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京都大学 2003年 文系 第5問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
京都大学 2003年 文系 第5問 解説

方針・初手

リーグ戦の総試合数は $\dbinom{4}{2} = 6$ 試合であり、勝敗の組み合わせは全部で $2^6 = 64$ 通りしかありません。これらはすべて等確率で起こるため、各チームの勝ち数のパターンに分類して数え上げ、それぞれの場合における「1位のチーム数」を調べて期待値を求めるのが確実な方針です。また、期待値の線形性を利用して「特定の1チームが1位になる確率」を $4$ 倍する方法も有効です。

解法1

4チームを A, B, C, D とする。全体で $2^6 = 64$ 通りの勝敗があり、すべて等確率で起こる。全チームの勝ち数の合計は $6$ であるから、勝ち数の組合せは次のいずれかのパターンになる。

(ア) (3, 3, 0, 0) のパターン

3勝が2チームあることは、その2チーム間の直接対決と矛盾する。このパターンは起こり得ない(0通り)。

(イ) (3, 2, 1, 0) のパターン

4チームへの勝ち数の割り当て方は $4! = 24$ 通り。このとき1位は3勝の1チームのみ。

(ウ) (3, 1, 1, 1) のパターン

3勝チームの選び方が $4$ 通り、残る3チームの三つ巴が $2$ 通りで $4 \times 2 = 8$ 通り。1位は3勝の1チームのみ。

(エ) (2, 2, 2, 0) のパターン

0勝チームの選び方が $4$ 通り、残る3チームの三つ巴が $2$ 通りで $4 \times 2 = 8$ 通り。1位は2勝の3チーム。

(オ) (2, 2, 1, 1) のパターン

$64 - (0 + 24 + 8 + 8) = 24$ 通り。1位は2勝の2チーム。

以上より、1位のチーム数がとる値とその確率:

求める期待値 $E$ は

$$ E = 1 \times \frac{1}{2} + 2 \times \frac{3}{8} + 3 \times \frac{1}{8} = \frac{4+6+3}{8} = \frac{13}{8} $$

解法2

期待値の線形性を用いる。各チームが1位のとき $1$、そうでないとき $0$ をとる確率変数を $X_i$ と定めると

$$ E = 4 \cdot P(\text{Aが1位}) $$

Aの勝ち数で場合分けする。

(i) Aが3勝して1位になる確率:$\left(\dfrac{1}{2}\right)^3 = \dfrac{1}{8}$

(ii) Aが2勝して1位になる確率

Aが2勝する確率は $\dbinom{3}{2}\left(\dfrac{1}{2}\right)^3 = \dfrac{3}{8}$。Aが負けた相手Bが残りの2チームに全勝するとAを上回るため、Bが少なくとも1敗する確率 $\dfrac{3}{4}$ が必要。

$$ P(\text{Aが2勝かつ1位}) = \frac{3}{8} \times \frac{3}{4} = \frac{9}{32} $$

以上より

$$ P(\text{Aが1位}) = \frac{1}{8} + \frac{9}{32} = \frac{13}{32} $$

$$ E = 4 \times \frac{13}{32} = \frac{13}{8} $$

解説

起こりうる全事象が少ない場合は、パターンの全列挙が最も確実なアプローチです。合計勝ち数が決まっていることを利用して勝ち数の組み合わせから絞り込むテクニックは頻出です。また、「特定の条件を満たす人・モノの数」の期待値を求める問題では、インジケーター変数と期待値の線形性を利用する解法2が非常に強力です。

答え

$$ \frac{13}{8} $$

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