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京都大学 1969年 理系 第6問 解説

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京都大学 1969年 理系 第6問 解説

方針・初手

与えられた条件は $x \geqq 0, y \geqq 0, x+y \geqq 1$ であり、目的関数は $f(x, y) = \sqrt{x} + a\sqrt{y}$ ($a > 0$) である。

この問題は、領域 $D: x \geqq 0, y \geqq 0, x+y \geqq 1$ における $f(x, y)$ の最小値を求める問題である。

まずは $x+y=k$ ($k \geqq 1$) と固定して考え、その中で最小となるのは $k=1$ のときであることを示し、次に $x+y=1$ の条件下で 1 変数関数の最小値問題に帰着させる。

解法1

まず、任意の $(x, y) \in D$ に対して $x+y = k$ とおくと、$k \geqq 1$ である。 このとき、$f(x, y) = \sqrt{x} + a\sqrt{y}$ について考える。

$x \geqq 0, y \geqq 0$ より、$(\sqrt{x})^2 + (\sqrt{y})^2 = k$ である。 ここで、$\sqrt{x} = u, \sqrt{y} = v$ とおくと、$u^2 + v^2 = k$ ($u, v \geqq 0$) のもとで $g(u, v) = u + av$ の最小値を求めることになる。

$k$ を固定したとき、$u + av$ が最小となるのは、$u, v$ がなるべく小さいときである。 $u^2 + v^2 = k$ は半径 $\sqrt{k}$ の円の第 1 象限の部分を表す。 $k$ が大きくなればなるほど、この曲線は原点から遠ざかる。 したがって、任意の $x, y$ に対して $f(x, y)$ が最小値をとり得るのは $x+y=1$ のときに限られる。

よって、$x+y=1$ ($0 \leqq x \leqq 1$) の条件下で $f = \sqrt{x} + a\sqrt{1-x}$ の最小値を求める。 $x = \cos^2 \theta, 1-x = \sin^2 \theta$ ($0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$) と置換すると

$$ f = \cos \theta + a \sin \theta $$

合成公式を用いると

$$ f = \sqrt{1+a^2} \sin(\theta + \alpha) $$

ただし、$\cos \alpha = \frac{a}{\sqrt{1+a^2}}, \sin \alpha = \frac{1}{\sqrt{1+a^2}}$ ($0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$) である。

$0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ より $\alpha \leqq \theta + \alpha \leqq \frac{\pi}{2} + \alpha$ である。 この範囲において、$\sin(\theta + \alpha)$ が最小となるのは、単位円上の $y$ 座標が最も小さくなるとき、すなわち端点のいずれかである。

(i) $\sin \alpha \leqq \sin(\frac{\pi}{2} + \alpha)$ のとき すなわち $\frac{1}{\sqrt{1+a^2}} \leqq \cos \alpha = \frac{a}{\sqrt{1+a^2}}$ より、$a \geqq 1$ のとき。 最小値は $\theta = 0$ ($x=1, y=0$) のときで、値は $f(1, 0) = 1$。

(ii) $\sin \alpha > \sin(\frac{\pi}{2} + \alpha)$ のとき すなわち $\frac{1}{\sqrt{1+a^2}} > \frac{a}{\sqrt{1+a^2}}$ より、$0 < a < 1$ のとき。 最小値は $\theta = \frac{\pi}{2}$ ($x=0, y=1$) のときで、値は $f(0, 1) = a$。

解法2

$x+y=k$ ($k \geqq 1$) 上の点において、$\sqrt{x} + a\sqrt{y}$ が最小になる候補を考える。 $y = k-x$ ($0 \leqq x \leqq k$) を代入し、$h(x) = \sqrt{x} + a\sqrt{k-x}$ とすると

$$ h'(x) = \frac{1}{2\sqrt{x}} - \frac{a}{2\sqrt{k-x}} = \frac{\sqrt{k-x} - a\sqrt{x}}{2\sqrt{x}\sqrt{k-x}} $$

$h'(x) = 0$ となるのは $\sqrt{k-x} = a\sqrt{x}$、すなわち $k-x = a^2 x$ より $x = \frac{k}{1+a^2}$ のときである。 このとき $h(x)$ は極大となるため、最小値は区間の端点 $x=0$ または $x=k$ のいずれかである。

したがって、$x+y=k$ における最小値は $\min(1, a)\sqrt{k}$ となる。 $k \geqq 1$ かつ $\min(1, a) > 0$ であるから、これが全体で最小になるのは $k=1$ のときである。

(i) $a \geqq 1$ のとき $\min(1, a) = 1$ なので、最小値は $1 \cdot \sqrt{1} = 1$。

(ii) $0 < a < 1$ のとき $\min(1, a) = a$ なので、最小値は $a \cdot \sqrt{1} = a$。

解説

固定した $x+y=k$ のもとで 1 変数に落とし、端点と内部の挙動を比べると整理しやすい。

領域 $x+y \geqq 1$ では、まず境界 $x+y=1$ に着目できる。その上で端点 $(1,0)$, $(0,1)$ と内部の停留点を比較すると、最小値は $a$ と $1$ の大小で決まる。

結果として、$a$ の値が 1 を境にして、最小値を与える点が $(1, 0)$ か $(0, 1)$ かに入れ替わる。これは関数の対称性と係数 $a$ の重みを考えれば直感的にも納得できる結果である。

答え

$$ \begin{cases} a \quad (0 < a < 1 \text{ のとき}) \\ 1 \quad (a \geqq 1 \text{ のとき}) \end{cases} $$

すなわち $\min(1, a)$

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