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北海道大学 2018年 文系 第3問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
北海道大学 2018年 文系 第3問 解説

方針・初手

3つのサイコロの出た目 $R, B, Y$ はそれぞれ独立に $1$ から $6$ までの値をとり、事象の総数は $6^3 = 216$ 通りであり、これらは同様に確からしい。

(1) $s, t, u$ の百の位の数字にのみ着目すれば、500以上となるための条件が $R, B, Y$ のそれぞれの値のみで独立に定まることがわかる。反復試行の確率として計算する。

(2) $s, t, u$ をそれぞれ $R, B, Y$ を用いて位取り記数法の形で表し、大小関係を比較する。各桁の数字を上位の桁から順に比較していくか、差をとって不等式を評価することで、条件 $s > t > u$ を満たす $R, B, Y$ の大小関係を特定する。

解法1

(1)

$s = 100R + 10B + Y$ は、百の位が $R$、十の位が $B$、一の位が $Y$ の3桁の自然数である。

$R, B, Y$ は $1$ から $6$ までの整数であるため、$10B + Y \le 10 \cdot 6 + 6 = 66$ となり、繰り上がり等は生じない。 したがって、$s \ge 500$ となる条件は、百の位の数字が $5$ 以上、すなわち $R \ge 5$ である。

同様に、$t \ge 500$ となる条件は $B \ge 5$ であり、$u \ge 500$ となる条件は $Y \ge 5$ である。

サイコロを1回投げて $5$ 以上の目が出る確率は、$\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$ である。

$s, t, u$ のうち少なくとも2つが500以上となるのは、$R, B, Y$ のうち少なくとも2つが $5$ 以上となる場合であるから、反復試行の確率より、求める確率は

$$ {}_{3}\mathrm{C}_{2} \left( \frac{1}{3} \right)^2 \left( 1 - \frac{1}{3} \right)^1 + {}_{3}\mathrm{C}_{3} \left( \frac{1}{3} \right)^3 $$

これを計算して、

$$ 3 \cdot \frac{1}{9} \cdot \frac{2}{3} + 1 \cdot \frac{1}{27} = \frac{6}{27} + \frac{1}{27} = \frac{7}{27} $$

(2)

$s, t, u$ の大小関係を、各桁の数字を上位の桁から比較することで調べる。

まず、$s > t$ となる条件を考える。 $s$ の百の位は $R$、$t$ の百の位は $B$ である。

(i) $R > B$ のとき

百の位の数字が異なるため、十の位以下の値に関わらず常に $s > t$ が成り立つ。

(ii) $R = B$ のとき

百の位が等しいため、十の位の比較となる。$s$ の十の位は $B$(すなわち $R$)、$t$ の十の位は $Y$ である。 したがって、$R > Y$ であれば $s > t$ が成り立つ。

(iii) $R < B$ のとき

百の位の比較により、常に $s < t$ となるため不適である。

これらより、$s > t$ となる条件は「$R > B$」または「$R = B$ かつ $R > Y$」である。 同様に、$t$ と $u$ を比較すると、$t > u$ となる条件は「$B > Y$」または「$B = Y$ かつ $B > R$」である。

$s > t > u$ を満たすには、$s > t$ かつ $t > u$ が同時に成り立つ必要がある。場合分けをして共通範囲を求める。

(ア) $R > B$ かつ $B > Y$ の場合

これを満たす条件は $R > B > Y$ である。 $1$ から $6$ までの $6$ つの数字から、異なる $3$ つの数字を選んで大きい順に $R, B, Y$ とすればよいので、その選び方は

$$ {}_{6}\mathrm{C}_{3} = \frac{6 \cdot 5 \cdot 4}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 20 \text{ 通り} $$

