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京都大学 2010年 文系 第1問(甲) 解説

数学2/積分法数学2/三角関数数学1/図形計量テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
京都大学 2010年 文系 第1問(甲) 解説

方針・初手

(1) 与えられた点を通る直線の方程式を立て、放物線との交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ とおきます。定積分を用いて面積 $S(a)$ を計算する際、いわゆる「$\dfrac{1}{6}$ 公式」を利用して $S(a)$ を $a$ の式で表し、その最小値を考えます。

(2) 角の二等分線の性質から辺の比を求めます。さらに、与えられた二等辺三角形の条件から角の等しさに着目して相似な三角形を見つけるか、辺の長さを文字で置いて余弦定理を利用することで、すべての辺の長さを決定します。

解法1

(1)

点 $(1, 2)$ を通り傾き $a$ の直線の方程式は、

$$ y - 2 = a(x - 1) \iff y = ax - a + 2 $$

この直線と放物線 $y = x^2$ の交点の $x$ 座標は、方程式

$$ x^2 = ax - a + 2 \iff x^2 - ax + a - 2 = 0 $$

の解である。この2次方程式の判別式を $D$ とすると、

$$ D = (-a)^2 - 4(a - 2) = a^2 - 4a + 8 = (a - 2)^2 + 4 > 0 $$

となり、すべての実数 $a$ に対して異なる2つの実数解をもつ。 それらを $\alpha, \beta\ (\alpha < \beta)$ とおくと、解と係数の関係から、

$$ \beta - \alpha = \sqrt{D} = \sqrt{a^2 - 4a + 8} $$

直線と放物線で囲まれる部分の面積 $S(a)$ は、

$$ S(a) = \int_{\alpha}^{\beta} \{ (ax - a + 2) - x^2 \}\, dx = -\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta)\, dx $$

$$ S(a) = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3 = \frac{1}{6}(a^2 - 4a + 8)^{\frac{3}{2}} $$

$a$ が $0 \leqq a \leqq 6$ の範囲を動くとき、根号の中の二次関数 $f(a) = (a - 2)^2 + 4$ は、$a = 2$ のとき最小値 $4$ をとる。

関数 $y = \dfrac{1}{6} x^{\frac{3}{2}}$ は $x > 0$ において単調増加であるから、$S(a)$ は $f(a)$ が最小となるときに最小となる。

よって、$S(a)$ を最小にする $a$ の値は $a = 2$ である。

(2)

直線 $AD$ は $\angle BAC$ の二等分線であるから、

$$ BD : DC = AB : AC = 2 : 1 $$

したがって、$BD = 2x,\ DC = x\ (x > 0)$ とおくことができる。 条件より $AD = BD$ であるから、$AD = 2x$ である。

$\triangle ABD$ は $AD = BD$ の二等辺三角形であるから底角は等しく、

$$ \angle ABD = \angle BAD $$

また、$AD$ は $\angle BAC$ の二等分線であるから、

$$ \angle BAD = \angle CAD $$

よって、$\angle ABD = \angle CAD$ である。

ここで、$\triangle ABC$ と $\triangle DAC$ において、

2組の角がそれぞれ等しいから、$\triangle ABC \sim \triangle DAC$ である。

対応する辺の比より、

$$ BC : AC = AC : DC $$

$BC = 3x,\ AC = 1,\ DC = x$ であるから、

$$ 3x : 1 = 1 : x \implies 3x^2 = 1 $$

$x > 0$ より $x = \dfrac{1}{\sqrt{3}}$ となる。

$\triangle ABC$ の3辺の長さは $AB = 2,\ AC = 1,\ BC = 3x = \sqrt{3}$ であり、

$$ AB^2 = 4 = 1 + 3 = AC^2 + BC^2 $$

より $\angle C = 90^\circ$ の直角三角形である。よって求める面積は、

$$ \frac{1}{2} \cdot AC \cdot BC = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot \sqrt{3} = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

解法2

(2)の別解

$BD : DC = 2 : 1$ より $BD = 2x,\ DC = x,\ AD = 2x\ (x > 0)$ とおく。

$\triangle ABD$ において余弦定理より、

$$ \cos B = \frac{AB^2 + BD^2 - AD^2}{2 \cdot AB \cdot BD} = \frac{4 + 4x^2 - 4x^2}{2 \cdot 2 \cdot 2x} = \frac{1}{2x} $$

$\triangle ABC$ において余弦定理より、

$$ \cos B = \frac{AB^2 + BC^2 - AC^2}{2 \cdot AB \cdot BC} = \frac{4 + 9x^2 - 1}{2 \cdot 2 \cdot 3x} = \frac{1 + 3x^2}{4x} $$

これらが等しいので、

$$ \frac{1}{2x} = \frac{1 + 3x^2}{4x} \implies 2 = 1 + 3x^2 \implies x = \frac{1}{\sqrt{3}} $$

よって $\cos B = \dfrac{\sqrt{3}}{2}$、$0^\circ < B < 180^\circ$ より $B = 30^\circ$。

$$ S = \frac{1}{2} \cdot AB \cdot BC \cdot \sin B = \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot \sqrt{3} \cdot \frac{1}{2} = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

解説

(1) は「放物線と直線で囲まれた面積」の定型問題です。交点の $x$ 座標を具体的に求めずとも、解と係数の関係と $\dfrac{1}{6}$ 公式を用いることで、面積を $a$ の式で素早く表すことができます。

(2) は角の二等分線の定理で辺の比を設定したのち、「角が等しい」という条件から相似を見抜く(解法1)か、2つの三角形で余弦定理を適用して方程式を作る(解法2)ことで辺の長さを決定できます。

答え

(1)

$a = 2$

(2)

$\dfrac{\sqrt{3}}{2}$

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