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北海道大学 2022年 理系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
北海道大学 2022年 理系 第4問 解説

方針・初手

確率を求める問題の基本原則に従い、同じ文字が書かれた玉であっても、すべて異なるものとして区別して数える。本問の玉は全部で8個あり、文字の構成は A, D, H, I が各1個、K, O が各2個である。

玉をすべて区別して円形に並べる場合の数を全事象とし、各設問の条件を満たす並べ方の数を求めていく。(2) の「隣り合う子音が存在する」確率は、余事象である「どの子音も隣り合わない」確率を求めてから $1$ から引く。(3) は「子音が隣り合わない」並べ方の定石である「母音を先に並べて、その間の隙間に子音を入れる」という考え方を応用し、隣り合う「KK」を1つのまとまりとして処理する。

解法1

確率を計算するため、2個ずつある K, O も含め、8個の玉をすべて区別して考える。 8個の玉を円形に並べる全事象を $U$ とすると、その総数 $n(U)$ は

$$ n(U) = (8-1)! = 7! = 5040 \text{ 通り} $$

これらはすべて同様に確からしい。

(1)

時計回りに「HOKKAIDO」の順に並ぶ事象を考える。 文字の並び順は1つに指定されている。このとき、2個ある K の配置の仕方が $2!$ 通り、2個ある O の配置の仕方が $2!$ 通りある。 したがって、条件を満たす並べ方の数は

$$ 1 \times 2! \times 2! = 4 \text{ 通り} $$

よって、求める確率は

$$ \frac{4}{5040} = \frac{1}{1260} $$

(2)

子音は D, H, K, K の4個であり、母音は A, I, O, O の4個である。 「隣り合う子音が存在する」という事象を $X$ とすると、その余事象 $\overline{X}$ は「どの子音も隣り合わない」ことである。 事象 $\overline{X}$ となる並べ方の数 $n(\overline{X})$ を求める。 まず、母音4個を円形に並べる。その並べ方は

$$ (4-1)! = 3! = 6 \text{ 通り} $$

次に、並んだ母音と母音の間の4箇所に、子音4個をそれぞれ1つずつ入れる。その入れ方は

$$ 4! = 24 \text{ 通り} $$

よって、どの子音も隣り合わない並べ方の数は

$$ n(\overline{X}) = 6 \times 24 = 144 \text{ 通り} $$

したがって、求める確率 $P(X)$ は

$$ P(X) = 1 - P(\overline{X}) = 1 - \frac{144}{5040} = 1 - \frac{1}{35} = \frac{34}{35} $$

(3)

「隣り合う子音が KK だけである」という事象を $Y$ とすると、求めるのは条件つき確率 $P_X(Y)$ であり、次のように表される。

$$ P_X(Y) = \frac{n(X \cap Y)}{n(X)} $$

(2) より、隣り合う子音が存在する並べ方の数 $n(X)$ は

$$ n(X) = n(U) - n(\overline{X}) = 5040 - 144 = 4896 \text{ 通り} $$

次に、事象 $X \cap Y$ となる並べ方の数 $n(X \cap Y)$ を求める。これは、2個の K が隣り合い、それ以外の子音(D, H)はどの子音とも隣り合わない並べ方である。 隣り合う2個の K を1つのまとまり「KK」として扱うと、子音は「KK」「D」「H」の3つのグループとなる。これらが互いに隣り合わないように配置すればよい。 まず、母音4個を円形に並べる方法は $3! = 6$ 通り。 次に、母音の間の4箇所から3箇所を選び、そこに「KK」「D」「H」を入れる。その入れ方は

$$ {}_4\mathrm{P}_3 = 24 \text{ 通り} $$

さらに、まとまり「KK」の中での2個の K の並び順が $2! = 2$ 通りある。 よって

$$ n(X \cap Y) = 6 \times 24 \times 2 = 288 \text{ 通り} $$

したがって、求める条件つき確率は

$$ P_X(Y) = \frac{288}{4896} = \frac{1}{17} $$

解法2

事象の対称性を利用し、同じ文字の玉を区別せずに円順列の総数を考える。 与えられた8文字の個数(1, 1, 1, 1, 2, 2)の最大公約数は1であるため、どのように円形に並べても周期的な配列(回転させて元の配列に一致するような配列)にはならない。 したがって、同じ文字を区別せずに作った円順列はすべて同様に確からしくなる。 8個の玉の円順列の全事象の総数 $N$ は、1列に並べる順列の総数を8で割ることで求められる。

$$ N = \frac{1}{8} \times \frac{8!}{2! 2!} = 1260 \text{ 通り} $$

(1)

時計回りに「HOKKAIDO」の順に並ぶ円順列は1通りのみである。 よって、求める確率は

$$ \frac{1}{1260} $$

(2)

どの子音も隣り合わない円順列の数を求める。 母音4個(A, I, O, O)の円順列の数は

$$ \frac{(4-1)!}{2!} = 3 \text{ 通り} $$

並んだ母音の間の4箇所に、子音4個(D, H, K, K)を入れる。その入れ方は

$$ \frac{4!}{2!} = 12 \text{ 通り} $$

よって、どの子音も隣り合わない円順列は $3 \times 12 = 36$ 通り。 求める確率は余事象を利用して

$$ 1 - \frac{36}{1260} = 1 - \frac{1}{35} = \frac{34}{35} $$

(3)

「隣り合う子音が KK だけである」円順列の数を求める。 2個の K を1つのまとまり「KK」とし、「KK」「D」「H」の3つが互いに隣り合わないようにする。 母音4個の円順列は 3 通り。 母音の間の4箇所から3箇所を選び、「KK」「D」「H」を入れる入れ方は

$$ {}_4\mathrm{P}_3 = 24 \text{ 通り} $$

よって、この条件を満たす円順列は $3 \times 24 = 72$ 通り。 (2) より、隣り合う子音が存在する円順列は $1260 - 36 = 1224$ 通りであるから、求める条件つき確率は

$$ \frac{72}{1224} = \frac{1}{17} $$

解説

確率の原則である「同じものでも区別する」という立場を貫いたのが解法1である。どの事象が同様に確からしいかで悩む必要がなく、最も確実な方針である。

一方、解法2のように「同じものを区別しない」立場でも、構成される各円順列が同様に確からしいことが保証されていれば正しい結果が得られる。本問では文字の構成数の最大公約数が1であるため、回転対称な配置(周期性を持つ配置)が存在せず、この前提が満たされている。

特定の要素が「隣り合わない」並べ方を数える際は、残りの要素を先に並べ、その隙間に挿入していくという手法が定石である。また、(3)の「KKだけが隣り合う」という条件は、「KとKは隣り合い、それ以外の子音同士は隣り合わない」と解釈し、KKを1つのカタマリとして他の子音と同列に隙間に入れていくとスムーズに数え上げることができる。

答え

(1) $\frac{1}{1260}$

(2) $\frac{34}{35}$

(3) $\frac{1}{17}$

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