(イ) $R > B$ かつ($B = Y$ かつ $B > R$)の場合

$R > B$ と $B > R$ は矛盾するため、これを満たす $R, B, Y$ の組は存在しない。

(ウ) ($R = B$ かつ $R > Y$)かつ $B > Y$ の場合

$R = B$ であるため、$R > Y$ と $B > Y$ は同じ条件である。したがって、これを満たす条件は $R = B > Y$ である。 $1$ から $6$ までの $6$ つの数字から、異なる $2$ つの数字を選び、大きい方を $R$ および $B$、小さい方を $Y$ とすればよいので、その選び方は

$$ {}_{6}\mathrm{C}_{2} = \frac{6 \cdot 5}{2 \cdot 1} = 15 \text{ 通り} $$

(エ) ($R = B$ かつ $R > Y$)かつ($B = Y$ かつ $B > R$)の場合

$R > Y$ と $B = Y$ から $R > B$ となり、$R = B$ と矛盾する。これを満たす $R, B, Y$ の組は存在しない。

(ア) から (エ) は互いに排反であるから、$s > t > u$ を満たす $(R, B, Y)$ の組の総数は

$$ 20 + 15 = 35 \text{ 通り} $$

起こり得るすべての結果は $6^3 = 216$ 通りであり、これらは同様に確からしいので、求める確率は

$$ \frac{35}{216} $$

解法2

(2) について、差を計算して不等式を処理する方法を示す。

条件 $s > t$ より $s - t > 0$ であるから、

$$ (100R + 10B + Y) - (100B + 10Y + R) > 0 $$

$$ 99R - 90B - 9Y > 0 $$

両辺を $9$ で割って整理すると、

$$ 11R > 10B + Y $$

ここで $Y \ge 1$ であるから $10B + Y \ge 10B + 1 > 10B$ となり、$11R > 10B$ すなわち $R > \frac{10}{11}B$ が成り立つ。$R, B$ は整数であるから、$R \ge B$ が必要である。

(i) $R > B$ のとき

$11R - 10B \ge 11(B + 1) - 10B = B + 11 \ge 12$ となる。 $Y$ は最大でも $6$ であるから、$11R - 10B > Y$ は常に成り立つ。 よって、$R > B$ のときは無条件で $s > t$ となる。

(ii) $R = B$ のとき

不等式は $11B > 10B + Y$ となり、これを解くと $B > Y$ となる。 よって、$R = B$ のときは $B > Y$ (すなわち $R = B > Y$)のときに $s > t$ となる。

以上より、$s > t$ となるための条件は $(R > B)$ または $(R = B > Y)$ であることが示された。

同様に $t > u$ すなわち $t - u > 0$ を解くと、

$$ (100B + 10Y + R) - (100Y + 10R + B) > 0 $$

$$ 99B - 90Y - 9R > 0 $$

$$ 11B > 10Y + R $$

先の考察と同様にして、$t > u$ となるための条件は $(B > Y)$ または $(B = Y > R)$ となる。

$s > t$ かつ $t > u$ となる条件を求める。

(ア) $R > B$ のとき

$t > u$ の条件と照らし合わせる。もし $B = Y > R$ であれば $R > B$ と矛盾する。 したがって $B > Y$ のみが成り立ち、このケースでは $R > B > Y$ が条件となる。

(イ) $R = B > Y$ のとき

この時点で $B > Y$ が成り立っているため、$t > u$ の条件の1つである $B > Y$ を常に満たす。 よって、このケースでは $R = B > Y$ が条件となる。

以上より、$s > t > u$ となるのは $R > B > Y$ または $R = B > Y$ のいずれかの場合に限られる。

$R > B > Y$ となる $(R, B, Y)$ の組は、

$$ {}_{6}\mathrm{C}_{3} = 20 \text{ 通り} $$

$R = B > Y$ となる $(R, B, Y)$ の組は、

$$ {}_{6}\mathrm{C}_{2} = 15 \text{ 通り} $$

よって、求める確率は

$$ \frac{20 + 15}{216} = \frac{35}{216} $$

解説

(1) は確率の基本である反復試行の確率を用いる問題である。式が複雑に見えても、百の位の数字だけで値の大きさが $500$ を超えるかどうかが確定することに気づけば容易に立式できる。

(2) は各位の数字の大小から3桁の数の大小関係を論理的に分解する問題である。解法1のように辞書式配列の要領で「上位の桁から比較する」という自然な発想を用いれば、複雑な計算をせずに条件を洗い出すことができる。解法2のように差をとって不等式で厳密に評価する方法も定石であり、論理の漏れを防ぎやすい。

答え

(1) $\frac{7}{27}$

(2) $\frac{35}{216}$

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