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北海道大学 2022年 文系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
北海道大学 2022年 文系 第4問 解説

(1)

方針・初手

カードを取り出すごとに箱に戻す「復元抽出」であるため、各回の試行は互いに独立です。1回目と3回目の結果が一致する場合を、A、B、Cの文字ごとに分けて考えます。

解法1

1回目と3回目の文字が一致するのは、以下の3つの排反な事象のいずれかが起こる場合である。

(i) 1回目と3回目がともに A である事象 各回で A を取り出す確率は $\frac{5}{10} = \frac{1}{2}$ であるから、その確率は

$$ \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4} $$

(ii) 1回目と3回目がともに B である事象 各回で B を取り出す確率は $\frac{3}{10}$ であるから、その確率は

$$ \frac{3}{10} \times \frac{3}{10} = \frac{9}{100} $$

(iii) 1回目と3回目がともに C である事象 各回で C を取り出す確率は $\frac{2}{10} = \frac{1}{5}$ であるから、その確率は

$$ \frac{1}{5} \times \frac{1}{5} = \frac{1}{25} $$

これらは互いに排反であるから、求める確率は

$$ \frac{1}{4} + \frac{9}{100} + \frac{1}{25} = \frac{25}{100} + \frac{9}{100} + \frac{4}{100} = \frac{38}{100} = \frac{19}{50} $$

(2)

方針・初手

カードを箱に戻さない「非復元抽出」です。2回目の結果を無視して1回目と3回目の結果だけに着目すると、10枚のカードから同時に2枚を取り出して並べるのと同じ確率になります(くじ引きの公平性)。

解法1

特定の回において特定のカードを取り出す確率は、何回目であっても変わりません。1回目と3回目に取り出したカードにのみ着目すると、これは10枚のカードから2枚を選んで1列に並べる場合の数と同じ構造を持ちます。 1回目と3回目が同じ文字になるのは、ともに A、ともに B、ともに C のいずれかであり、これらは排反事象です。

(i) 1回目と3回目がともに A である確率 5枚の A から2枚を取り出して並べるので、

$$ \frac{{}_{5}\mathrm{P}_{2}}{{}_{10}\mathrm{P}_{2}} = \frac{5 \times 4}{10 \times 9} = \frac{20}{90} $$

(ii) 1回目と3回目がともに B である確率 3枚の B から2枚を取り出して並べるので、

$$ \frac{{}_{3}\mathrm{P}_{2}}{{}_{10}\mathrm{P}_{2}} = \frac{3 \times 2}{10 \times 9} = \frac{6}{90} $$

(iii) 1回目と3回目がともに C である確率 2枚の C から2枚を取り出して並べるので、

$$ \frac{{}_{2}\mathrm{P}_{2}}{{}_{10}\mathrm{P}_{2}} = \frac{2 \times 1}{10 \times 9} = \frac{2}{90} $$

以上より、これらは排反であるから、求める確率は

$$ \frac{20}{90} + \frac{6}{90} + \frac{2}{90} = \frac{28}{90} = \frac{14}{45} $$

(3)

方針・初手

条件付き確率の定義に従って計算します。事象 $E$ を「2回目に取り出したカードが C である」、事象 $F$ を「1回目と3回目に取り出したカードの文字が一致する」とおき、$P(E)$ と $P(E \cap F)$ をそれぞれ求めます。

解法1

事象 $E$ を「2回目に C を取り出す」、事象 $F$ を「1回目と3回目の文字が一致する」とする。求める条件つき確率は $P_{E}(F) = \frac{P(E \cap F)}{P(E)}$ である。

まず、2回目に C を取り出す確率 $P(E)$ は、くじ引きの公平性より1回目に C を取り出す確率と等しいため、

$$ P(E) = \frac{2}{10} = \frac{1}{5} $$

次に、$E \cap F$ すなわち「2回目が C であり、かつ1回目と3回目の文字が一致する」確率 $P(E \cap F)$ を求める。 C のカードは2枚しかないため、1回目、2回目、3回目の順に (C, C, C) となることはない。よって1回目と3回目の文字は A または B に限られる。

(i) 1回目、2回目、3回目が (A, C, A) の順に出る確率

$$ \frac{5}{10} \times \frac{2}{9} \times \frac{4}{8} = \frac{40}{720} = \frac{1}{18} $$

(ii) 1回目、2回目、3回目が (B, C, B) の順に出る確率

$$ \frac{3}{10} \times \frac{2}{9} \times \frac{2}{8} = \frac{12}{720} = \frac{1}{60} $$

これらは排反であるから、

$$ P(E \cap F) = \frac{1}{18} + \frac{1}{60} = \frac{10}{180} + \frac{3}{180} = \frac{13}{180} $$

したがって、求める条件つき確率 $P_{E}(F)$ は、

$$ P_{E}(F) = \frac{P(E \cap F)}{P(E)} = \frac{\frac{13}{180}}{\frac{1}{5}} = \frac{13}{180} \times 5 = \frac{13}{36} $$

解説

「くじ引きの公平性(対称性)」を利用すると、特定の手順の確率を簡単に求めることができます。(2)では、1回目と3回目の結果に2回目の間の試行は影響を与えないため、2回の抽出だけを考えればよいことに気づけると計算が早くなります。(3)の条件付き確率では、定義通りに分母と分子の確率を分けて計算することが基本です。特に C は2枚しか存在しないため、3回引く中で (C, C, C) の事象は起こり得ないことに注意が必要です。

答え

(1) $\frac{19}{50}$

(2) $\frac{14}{45}$

(3) $\frac{13}{36}$

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