北海道大学 1963年 文系 第6問 解説

方針・初手
- 対数を含む方程式であるため、まずは真数条件および根号内の条件を確認する。
- 底の変換公式を用いて、対数の底を揃える(底を $2$ に統一する)。
- 対数を外し、無理方程式に帰着させる。
解法1
真数条件および根号内が $0$ 以上である条件を求める。 左辺の真数より、$x - 2 > 0$、すなわち $x > 2$。 右辺の根号内より、$x - 3 \ge 0$、すなわち $x \ge 3$。 右辺の真数より、$2 - \sqrt{x - 3} > 0$、すなわち $\sqrt{x - 3} < 2$。両辺が正であるから2乗して $x - 3 < 4$ となり、$x < 7$。 これらをすべて満たす $x$ の範囲は、
$$ 3 \le x < 7 $$
次に、与えられた方程式の左辺について、底の変換公式を用いて底を $2$ に変換する。
$$ \log_4(x - 2) = \frac{\log_2(x - 2)}{\log_2 4} = \frac{1}{2}\log_2(x - 2) $$
よって、与式は次のように変形できる。
$$ 1 + \frac{1}{2}\log_2(x - 2) = \log_2(2 - \sqrt{x - 3}) $$
両辺を $2$ 倍する。
$$ 2 + \log_2(x - 2) = 2\log_2(2 - \sqrt{x - 3}) $$
対数の性質を用いてまとめる。
$$ \log_2 4 + \log_2(x - 2) = \log_2(2 - \sqrt{x - 3})^2 $$
$$ \log_2 4(x - 2) = \log_2(2 - \sqrt{x - 3})^2 $$
真数どうしを比較する。
$$ 4(x - 2) = (2 - \sqrt{x - 3})^2 $$
右辺を展開して整理する。
$$ 4x - 8 = 4 - 4\sqrt{x - 3} + x - 3 $$
$$ 4x - 8 = x + 1 - 4\sqrt{x - 3} $$
$$ 3x - 9 = -4\sqrt{x - 3} $$
両辺を $2$ 乗して無理方程式を解く。
$$ 9(x - 3)^2 = 16(x - 3) $$
展開して移項し、因数分解する。
$$ 9(x - 3)^2 - 16(x - 3) = 0 $$
$$ (x - 3)\{9(x - 3) - 16\} = 0 $$
$$ (x - 3)(9x - 43) = 0 $$
これより、$x = 3, \frac{43}{9}$ を得る。
ここで、式 $3x - 9 = -4\sqrt{x - 3}$ に戻って確認する。 右辺は $-4\sqrt{x - 3} \le 0$ であるから、左辺も $3x - 9 \le 0$、すなわち $x \le 3$ を満たさなければならない。 得られた解のうち、この条件を満たすのは $x = 3$ のみである($x = \frac{43}{9}$ は不適)。
$x = 3$ は最初の条件 $3 \le x < 7$ を満たしている。
解法2
無理方程式 $3x - 9 = -4\sqrt{x - 3}$ の処理について、以下のように考えることもできる。
方程式の左辺をくくると、次のように変形できる。
$$ 3(x - 3) = -4\sqrt{x - 3} $$
前提条件より $x \ge 3$ であるから、左辺は $3(x - 3) \ge 0$ である。 一方、根号の値は $0$ 以上であるため、右辺は $-4\sqrt{x - 3} \le 0$ である。
左辺が $0$ 以上かつ右辺が $0$ 以下であり、それらが等しいということは、両辺がともに $0$ になる場合しかあり得ない。
すなわち、次が成り立つ。
$$ 3(x - 3) = 0 \quad \text{かつ} \quad -4\sqrt{x - 3} = 0 $$
これを解くと、どちらからも $x = 3$ が得られる。 これは最初の条件 $3 \le x < 7$ を満たす。
解説
- 対数方程式や不等式を解く際は、何よりも先に「真数条件」と「底の条件(文字を含む場合)」、そして「根号内が非負である条件」を確認し、解の存在範囲を絞り込むことが必須である。
- 底が異なる対数を含む場合、底の変換公式を用いて底を統一する。通常は小さい方の底(この場合は $2$)に揃えるのが計算を簡略化する定石である。
- 無理方程式を解くために両辺を $2$ 乗すると、同値性が崩れる(余分な解が混ざる)ことに注意が必要である。同値変形とするためには、両辺の符号が一致する条件を付け加えるか、求まった解を元の式に代入して適不適を確認しなければならない。解法1ではこの点について丁寧に確認を行っている。
- 解法2のように、式の値のとりうる範囲(符号)に注目して両辺が等しくなる条件を絞り込む方法は、不要な計算を避け手早く解くための有効な手段である。
答え
$$ x = 3 $$
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