$ は線分 $BC$ を $AB : AC$ に内分する点として求まる。
解法1
(1)
点 $A(3, 4)$、点 $B(0, 0)$、点 $C(8, -8)$ より、ベクトル $\vec{AB}$ と $\vec{AC}$ の成分はそれぞれ以下のようになる。
$$ \vec{AB} = (0 - 3, 0 - 4) = (-3, -4) $$
$$ \vec{AC} = (8 - 3, -8 - 4) = (5, -12) $$
それぞれのベクトルの大きさを求める。
$$ |\vec{AB}| = \sqrt{(-3)^2 + (-4)^2} = \sqrt{9 + 16} = \sqrt{25} = 5 $$
$$ |\vec{AC}| = \sqrt{5^2 + (-12)^2} = \sqrt{25 + 144} = \sqrt{169} = 13 $$
次に、内積 $\vec{AB} \cdot \vec{AC}$ を成分から計算する。
$$ \vec{AB} \cdot \vec{AC} = (-3) \times 5 + (-4) \times (-12) = -15 + 48 = 33 $$
$\angle BAC = \alpha$ はベクトル $\vec{AB}$ と $\vec{AC}$ のなす角であるから、内積の定義 $\vec{AB} \cdot \vec{AC} = |\vec{AB}||\vec{AC}| \cos \alpha$ より、次が成り立つ。
$$ \cos \alpha = \frac{\vec{AB} \cdot \vec{AC}}{|\vec{AB}||\vec{AC}|} = \frac{33}{5 \times 13} = \frac{33}{65} $$
(2)
線分 $AD$ は $\angle BAC$ の2等分線であるため、角の2等分線の定理より、点 $D$ は線分 $BC$ を $AB : AC$ に内分する点である。
(1) の結果から $AB = 5$、$AC = 13$ であるため、$BD : DC = 5 : 13$ となる。
点 $D$ は、2点 $B(0, 0)$、$C(8, -8)$ を結ぶ線分 $BC$ を $5 : 13$ に内分する点であるから、その座標 $(x, y)$ は次のように計算できる。
$$ x = \frac{13 \times 0 + 5 \times 8}{5 + 13} = \frac{40}{18} = \frac{20}{9} $$
$$ y = \frac{13 \times 0 + 5 \times (-8)}{5 + 13} = \frac{-40}{18} = -\frac{20}{9} $$
したがって、点 $D$ の座標は $\left( \frac{20}{9}, -\frac{20}{9} \right)$ である。
解法2
(1) の別解
各辺の長さを求めてから、$\triangle ABC$ において余弦定理を適用する。
各点の座標より、3辺の長さの2乗および長さは次のように求まる。
$$ AB^2 = (0 - 3)^2 + (0 - 4)^2 = 9 + 16 = 25 $$
$$ AC^2 = (8 - 3)^2 + (-8 - 4)^2 = 25 + 144 = 169 $$
$$ BC^2 = (8 - 0)^2 + (-8 - 0)^2 = 64 + 64 = 128 $$
これらより、$AB = 5$、$AC = 13$ である。
$\triangle ABC$ において、$\angle BAC = \alpha$ として余弦定理を適用すると、次が成り立つ。
$$ \cos \alpha = \frac{AB^2 + AC^2 - BC^2}{2 \cdot AB \cdot AC} $$
求めた値を代入する。
$$ \cos \alpha = \frac{25 + 169 - 128}{2 \cdot 5 \cdot 13} = \frac{66}{130} = \frac{33}{65} $$
解説
図形と計量の分野における、極めて標準的な基本問題である。
(1) はベクトルの内積を利用するか、3辺の長さを出して余弦定理を利用するかのいずれかでスムーズに求まる。座標平面上の点として与えられているため、ベクトルの成分計算を利用する方が平方根の処理が少なく済むことが多い。
(2) は「三角形の内角の二等分線と対辺の比の定理($AB : AC = BD : DC$)」を正しく記憶しているかを問う問題である。この性質は、ベクトルや座標幾何において内分点の位置ベクトル・座標を求める際に頻繁に用いられる重要な知識である。
答え
(1)
$$ \frac{33}{65} $$
(2)
$$ D \left( \frac{20}{9}, -\frac{20}{9} \right) $$
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