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北海道大学 1965年 文系 第7問 解説

数学B/数列テーマ/速度・距離
北海道大学 1965年 文系 第7問 解説

方針・初手

(1) 与えられた各区間での速さの列から規則性を見つける。階差数列を計算して一般項を求めるか、各項を因数分解して推測する。

(2) 「平均の速さ」の定義である「(総移動距離)$\div$(総所要時間)」に則って計算する。各区間の所要時間を求めて足し合わせる際、部分分数分解を利用して和を計算する。

解法1

(1)

線分 $A_{n-1}A_n$ 上での点 $P$ の速さを $v_n$ とおくと、与えられた条件から数列 $\{v_n\}$ の各項は次のようになる。

$$ v_1 = 6, \ v_2 = 12, \ v_3 = 20, \ v_4 = 30, \ \dots $$

階差数列 $b_n = v_{n+1} - v_n$ をとると、

$$ b_1 = 6, \ b_2 = 8, \ b_3 = 10, \ \dots $$

となり、これは初項 $6$、公差 $2$ の等差数列である。したがって、階差数列の一般項は次のように表される。

$$ b_n = 6 + (n-1) \cdot 2 = 2n + 4 $$

$n \geqq 2$ のとき、数列 $\{v_n\}$ の一般項は以下のように計算できる。

$$ \begin{aligned} v_n &= v_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \\ &= 6 + \sum_{k=1}^{n-1} (2k + 4) \\ &= 6 + 2 \cdot \frac{1}{2}(n-1)n + 4(n-1) \\ &= 6 + n^2 - n + 4n - 4 \\ &= n^2 + 3n + 2 \\ &= (n+1)(n+2) \end{aligned} $$

この式において $n=1$ とすると、$(1+1)(1+2) = 6$ となり、$v_1$ の値と一致するため、$n=1$ のときも成り立つ。

よって、線分 $A_{n-1}A_n$ 上での点 $P$ の速さは $(n+1)(n+2)$ である。

(2)

点 $P$ が $A_0$ から $A_n$ まで移動する総距離は $na$ である。

各区間 $A_{k-1}A_k$ の距離は $a$ であり、この区間を点 $P$ は速さ $v_k = (k+1)(k+2)$ で進むため、かかる時間 $t_k$ は次のように表される。

$$ t_k = \frac{a}{(k+1)(k+2)} $$

$A_0$ から $A_n$ に達するまでの総時間 $T_n$ は、各区間の時間の和であるから、

$$ T_n = \sum_{k=1}^{n} t_k = \sum_{k=1}^{n} \frac{a}{(k+1)(k+2)} $$

部分分数に分解して和を計算する。

$$ \begin{aligned} T_n &= a \sum_{k=1}^{n} \left( \frac{1}{k+1} - \frac{1}{k+2} \right) \\ &= a \left\{ \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{3} \right) + \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{4} \right) + \cdots + \left( \frac{1}{n+1} - \frac{1}{n+2} \right) \right\} \\ &= a \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{n+2} \right) \\ &= a \cdot \frac{(n+2) - 2}{2(n+2)} \\ &= \frac{an}{2(n+2)} \end{aligned} $$

求める平均の速さは、(総移動距離)$\div$(総時間)によって得られるため、

$$ na \div T_n = na \cdot \frac{2(n+2)}{an} = 2(n+2) $$

となる。

解説

数列の規則性から一般項を導く基本的な操作と、部分分数分解を用いた和の計算を組み合わせた典型問題である。

特に(2)において、「平均の速さ」を求める際に「速さの平均」を計算してしまうミスが頻発する。物理的にも数学的にも、平均の速さは必ず「全体の距離 $\div$ 全体の時間」で定義されるため、この基本に忠実に式を立てることが重要である。

答え

(1) $(n+1)(n+2)$

(2) $2(n+2)$

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