北海道大学 1998年 理系 第6問 解説

方針・初手
(1)は、反復試行の確率を拡張した多項分布の考え方を用いる。選ばれた13人を「日曜日生まれ」「土曜日生まれ」「その他の曜日生まれ」の3つのグループに分ける確率を立式する。
(2)は、ある $k$ に対する確率を $P_k$ とおき、隣り合う項の比 $\frac{P_{k+1}}{P_k}$ と $1$ の大小関係を調べるという、確率(や数列)の最大値を求める際の定石に従って処理する。
解法1
(1)
13人を無作為に選ぶとき、各人が日曜日生まれ、土曜日生まれ、それ以外の曜日生まれになる確率はそれぞれ以下の通りである。
- 日曜日生まれになる確率:$\frac{1}{7}$
- 土曜日生まれになる確率:$\frac{1}{7}$
- 日曜日でも土曜日でもない曜日(月〜金曜日)生まれになる確率:$1 - \frac{1}{7} - \frac{1}{7} = \frac{5}{7}$
$X=k, Y=m$ となるのは、13人のうち、日曜日生まれが $k$ 人、土曜日生まれが $m$ 人、それ以外の曜日生まれが $13 - k - m$ 人となる場合である。 したがって、求める確率は多項分布の確率より、
$$ P(X=k, Y=m) = \frac{13!}{k! m! (13 - k - m)!} \left( \frac{1}{7} \right)^k \left( \frac{1}{7} \right)^m \left( \frac{5}{7} \right)^{13 - k - m} $$
これを整理して、以下のようになる。
$$ P(X=k, Y=m) = \frac{13!}{k! m! (13 - k - m)!} \frac{5^{13 - k - m}}{7^{13}} $$
(2)
$P(X=k, Y=2)$ を $P_k$ とおく。 (1)で求めた式に $m=2$ を代入すると、$k$ のとりうる値の範囲は $0 \leqq k \leqq 11$ の整数であり、
$$ P_k = \frac{13!}{k! 2! (11 - k)!} \frac{5^{11 - k}}{7^{13}} $$
となる。$P_k$ が最大となる $k$ を求めるため、比 $\frac{P_{k+1}}{P_k}$ を考え、$1$ との大小を比較する。 $0 \leqq k \leqq 10$ に対して、
$$ \begin{aligned} \frac{P_{k+1}}{P_k} &= \frac{ \frac{13!}{(k+1)! 2! (10 - k)!} \frac{5^{10 - k}}{7^{13}} }{ \frac{13!}{k! 2! (11 - k)!} \frac{5^{11 - k}}{7^{13}} } \\ &= \frac{13!}{(k+1)! 2! (10 - k)!} \cdot \frac{k! 2! (11 - k)!}{13!} \cdot \frac{5^{10 - k}}{5^{11 - k}} \\ &= \frac{11 - k}{k + 1} \cdot \frac{1}{5} \\ &= \frac{11 - k}{5(k + 1)} \end{aligned} $$
ここで、$\frac{P_{k+1}}{P_k} > 1$ となる条件を求める。
$$ \frac{11 - k}{5(k + 1)} > 1 $$
$k \geqq 0$ より $5(k + 1) > 0$ であるから、両辺に $5(k + 1)$ を掛けても不等号の向きは変わらない。
$$ 11 - k > 5k + 5 $$
$$ 6k < 6 $$
$$ k < 1 $$
$k$ は整数であるから、この不等式を満たすのは $k=0$ のみである。 したがって、$k=0$ のとき $\frac{P_1}{P_0} > 1$ となり、$P_0 < P_1$ が成り立つ。
次に、$\frac{P_{k+1}}{P_k} = 1$ となる条件を求める。 方程式 $\frac{11 - k}{5(k + 1)} = 1$ を解くと、$11 - k = 5k + 5$ より $6k = 6$ となり、$k=1$ を得る。 したがって、$k=1$ のとき $\frac{P_2}{P_1} = 1$ となり、$P_1 = P_2$ が成り立つ。
さらに、$\frac{P_{k+1}}{P_k} < 1$ となる条件を求める。 不等式 $\frac{11 - k}{5(k + 1)} < 1$ を解くと、$11 - k < 5k + 5$ より $6k > 6$ となり、$k > 1$ を得る。 したがって、$k = 2, 3, \dots, 10$ のとき $\frac{P_{k+1}}{P_k} < 1$ となり、$P_2 > P_3 > \dots > P_{11}$ が成り立つ。
以上の結果をまとめると、$P_k$ の大小関係は以下のようになる。
$$ P_0 < P_1 = P_2 > P_3 > \dots > P_{11} $$
よって、$P(X=k, Y=2)$ が最大となる $k$ は $1$ と $2$ である。
解説
(1)は反復試行の確率を3種類以上の事象に一般化した多項分布の公式を用いる基本問題である。「日曜日」「土曜日」の他に「それ以外の曜日」が存在することを忘れずに立式することが重要である。
(2)は数列の最大値を求める典型的な手法を用いる。階乗や累乗を含む式の最大値は、差をとるよりも比 $\frac{P_{k+1}}{P_k}$ を用いて $1$ と比較することで、多くの項が約分されて計算が見通しやすくなる。このとき、$k$ の変域に注意しながら不等式を解くことがポイントとなる。今回は最大値をとる $k$ が隣り合って2つ存在することにも注意したい。
答え
(1) $$ P(X=k, Y=m) = \frac{13!}{k! m! (13 - k - m)!} \frac{5^{13 - k - m}}{7^{13}} $$
(2) $$ k = 1, 2 $$
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