トップ 大阪大学 1968年 理系 第3問

大阪大学 1968年 理系 第3問 解説

数学C/式と曲線数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域テーマ/二次曲線
大阪大学 1968年 理系 第3問 解説

方針・初手

問題の円の方程式を文字パラメータ $t$ を用いて立式し、だ円の式と連立させることで、「点 $(a, 0)$ 以外に異なる2つの交点をもつ」ための $t$ の条件を求めます。その後、円の方程式を「$t$ についての方程式」とみなし、得られた $t$ の範囲に実数解をもつような $(x, y)$ の条件(通過領域)を求めるという流れになります。

解法1

円の中心は $x$ 軸上にあるため、その座標を $(t, 0)$ とおく。 円は点 $(a, 0)$ を通るので、その半径は $|a - t|$ となる。したがって、この円の方程式は以下のようになる。

$$ (x - t)^2 + y^2 = (a - t)^2 $$

この式を展開して整理する。

$$ x^2 - 2tx + t^2 + y^2 = a^2 - 2at + t^2 $$

$$ x^2 + y^2 - a^2 = 2t(x - a) $$

次に、だ円 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ を $y^2$ について解く。

$$ y^2 = b^2 \left( 1 - \frac{x^2}{a^2} \right) $$

これを円の方程式に代入して、交点の $x$ 座標を求める方程式を作る。

$$ (x - t)^2 + b^2 \left( 1 - \frac{x^2}{a^2} \right) = (a - t)^2 $$

$$ x^2 - 2tx + t^2 + b^2 - \frac{b^2}{a^2}x^2 = a^2 - 2at + t^2 $$

$$ \frac{a^2 - b^2}{a^2}x^2 - 2tx + b^2 - a^2 + 2at = 0 $$

両辺を整理し、因数分解を行う。点 $(a, 0)$ が交点の1つであることが分かっているため、$x - a$ を因数にもつことに注意する。

$$ \frac{a^2 - b^2}{a^2}x^2 - 2tx - (a^2 - b^2 - 2at) = 0 $$

$$ (x - a) \left( \frac{a^2 - b^2}{a^2}x + \frac{a^2 - b^2}{a} - 2t \right) = 0 $$

これより、交点の $x$ 座標は $x = a$ および以下の値となる。

$$ x = a - \frac{2a^2}{a^2 - b^2}t $$

円とだ円が点 $(a, 0)$ 以外に異なる2つの交点をもつための条件は、このもう1つの $x$ 座標に対して $y^2 > 0$ となること、すなわち $-a < x < a$ を満たすことである。

$$ -a < a - \frac{2a^2}{a^2 - b^2}t < a $$

各辺から $a$ を引く。

$$ -2a < -\frac{2a^2}{a^2 - b^2}t < 0 $$

各辺に $-\frac{a^2 - b^2}{2a^2}$(これは負の値)を掛けて不等号の向きを変える。

$$ 0 < t < \frac{a^2 - b^2}{a} $$

これが、条件を満たすように円が変化するときの、中心の $x$ 座標 $t$ のとり得る範囲である。 次に、この $t$ の範囲において、円 $(x - t)^2 + y^2 = (a - t)^2$ の周上にある点 $(x, y)$ の存在範囲を求める。 円の方程式を $t$ について整理した式を用いる。

$$ 2(x - a)t = x^2 + y^2 - a^2 $$

(i) $x = a$ のとき

式は $0 = a^2 + y^2 - a^2$ すなわち $y^2 = 0$ となり、$y = 0$ を得る。 このとき、方程式は $0 \cdot t = 0$ となり、すべての $t$ について成り立つ。上で求めた $t$ の変域に存在する任意の $t$ に対しても成り立つため、点 $(a, 0)$ は存在する領域に含まれる。

