京都大学 2021年 文系 第4問 解説

方針・初手
空間内の4点 $\text{O}, \text{P}, \text{F}, \text{Q}$ が同一平面上にあるという条件をベクトルを用いて立式します。点 $\text{P}, \text{Q}$ はそれぞれ辺 $\text{AE}, \text{CG}$ 上にあるため、実数パラメータを用いて座標を置くことができます。 同一平面上の条件からパラメータ間の関係式を導き、四角形 $\text{OPFQ}$ がどのような図形になるかを把握したうえで、面積 $S$ をパラメータの関数として表して最小値を求めます。
解法1
直方体の頂点の座標から、点 $\text{P}$ は辺 $\text{AE}$ 上にあるため、実数 $p\ (0 \leqq p \leqq 3)$ を用いて
$$ \text{P}(1,\ 0,\ p) $$
と表せる。
同様に、点 $\text{Q}$ は辺 $\text{CG}$ 上にあるため、実数 $q\ (0 \leqq q \leqq 3)$ を用いて
$$ \text{Q}(0,\ 2,\ q) $$
と表せる。
4点 $\text{O}, \text{P}, \text{F}, \text{Q}$ は同一平面上にある。ここで $\text{P}$ と $\text{Q}$ の座標から、$\vec{OP}$ と $\vec{OQ}$ は一次独立である。
したがって、点 $\text{F}(1, 2, 3)$ が平面 $\text{OPQ}$ 上にあることから、実数 $s, t$ を用いて
$$ \vec{OF} = s\vec{OP} + t\vec{OQ} $$
と表すことができる。成分で表すと
$$ (1,\ 2,\ 3) = s(1,\ 0,\ p) + t(0,\ 2,\ q) = (s,\ 2t,\ sp + tq) $$
各成分を比較して、
$$ s = 1,\quad 2t = 2,\quad sp + tq = 3 $$
$$ \therefore\quad s = 1,\quad t = 1,\quad p + q = 3 $$
を得る。
このとき $q = 3 - p$ であり、$0 \leqq p \leqq 3$ のとき $0 \leqq 3 - p \leqq 3$ を満たすため、常に $0 \leqq q \leqq 3$ も満たされる。
また、$s = 1,\ t = 1$ であることから
$$ \vec{OF} = \vec{OP} + \vec{OQ} $$
が成り立つ。これは四角形 $\text{OPFQ}$ が平行四辺形であることを示している。
平行四辺形 $\text{OPFQ}$ の面積 $S$ は、$\triangle \text{OPQ}$ の面積の2倍であるから、
$$ S^2 = |\vec{OP}|^2|\vec{OQ}|^2 - (\vec{OP} \cdot \vec{OQ})^2 $$
となる。
ここで、$q = 3 - p$ より $\vec{OQ} = (0, 2, 3-p)$ であるから、各値を計算する。
$$ |\vec{OP}|^2 = 1 + p^2, \quad |\vec{OQ}|^2 = 4 + (3-p)^2, \quad \vec{OP} \cdot \vec{OQ} = p(3-p) $$
これらを面積の式に代入して、根号の中身を計算する。
$$\begin{aligned} S^2 &= (1 + p^2)\{4 + (3-p)^2\} - p^2(3-p)^2 \\ &= (1 + p^2)(13 - 6p + p^2) - p^2(9 - 6p + p^2) \\ &= 13 - 6p + p^2 + 13p^2 - 6p^3 + p^4 - 9p^2 + 6p^3 - p^4 \\ &= 5p^2 - 6p + 13 \end{aligned}$$
これを平方完成すると、
$$ S^2 = 5\left(p - \frac{3}{5}\right)^2 + \frac{56}{5} $$
$0 \leqq p \leqq 3$ であるから、$S^2$ は $p = \dfrac{3}{5}$ のとき最小値 $\dfrac{56}{5}$ をとる。
$S > 0$ より、$S$ が最小になるとき $S^2$ も最小になるため、面積 $S$ の最小値は
$$ S = \sqrt{\frac{56}{5}} = \frac{2\sqrt{14}}{\sqrt{5}} = \frac{2\sqrt{70}}{5} $$
である。
このとき、$q = 3 - \dfrac{3}{5} = \dfrac{12}{5}$ となる。
したがって、求める点 $\text{P}, \text{Q}$ の座標は
$$ \text{P}\!\left(1,\ 0,\ \frac{3}{5}\right), \quad \text{Q}\!\left(0,\ 2,\ \frac{12}{5}\right) $$
となる。
解説
空間ベクトルにおける同一平面上の条件と、面積の最小化を組み合わせた標準的な問題です。
「4点が同一平面上にある」という条件から $\vec{OF} = s\vec{OP} + t\vec{OQ}$ を立式することで、単にパラメータの条件式 $p + q = 3$ が得られるだけでなく、$s = 1,\ t = 1$ すなわち $\vec{OF} = \vec{OP} + \vec{OQ}$ となり、四角形が平行四辺形になることが同時に分かるのが重要なポイントです。
面積計算ではベクトルの内積を用いた公式が便利ですが、計算量が多くなるため展開ミスに注意が必要です。
答え
点 $\text{P}$ および点 $\text{Q}$ の座標: $\text{P}\!\left(1, 0, \dfrac{3}{5}\right),\ \text{Q}\!\left(0, 2, \dfrac{12}{5}\right)$
最小となる $S$ の値: $\dfrac{2\sqrt{70}}{5}$
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