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京都大学 1975年 文系 第6問 解説

数学B/数列数学3/極限テーマ/漸化式
京都大学 1975年 文系 第6問 解説

方針・初手

与えられた数列の漸化式は $x_n = \frac{px_{n-1}+q}{rx_{n-1}+s}$ の形をした分数漸化式である。特性方程式 $x = \frac{1}{2-x}$ を解くと重解 $x=1$ をもつため、$x_n - 1$ を考え、その逆数をとることで等差数列に帰着させるのが定石である。極限の計算では、求めた一般項を代入し、式を整理したのち、分母・分子を $n$ で割って極限を求める。

解法1

(i)

漸化式 $x_n = \frac{1}{2-x_{n-1}}$ について、特性方程式 $x = \frac{1}{2-x}$ を解くと、

$$ x(2-x) = 1 $$

$$ (x-1)^2 = 0 $$

より、$x=1$(重解)となる。漸化式の両辺から $1$ を引くと、

$$ \begin{aligned} x_n - 1 &= \frac{1}{2-x_{n-1}} - 1 \\ &= \frac{1 - (2-x_{n-1})}{2-x_{n-1}} \\ &= \frac{x_{n-1}-1}{1 - (x_{n-1}-1)} \end{aligned} $$

ここで、すべての $0$ 以上の整数 $n$ について $x_n < 1$ であることを数学的帰納法で示す。 $n=0$ のときは、条件より $x_0 = a < 1$ であり成立する。 $n=k$($k \geqq 0$)のとき、$x_k < 1$ であると仮定する。このとき $2-x_k > 1$ であるから、

$$ x_{k+1} = \frac{1}{2-x_k} < 1 $$

となり、$n=k+1$ のときも成立する。 したがって、すべての $n \geqq 0$ で $x_n < 1$ であり、$x_n - 1 \neq 0$ であるから、両辺の逆数をとることができる。逆数をとると、

$$ \frac{1}{x_n-1} = \frac{1 - (x_{n-1}-1)}{x_{n-1}-1} = \frac{1}{x_{n-1}-1} - 1 $$

よって、数列 $\left\{ \frac{1}{x_n-1} \right\}$ は、初項 $\frac{1}{x_0-1} = \frac{1}{a-1}$、公差 $-1$ の等差数列である。したがって、

$$ \frac{1}{x_n-1} = \frac{1}{a-1} + n \cdot (-1) = \frac{1 - n(a-1)}{a-1} $$

再び逆数をとって整理すると、

$$ x_n - 1 = \frac{a-1}{1 - n(a-1)} $$

$$ x_n = 1 + \frac{a-1}{1 - n(a-1)} = \frac{1 - n(a-1) + a - 1}{1 - n(a-1)} = \frac{a - n(a-1)}{1 - n(a-1)} $$

(ii)

(i) の結果より、

$$ x_n - 1 + \frac{1}{n} = \frac{a-1}{1 - n(a-1)} + \frac{1}{n} $$

通分して計算すると、

$$ \begin{aligned} x_n - 1 + \frac{1}{n} &= \frac{n(a-1) + 1 - n(a-1)}{n \{ 1 - n(a-1) \}} \\ &= \frac{1}{n \{ 1 - n(a-1) \}} \end{aligned} $$

したがって、求める極限は、

$$ \begin{aligned} \lim_{n \to \infty} n^2 \left( x_n - 1 + \frac{1}{n} \right) &= \lim_{n \to \infty} n^2 \cdot \frac{1}{n \{ 1 - n(a-1) \}} \\ &= \lim_{n \to \infty} \frac{n}{1 - n(a-1)} \\ &= \lim_{n \to \infty} \frac{1}{\frac{1}{n} - (a-1)} \end{aligned} $$

$n \to \infty$ のとき $\frac{1}{n} \to 0$ であるから、

$$ \lim_{n \to \infty} n^2 \left( x_n - 1 + \frac{1}{n} \right) = \frac{1}{0 - (a-1)} = \frac{1}{1-a} $$

解説

分数漸化式 $x_{n+1} = \frac{px_n+q}{rx_n+s}$ の解法として、特性方程式の解を利用する手法は頻出である。本問のように特性方程式が重解 $\alpha$ をもつ場合は、$x_n - \alpha$ を作り、その逆数をとることで公差が定数の等差数列に帰着できる。 また、式変形の途中で逆数をとる操作が現れるため、分母が $0$ にならないこと(本問では $x_n \neq 1$)を数学的帰納法などでしっかりと言及することが、記述答案において論理の飛躍を防ぐ重要なポイントとなる。極限の計算においては、不定形を解消するために分母・分子を最高次数の $n$ で割るという基本操作を行えばよい。

答え

(i)

$$ x_n = \frac{a - n(a-1)}{1 - n(a-1)} $$

(ii)

$$ \frac{1}{1-a} $$

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