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京都大学 1961年 文系 第5問 解説

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京都大学 1961年 文系 第5問 解説

方針・初手

解法1

与えられた連立方程式は以下の通りである。

$$ \begin{cases} x+y=a \\ x^2+y^2=b^2 \end{cases} $$

これらを用いて $xy$ を $a, b$ で表すと、

$$ xy = \frac{(x+y)^2 - (x^2+y^2)}{2} = \frac{a^2-b^2}{2} $$

となる。 $x, y$ は和が $a$、積が $\frac{a^2-b^2}{2}$ であるため、$t$ についての2次方程式

$$ t^2 - at + \frac{a^2-b^2}{2} = 0 \quad \cdots (*) $$

の2つの解(重解を含む)である。

題意を満たすためには、$x, y$ がいずれも $-1 \le x \le 1$ かつ $-1 \le y \le 1$ を満たす、すなわち2次方程式 $(*)$ が $-1 \le t \le 1$ の範囲に実数解を2つもてばよい。

$f(t) = t^2 - at + \frac{a^2-b^2}{2}$ とおく。 $y = f(t)$ のグラフは下に凸の放物線であり、その軸は直線 $t = \frac{a}{2}$ である。 $f(t) = 0$ が $-1 \le t \le 1$ に2つの実数解をもつための条件は、以下の3つを同時に満たすことである。

(i) 判別式 $D \ge 0$ (ii) 軸の位置が $-1 \le \frac{a}{2} \le 1$ (iii) 端点での値が $f(-1) \ge 0$ かつ $f(1) \ge 0$

それぞれについて条件式を求める。

(i) について

$$ D = (-a)^2 - 4 \cdot 1 \cdot \frac{a^2-b^2}{2} = -a^2 + 2b^2 \ge 0 $$

よって、

$$ b^2 \ge \frac{1}{2}a^2 $$

(ii) について

$$ -1 \le \frac{a}{2} \le 1 $$

よって、

$$ -2 \le a \le 2 $$

(iii) について $f(-1) \ge 0$ より、

$$ (-1)^2 - a(-1) + \frac{a^2-b^2}{2} \ge 0 $$

$$ 2 + 2a + a^2 - b^2 \ge 0 $$

$$ b^2 - (a+1)^2 \le 1 $$

また、$f(1) \ge 0$ より、

$$ 1^2 - a \cdot 1 + \frac{a^2-b^2}{2} \ge 0 $$

$$ 2 - 2a + a^2 - b^2 \ge 0 $$

$$ b^2 - (a-1)^2 \le 1 $$

以上 (i), (ii), (iii) より、求める $(a, b)$ の条件は以下の連立不等式で表される。

$$ \begin{cases} b^2 \ge \frac{1}{2}a^2 \\ b^2 - (a+1)^2 \le 1 \\ b^2 - (a-1)^2 \le 1 \\ -2 \le a \le 2 \end{cases} $$

領域を図示するために、境界線について調べる。 原点を通る直線 $b = \pm \frac{1}{\sqrt{2}}a$ と、双曲線 $b^2 - (a-1)^2 = 1$ を連立させると、

$$ \frac{1}{2}a^2 - (a^2 - 2a + 1) = 1 $$

$$ -\frac{1}{2}a^2 + 2a - 2 = 0 $$

$$ (a-2)^2 = 0 $$

となり、$a=2$ で重解をもつ。したがって、直線 $b = \pm \frac{1}{\sqrt{2}}a$ は双曲線 $b^2 - (a-1)^2 = 1$ と点 $(2, \pm \sqrt{2})$ で接する。 同様に、直線 $b = \pm \frac{1}{\sqrt{2}}a$ は双曲線 $b^2 - (a+1)^2 = 1$ と点 $(-2, \pm \sqrt{2})$ で接することが分かる。

また、2つの双曲線 $b^2 - (a-1)^2 = 1$ と $b^2 - (a+1)^2 = 1$ の交点は、

$$ (a-1)^2 = (a+1)^2 $$

より $a=0$ であり、このとき $b = \pm \sqrt{2}$ となるため、交点は $(0, \pm \sqrt{2})$ である。

条件式において、 $a \ge 0$ の範囲では $(a+1)^2 \ge (a-1)^2$ となるため、$b^2 \le (a-1)^2 + 1$ がより厳しい条件となる。 $a < 0$ の範囲では $(a-1)^2 > (a+1)^2$ となるため、$b^2 \le (a+1)^2 + 1$ がより厳しい条件となる。

解説

対称式から基本対称式を求め、$x,\ y$ を解にもつ2次方程式を作ると整理しやすい。 本問では実数解をもつだけでなく、$-1 \leqq x,\ y \leqq 1$ を満たす必要があるので、判別式・軸・端点を用いて解の配置を調べる。 図示するときは、直線と双曲線の接点・交点を押さえると領域が見えやすい。

答え

$(a, b)$ を座標とする点が動く範囲は、$ab$ 平面において以下の連立不等式を満たす領域である。

$$ \begin{cases} -2 \leqq a \leqq 2 \\ b^2 \ge \frac{1}{2}a^2 \\ b^2 \le (a-1)^2 + 1 \\ b^2 \le (a+1)^2 + 1 \end{cases} $$

これを図示すると、以下の4つの境界線に囲まれた領域となる(境界線をすべて含む)。

この領域は $a$ 軸および $b$ 軸について対称な形状をしており、外周は点 $(2, \pm \sqrt{2})$ および $(-2, \pm \sqrt{2})$ にて双曲線と直線が滑らかに接し、点 $(0, \pm \sqrt{2})$ にて2つの双曲線が交わる形となる。また、原点 $(0, 0)$ を含み、直線 $b = \pm \frac{1}{\sqrt{2}}a$ が領域の上下の頂点をなすくさび形を形成する。

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