東北大学 2017年 文系 第2問 解説

方針・初手
条件「$-1\le x\le 2$ における $f(x)=x^2+px+q$ の最小値が $0$ 以上」であることは、
$$ f(x)\ge 0\qquad (-1\le x\le 2) $$
と同値である。
したがって、各 $p$ に対して区間 $[-1,2]$ における $x^2+px+q$ の最小値を調べ、$q$ が満たすべき条件を求めればよい。二次関数の軸は
$$ x=-\frac{p}{2} $$
であるから、この軸が区間 $[-1,2]$ のどこにあるかで場合分けする。
解法1
$f(x)=x^2+px+q$ は上に凸な二次関数であるから、区間 $[-1,2]$ における最小値は、軸の位置によって次のように決まる。
(i)
$-\dfrac{p}{2}<-1$、すなわち $p>2$ のとき
このとき軸は区間の左側にあるので、$[-1,2]$ では単調増加である。したがって最小値は $x=-1$ でとる。
$$ f(-1)=1-p+q $$
これが $0$ 以上であるから、
$$ 1-p+q\ge 0 $$
すなわち
$$ q\ge p-1 $$
である。
(ii)
$-1\le -\dfrac{p}{2}\le 2$、すなわち $-4\le p\le 2$ のとき
このとき軸は区間内にあるので、最小値は頂点でとる。
頂点の $x$ 座標は $x=-\dfrac{p}{2}$ であり、
$$ f\left(-\frac{p}{2}\right) =\left(-\frac{p}{2}\right)^2+p\left(-\frac{p}{2}\right)+q =q-\frac{p^2}{4} $$
これが $0$ 以上であるから、
$$ q-\frac{p^2}{4}\ge 0 $$
すなわち
$$ q\ge \frac{p^2}{4} $$
である。
(iii)
$-\dfrac{p}{2}>2$、すなわち $p<-4$ のとき
このとき軸は区間の右側にあるので、$[-1,2]$ では単調減少である。したがって最小値は $x=2$ でとる。
$$ f(2)=4+2p+q $$
これが $0$ 以上であるから、
$$ 4+2p+q\ge 0 $$
すなわち
$$ q\ge -2p-4 $$
である。
以上より、領域 $D$ は
$$ D=\left\{ (p,q)\ \middle| \begin{aligned} &q\ge -2p-4 &&(p\le -4),\\ &q\ge \dfrac{p^2}{4} &&(-4\le p\le 2),\\ &q\ge p-1 &&(p\ge 2) \end{aligned} \right\} $$
である。
したがって、$pq$ 平面では、折れ線 $q=-2p-4$、放物線 $q=\dfrac{p^2}{4}$、直線 $q=p-1$ を境界とし、その上側全体が $D$ である。境界のつながる点は
$$ (-4,4),\quad (2,1) $$
である。
次に、$D$ のうち $q\le 5$ を満たす部分の面積を求める。
これは、直線 $q=5$ と境界曲線にはさまれた部分の面積である。各部分の $p$ の範囲は次のように求まる。
左の直線部分では
$$ -2p-4\le 5 $$
より
$$ p\ge -\frac{9}{2} $$
であるから、$p$ の範囲は $-\dfrac{9}{2}\le p\le -4$ である。
中央の放物線部分では
$$ \frac{p^2}{4}\le 5 $$
より $|p|\le 2\sqrt{5}$ であるが、もともと $-4\le p\le 2$ なので、この部分では全区間 $-4\le p\le 2$ が入る。
右の直線部分では
$$ p-1\le 5 $$
より $p\le 6$ であるから、$2\le p\le 6$ である。
よって面積 $S$ は
$$ S =\int_{-9/2}^{-4}{5-(-2p-4)},dp +\int_{-4}^{2}\left(5-\frac{p^2}{4}\right),dp +\int_{2}^{6}{5-(p-1)},dp $$
となる。
各積分を計算すると、
$$ \int_{-9/2}^{-4}(9+2p),dp =\left[9p+p^2\right]_{-9/2}^{-4} =\frac14 $$
$$ \int_{-4}^{2}\left(5-\frac{p^2}{4}\right),dp =\left[5p-\frac{p^3}{12}\right]_{-4}^{2} =24 $$
$$ \int_{2}^{6}(6-p),dp =\left[6p-\frac{p^2}{2}\right]_{2}^{6} =8 $$
したがって、
$$ S=\frac14+24+8=\frac{129}{4} $$
である。
解説
この問題の本質は、「区間上で二次関数が常に $0$ 以上である条件」を、軸の位置によって整理することである。
二次関数は上に凸であるから、区間上の最小値は「左端・頂点・右端」のいずれかでとる。したがって、軸 $x=-\dfrac{p}{2}$ が区間 $[-1,2]$ の左、内部、右のどこにあるかで分ければ、境界が直線、放物線、直線の3つに分かれる。
面積計算では、まず $q=5$ と境界の交わる $p$ の範囲を正確に出すことが重要である。図形を見た印象で処理すると、左側の小さい三角形部分を落としやすいので注意が必要である。
答え
領域 $D$ は
$$ D=\left\{ (p,q)\ \middle| \begin{aligned} &q\ge -2p-4 &&(p\le -4),\\ &q\ge \dfrac{p^2}{4} &&(-4\le p\le 2),\\ &q\ge p-1 &&(p\ge 2) \end{aligned} \right\} $$
であり、境界は $(-4,4)$ と $(2,1)$ を通る。
また、$D$ のうち $q\le 5$ を満たす部分の面積は
$$ \frac{129}{4} $$
である。
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