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北海道大学 1999年 理系 第1問 解説

数学1/図形計量数学2/三角関数テーマ/最大・最小
北海道大学 1999年 理系 第1問 解説

方針・初手

与えられた辺の長さ $AB$ と面積の条件から、残りの辺 $AC$ や角 $\angle BAC$ の間に成り立つ関係式を導く。$\angle BAC = \theta$、 $AC = x$ とおき、面積の公式と余弦定理を用いて、最小化したい式を $\theta$ と $x$ で表す。その後、面積の条件を用いて変数を $\theta$ のみに統一し、三角関数の性質を利用して関数の最小値を求める。

解法1

$\angle BAC = \theta$ ($0 < \theta < \pi$)、 $AC = x$ ($x > 0$)とおく。

$\triangle ABC$ の面積が $1$ であるから、面積の公式より以下の式が成り立つ。

$$ \frac{1}{2} \cdot AB \cdot AC \cdot \sin \theta = 1 $$

$AB = 2$ を代入して整理する。

$$ \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot x \cdot \sin \theta = 1 $$

$$ x \sin \theta = 1 $$

$0 < \theta < \pi$ において $\sin \theta > 0$ であるから、両辺を $\sin \theta$ で割ることができる。

$$ x = \frac{1}{\sin \theta} $$

次に、$\triangle ABC$ において余弦定理を用いる。

$$ BC^2 = AB^2 + AC^2 - 2 \cdot AB \cdot AC \cdot \cos \theta $$

$$ BC^2 = 2^2 + x^2 - 2 \cdot 2 \cdot x \cdot \cos \theta $$

$$ BC^2 = x^2 - 4x \cos \theta + 4 $$

この結果を用いて、最小化したい式 $BC^2 + (2\sqrt{3} - 1)AC^2$ を計算する。

$$ BC^2 + (2\sqrt{3} - 1)AC^2 = (x^2 - 4x \cos \theta + 4) + (2\sqrt{3} - 1)x^2 $$

$$ = 2\sqrt{3}x^2 - 4x \cos \theta + 4 $$

ここに $x = \frac{1}{\sin \theta}$ を代入する。

$$ 2\sqrt{3} \left( \frac{1}{\sin \theta} \right)^2 - 4 \left( \frac{1}{\sin \theta} \right) \cos \theta + 4 $$

$$ = \frac{2\sqrt{3}}{\sin^2 \theta} - \frac{4 \cos \theta}{\sin \theta} + 4 $$

ここで、三角関数の相互関係 $\frac{1}{\sin^2 \theta} = 1 + \frac{\cos^2 \theta}{\sin^2 \theta}$ を利用するため、 $\frac{\cos \theta}{\sin \theta} = t$ とおく。

$0 < \theta < \pi$ の範囲において、$t$ はすべての実数値をとる。

また、 $\frac{1}{\sin^2 \theta} = 1 + t^2$ と表せるため、与式は $t$ の関数として次のように書き換えられる。

$$ 2\sqrt{3}(1 + t^2) - 4t + 4 $$

$$ = 2\sqrt{3}t^2 - 4t + 2\sqrt{3} + 4 $$

この $t$ の2次関数について、平方完成を行う。

$$ 2\sqrt{3} \left( t^2 - \frac{2}{\sqrt{3}} t \right) + 2\sqrt{3} + 4 $$

$$ = 2\sqrt{3} \left( t - \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^2 - 2\sqrt{3} \left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^2 + 2\sqrt{3} + 4 $$

$$ = 2\sqrt{3} \left( t - \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^2 - \frac{2\sqrt{3}}{3} + 2\sqrt{3} + 4 $$

$$ = 2\sqrt{3} \left( t - \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^2 + \frac{4\sqrt{3}}{3} + 4 $$

$t$ はすべての実数値をとるため、この式は $t = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のときに最小値をとる。

$t = \frac{\cos \theta}{\sin \theta} = \frac{1}{\tan \theta}$ であるから、以下の関係が成り立つ。

$$ \frac{1}{\tan \theta} = \frac{1}{\sqrt{3}} $$

$$ \tan \theta = \sqrt{3} $$

$0 < \theta < \pi$ の範囲でこれを解くと、求める角の大きさは以下のようになる。

$$ \theta = \frac{\pi}{3} $$

解説

面積の条件を用いて未知数の数を減らすのが基本方針である。得られた式が $\sin \theta$ と $\cos \theta$ の分数式になるが、すべての項の次数が揃っている(同次式である)ことに着目し、 $\frac{\cos \theta}{\sin \theta}$ を1つの変数として置き換える手法が有効である。これは、三角関数の最大・最小問題においてしばしば現れる典型的な処理である。

答え

$\frac{\pi}{3}$ (または $60^\circ$)

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