北海道大学 1966年 文系 第4問 解説

(1)
方針・初手
二項定理を用いて展開式の一般項を書き下し、$x$ の指数が $3$ となる項を見つける。
解法1
二項定理より、$\left(x^2 - \frac{1}{x}\right)^9$ の展開式における一般項は
$${}_{9}\text{C}_{k} (x^2)^{9-k} \left(-\frac{1}{x}\right)^k \quad (k = 0, 1, 2, \dots, 9)$$
と表される。これを整理すると、
$${}_{9}\text{C}_{k} x^{18-2k} \cdot (-1)^k x^{-k} = {}_{9}\text{C}_{k} (-1)^k x^{18-3k}$$
となる。
$x^3$ の項となるのは、$x$ の指数が $3$ のときであるから、
$$18 - 3k = 3$$
これを解いて $k = 5$ となる。
したがって、$x^3$ の係数は
$${}_{9}\text{C}_{5} (-1)^5 = -{}_{9}\text{C}_{4} = -\frac{9 \cdot 8 \cdot 7 \cdot 6}{4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} = -126$$
である。
解説
二項定理の一般項を正確に記述し、条件に合う指数を求める典型的な問題である。マイナスの符号や組み合わせの計算ミスに注意して進めたい。
答え
$-126$
(2)
方針・初手
条件が指定されている投手と捕手の配置を先に決め、その後に制限のない残りの選手の配置を決める。
解法1
9人のうち、3番と4番にはすでに定着した選手がいるため、残りの7つの打順(1、2、5、6、7、8、9番)に7人の選手を配置する。
まず、条件の厳しい投手と捕手の打順を決める。
投手と捕手の2人は、7番、8番、9番の3つの枠のいずれかに入る。3つの枠から2つを選んで投手と捕手を並べる方法は、
$${}_{3}\text{P}_{2} = 3 \times 2 = 6 \, \text{通り}$$
ある。
次に、残った5人の選手の打順を決める。
7つの枠から投手と捕手が入った2つの枠を除いた、残りの5つの枠に5人の選手を配置するので、その方法は
$$5! = 5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 120 \, \text{通り}$$
ある。
以上より、求める打順の決め方は積の法則により、
$$6 \times 120 = 720 \, \text{通り}$$
である。
解説
条件が複雑な場合の数の問題では、「制限の厳しいものから先に配置する」ことが鉄則である。本問では、配置できる場所が限定されている投手と捕手から先に配置を考えることで、シンプルに計算できる。
答え
$720$
(3)
方針・初手
$f'(x) = 0$ を解いて極大値・極小値をとる $x$ の値を求め、不定積分から $f(x)$ を求めてそれぞれの点の座標を計算し、直線の傾きを導出する。
解法1
与えられた導関数 $f'(x) = -x^2 + x + 2$ を因数分解すると、
$$f'(x) = -(x^2 - x - 2) = -(x - 2)(x + 1)$$
となる。$f'(x) = 0$ とすると、$x = -1, 2$ である。
$x < -1$ では $f'(x) < 0$、$ -1 < x < 2$ では $f'(x) > 0$、$x > 2$ では $f'(x) < 0$ である。
したがって、$y = f(x)$ は $x = -1$ で極小値、$x = 2$ で極大値をとる。題意より、極大になる点 $P$ の $x$ 座標は $2$、極小になる点 $Q$ の $x$ 座標は $-1$ である。
$f(x)$ は $f'(x)$ の不定積分であるから、積分定数を $C$ とすると、
$$f(x) = \int (-x^2 + x + 2) dx = -\frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2}x^2 + 2x + C$$
となる。
点 $P$ の $y$ 座標は
$$f(2) = -\frac{8}{3} + 2 + 4 + C = \frac{10}{3} + C$$
点 $Q$ の $y$ 座標は
$$f(-1) = \frac{1}{3} + \frac{1}{2} - 2 + C = -\frac{7}{6} + C$$
直線 $PQ$ の傾きは、
$$\frac{f(2) - f(-1)}{2 - (-1)} = \frac{\left(\frac{10}{3} + C\right) - \left(-\frac{7}{6} + C\right)}{3} = \frac{\frac{20}{6} + \frac{7}{6}}{3} = \frac{\frac{27}{6}}{3} = \frac{9}{6} = \frac{3}{2}$$
となる。
解法2
$f(x)$ を $f'(x)$ で割った余りを利用する。
$f(x)$ は3次関数であり、$f'(x)$ は2次関数である。$f(x)$ を $f'(x)$ で割ったときの商を $g(x)$、余りを $ax + b$ とすると、
$$f(x) = f'(x)g(x) + ax + b$$
と表せる。
ここで、$x = 2$(点 $P$ の $x$ 座標)と $x = -1$(点 $Q$ の $x$ 座標)において $f'(x) = 0$ であるから、
$$f(2) = 2a + b$$
$$f(-1) = -a + b$$
となる。これは、極値をとる点 $P(2, f(2))$ と点 $Q(-1, f(-1))$ が直線 $y = ax + b$ 上にあることを示している。すなわち、直線 $PQ$ の方程式は $y = ax + b$ であり、その傾きは $a$ である。
実際に $f(x) = -\frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2}x^2 + 2x + C$ ($C$ は積分定数)を $f'(x) = -x^2 + x + 2$ で割る。
$$-\frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2}x^2 + 2x + C = (-x^2 + x + 2) \left(\frac{1}{3}x - \frac{1}{6}\right) + \frac{3}{2}x + \frac{1}{3} + C$$
となる。
余りの1次式の $x$ の係数が $\frac{3}{2}$ であるため、求める直線 $PQ$ の傾きは $\frac{3}{2}$ である。
解説
極値をとる2点を通る直線の傾きを求める問題である。不定積分を用いて素直に座標を求めて計算するのが基本方針となる(解法1)。さらに、3次関数の性質として「$f(x)$ を $f'(x)$ で割った余り」が極値を通る直線を表すという事実を利用すると、直接的な座標計算を省き、多項式の割り算のみで素早く答えを導出できる(解法2)。
答え
$\frac{3}{2}$
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