(ii) $x \neq a$ のとき

両辺を $2(x - a)$ で割る。

$$ t = \frac{x^2 + y^2 - a^2}{2(x - a)} $$

これが $t$ の条件を満たすような $(x, y)$ の範囲を求める。

$$ 0 < \frac{x^2 + y^2 - a^2}{2(x - a)} < \frac{a^2 - b^2}{a} $$

分母の符号によって場合分けを行う。

(ア) $x < a$ のとき

$2(x - a) < 0$ であるから、各辺に $2(x - a)$ を掛けると不等号の向きが変わる。

$$ 0 > x^2 + y^2 - a^2 > \frac{2(a^2 - b^2)}{a}(x - a) $$

前半の不等式 $0 > x^2 + y^2 - a^2$ より、以下を得る。

$$ x^2 + y^2 < a^2 $$

後半の不等式 $x^2 + y^2 - a^2 > \frac{2(a^2 - b^2)}{a}x - 2(a^2 - b^2)$ を整理する。

$$ x^2 - \frac{2(a^2 - b^2)}{a}x + y^2 + a^2 - 2b^2 > 0 $$

平方完成を行う。

$$ \left( x - \frac{a^2 - b^2}{a} \right)^2 - \left( \frac{a^2 - b^2}{a} \right)^2 + y^2 + a^2 - 2b^2 > 0 $$

$$ \left( x - \frac{a^2 - b^2}{a} \right)^2 + y^2 > \frac{a^4 - 2a^2b^2 + b^4 - a^4 + 2a^2b^2}{a^2} $$

$$ \left( x - \frac{a^2 - b^2}{a} \right)^2 + y^2 > \left( \frac{b^2}{a} \right)^2 $$

(イ) $x > a$ のとき

$2(x - a) > 0$ であるから、各辺に $2(x - a)$ を掛けても不等号の向きは変わらない。

$$ 0 < x^2 + y^2 - a^2 < \frac{2(a^2 - b^2)}{a}(x - a) $$

前半の不等式より $x^2 + y^2 > a^2$ となるが、これは $x > a > 0$ であることから常に成り立つ。 後半の不等式を (ア) と同様に整理すると、以下のようになる。

$$ \left( x - \frac{a^2 - b^2}{a} \right)^2 + y^2 < \left( \frac{b^2}{a} \right)^2 $$

しかし、この円の中心の $x$ 座標は $\frac{a^2 - b^2}{a} = a - \frac{b^2}{a} < a$ であり、半径は $\frac{b^2}{a}$ である。この円の内部にある点の $x$ 座標は最大でも $a$ にとどまるため、$x > a$ を満たす点 $(x, y)$ は存在しない。

以上より、求める領域は (i)(ii)-(ア) を合わせた範囲となる。

解説

図形と方程式における「図形の通過領域」を求める典型的な問題です。本問では、動く円のパラメータ $t$ についての方程式が1次式になるという性質を利用し、$t$ について解いてから条件の不等式に代入する「逆手流(順像法・パラメータ消去)」のアプローチが有効です。不等式を処理する際、$x - a$ の符号による場合分けを忘れないことが重要です。

また、2つの円の位置関係を考察すると、円 $\left( x - \frac{a^2 - b^2}{a} \right)^2 + y^2 = \left( \frac{b^2}{a} \right)^2$ は、円 $x^2 + y^2 = a^2$ に点 $(a, 0)$ で内接していることがわかります。したがって、点 $(a, 0)$ は境界線上の一点として領域に含まれることになります。

答え

求める範囲は、以下の不等式を満たす領域および点 $(a, 0)$ である。

$$ x^2 + y^2 < a^2 \quad \text{かつ} \quad \left( x - \frac{a^2 - b^2}{a} \right)^2 + y^2 > \left( \frac{b^2}{a} \right)^2 $$

図示すると、原点を中心とする半径 $a$ の円の内部であり、かつ、点 $\left( \frac{a^2 - b^2}{a}, 0 \right)$ を中心とする半径 $\frac{b^2}{a}$ の円の外部となる。 (境界線は含まない。ただし、この2円の接点である点 $(a, 0)$ のみ含む)

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。