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京都大学 1982年 理系 第2問 解説

数学1/二次関数数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/場合分け
京都大学 1982年 理系 第2問 解説

方針・初手

二次方程式が実数解をもつための判別式の条件をまず求める。次に、解の公式を用いて小さい方の根 $\beta$ を $a$ で表す。

3つの不等式が定める領域が三角形になるための図形的な条件(3直線が1点で交わらず、交点がすべて条件を満たす半直線上にあること、および領域が原点を含む側であること)を考え、そこから $a$ の不等式を導き出す。

解法1

二次方程式 $t^2 - 2at + 3a - 2 = 0$ が実数解をもつ条件は、判別式を $D$ とすると

$$ \frac{D}{4} = a^2 - (3a - 2) = a^2 - 3a + 2 \geqq 0 $$

$$ (a - 1)(a - 2) \geqq 0 $$

よって、$a \leqq 1$ または $a \geqq 2 \cdots$ (1)

このとき、方程式の解は $t = a \pm \sqrt{a^2 - 3a + 2}$ である。 $\alpha \geqq \beta$ より、

$$ \alpha = a + \sqrt{a^2 - 3a + 2}, \quad \beta = a - \sqrt{a^2 - 3a + 2} $$

次に、連立不等式 $y \leqq x \cdots$ (2) $y \geqq -x \cdots$ (3) $ay \geqq 3(x - \beta) \cdots$ (4) で定まる領域について考える。

不等式 (2) と (3) の表す領域は、原点 $O(0,0)$ を頂点とし、$x \geqq 0$ の範囲に右側に広がる角領域である。

この領域が (4) と合わせて三角形になるためには、直線 $ay = 3(x - \beta)$ (これを直線 $L$ とする)が、直線 $y = x$ ($x > 0$) および $y = -x$ ($x > 0$) とそれぞれ交わり、かつ原点 $O$ が不等式 (4) を満たす(すなわち原点が三角形の1頂点として含まれる)ことが必要十分である。

(i) 原点が条件を満たす条件 不等式 (4) に $(x, y) = (0, 0)$ を代入すると、

$$ 0 \geqq -3\beta \iff \beta \geqq 0 $$

もし $\beta = 0$ とすると、直線 $L$ は原点を通ることになり、3直線が1点で交わるため領域は三角形にならない。よって $\beta > 0$ が必要である。

$$ \beta = a - \sqrt{a^2 - 3a + 2} > 0 \iff a > \sqrt{a^2 - 3a + 2} $$

(1) より $\sqrt{a^2 - 3a + 2} \geqq 0$ であるから、$a > 0$ でなければならない。

このとき両辺は正であるため、2乗して

$$ a^2 > a^2 - 3a + 2 \iff 3a > 2 \iff a > \frac{2}{3} $$

$a > \frac{2}{3}$ は $a > 0$ を満たす。したがって、$\beta > 0$ となる条件は $a > \frac{2}{3} \cdots$ (5) である。

(ii) 交点が $x > 0$ に存在する条件 $a > \frac{2}{3}$ より $a \neq 0$ であるため、直線 $L$ の方程式は $y = \frac{3}{a}(x - \beta)$ と表せる。 直線 $y = x$ と $L$ の交点の $x$ 座標は、

$$ x = \frac{3}{a}(x - \beta) \iff (a - 3)x = -3\beta \iff x = \frac{3\beta}{3 - a} $$

これが $x > 0$ となるためには、$\beta > 0$ より $3 - a > 0 \iff a < 3 \cdots$ (6)

直線 $y = -x$ と $L$ の交点の $x$ 座標は、

$$ -x = \frac{3}{a}(x - \beta) \iff (a + 3)x = 3\beta \iff x = \frac{3\beta}{a + 3} $$

これが $x > 0$ となるためには、$\beta > 0$ より $a + 3 > 0 \iff a > -3 \cdots$ (7)

(5)、(6)、(7) より、連立不等式が三角形を定める条件は

$$ \frac{2}{3} < a < 3 \cdots \text{(8)} $$

である。

最後に、実数解をもつ条件 (1) と、三角形になる条件 (8) の共通範囲を求める。

$$ \left( a \leqq 1 \text{ または } a \geqq 2 \right) \text{ かつ } \frac{2}{3} < a < 3 $$

これを解いて、

$$ \frac{2}{3} < a \leqq 1, \quad 2 \leqq a < 3 $$

解説

領域が三角形になるための図形的な意味を正確に捉えられるかがポイントである。

$y \leqq x$ と $y \geqq -x$ が作る領域は、右側に開いた「V字型」の領域である。ここにもう1本の直線を追加して閉じた三角形を作るには、第3の直線がこの2本の直線と正の $x$ 座標で交わり、かつ右側から「フタ」をする役割を果たさなければならない。

この条件を「各交点の $x$ 座標が正であること」「原点が領域内に含まれる(不等式を満たす)こと」という代数的な条件に落とし込むことで、見通しよく解くことができる。

答え

$$ \frac{2}{3} < a \leqq 1, \quad 2 \leqq a < 3 $$

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