京都大学 2021年 文系 第5問 解説

方針・初手
素数 $p$ に関する式の値が素数にならない(合成数になる)ことを示す問題です。
このような問題では、具体的な小さな素数($p = 2, 3, 5, \dots$)を代入して実験し、規則性を見つけるのが鉄則です。計算してみると、ある特定の数で割り切れる(倍数になる)ことが予想できるため、合同式を用いてその数の剰余で場合分けを行います。
解法1
$p$ が素数のとき、$p=3$ の場合と $p \neq 3$ の場合に分けて考える。
(i) $p = 3$ のとき
$$ p^4 + 14 = 81 + 14 = 95 $$
$95 = 5 \times 19$ より、1と自分自身以外の約数をもつため、素数ではない。
(ii) $p \neq 3$ のとき
$p$ は 3 で割り切れない素数(すなわち $p=2$ または $p \geqq 5$ の素数)であるから、整数 $k$ を用いて $p = 3k \pm 1$ と表すことができる。
これを $p^4 + 14$ に代入すると、
$$ p^4 + 14 = (3k \pm 1)^4 + 14 $$
二項定理を用いて展開し、3 の倍数となる項をまとめると、
$$\begin{aligned} (3k \pm 1)^4 + 14 &= 81k^4 \pm 108k^3 + 54k^2 \pm 12k + 1 + 14 \\ &= 81k^4 \pm 108k^3 + 54k^2 \pm 12k + 15 \\ &= 3(27k^4 \pm 36k^3 + 18k^2 \pm 4k + 5) \end{aligned}$$
ここで、$27k^4 \pm 36k^3 + 18k^2 \pm 4k + 5$ は整数であるから、$p^4 + 14$ は 3 の倍数である。
また、$p \neq 3$ の素数のとき $p \geqq 2$ であるから、
$$ p^4 + 14 \geqq 2^4 + 14 = 30 > 3 $$
となる。
したがって、$p^4 + 14$ は 3 より大きい 3 の倍数となるため、素数ではない。
(i), (ii) より、すべての素数 $p$ において $p^4 + 14$ は素数ではないことが示された。$\square$
解法2
合同式を用いて解答を記述することもできる。法を 3 とする。
(i) $p = 3$ のとき
解法1と同様に $p^4 + 14 = 95 = 5 \times 19$ であり、素数ではない。
(ii) $p \neq 3$ のとき
$p$ は 3 の倍数ではないので、$p \equiv 1$ または $p \equiv 2 \pmod{3}$ である。
いずれの場合でも平方すると
$$ p^2 \equiv 1 \pmod{3} $$
となる。さらに両辺を平方すると
$$ p^4 \equiv 1 \pmod{3} $$
が成り立つ。
したがって、
$$ p^4 + 14 \equiv 1 + 14 = 15 \equiv 0 \pmod{3} $$
となり、$p^4 + 14$ は 3 の倍数であることがわかる。
$p \geqq 2$ より $p^4 + 14 \geqq 30 > 3$ であるから、$p^4 + 14$ は 3 より大きい 3 の倍数であり、素数ではない。
(i), (ii) より、題意は示された。$\square$
解説
「素数を代入した式が素数にならないことを示せ」というタイプの整数問題の典型です。
実験として $p=2, 3, 5$ を代入すると、それぞれ $30, 95, 639$ となり、いずれも 3 の倍数になっています。特に $p=2$ で $30$、$p=5$ で $639$ と 3 の倍数が頻出することから、「3 で割った余りに着目する(法を 3 にする)」という方針が立ちます。
解法2のように合同式を使うと記述が非常にスッキリまとまります。また、倍数であることを示した後は、「その数自身(この場合は 3)になってしまうと素数である可能性があるため、3 より大きいことを必ず明記する」という論証のステップを忘れないようにしましょう。
答え
略(解法1の証明を参照)
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