京都大学 2008年 理系 第4問(甲) 解説

方針・初手
与えられた方程式は $(x^2 + ax + 1)(3x^2 + ax - 3) = 0$ であるため、
$$ x^2 + ax + 1 = 0 \quad \text{または} \quad 3x^2 + ax - 3 = 0 $$
を満たす実数 $x$ の個数を求めればよいことになります。
それぞれの方程式の実数解の個数を判別式で調べ、さらに「2つの方程式が共通解をもつ場合」に注意して、重複して数えないように全体の解の個数を分類します。
解法1
与えられた方程式の実数解は、次の2つの2次方程式の実数解を合わせたものである。
$$ x^2 + ax + 1 = 0 \quad \cdots (1) $$
$$ 3x^2 + ax - 3 = 0 \quad \cdots (2) $$
方程式(1), (2)の判別式をそれぞれ $D_1, D_2$ とすると、
$$ D_1 = a^2 - 4 = (a+2)(a-2) $$
$$ D_2 = a^2 - 4 \cdot 3 \cdot (-3) = a^2 + 36 $$
$a$ は実数であるから $a^2 \geq 0$ であり、$D_2 > 0$ は常に成り立つ。したがって、方程式(2)は $a$ の値によらず常に異なる2つの実数解をもつ。
一方、方程式(1)の実数解の個数は $D_1$ の符号により以下のように分類される。
- $D_1 > 0$ すなわち $a < -2, 2 < a$ のとき、異なる2つの実数解をもつ。
- $D_1 = 0$ すなわち $a = \pm 2$ のとき、1つの実数解(重解)をもつ。
- $D_1 < 0$ すなわち $-2 < a < 2$ のとき、実数解をもたない。
次に、方程式(1)と(2)が共通の実数解をもつ条件を調べる。
共通解を $\alpha$ とおくと、
$$ \alpha^2 + a\alpha + 1 = 0 \quad \cdots (3) $$
$$ 3\alpha^2 + a\alpha - 3 = 0 \quad \cdots (4) $$
(4)
$-$ (3) より、
$$ 2\alpha^2 - 4 = 0 $$
$$ \alpha^2 = 2 $$
よって、共通解となり得るのは $\alpha = \pm\sqrt{2}$ のみである。
(i) $\alpha = \sqrt{2}$ が共通解のとき
(3)に代入して、$2 + \sqrt{2}a + 1 = 0$
$$ \sqrt{2}a = -3 \iff a = -\frac{3\sqrt{2}}{2} $$
このとき、共通解は $\sqrt{2}$ の1つである。
(ii) $\alpha = -\sqrt{2}$ が共通解のとき
(3)に代入して、$2 - \sqrt{2}a + 1 = 0$
$$ \sqrt{2}a = 3 \iff a = \frac{3\sqrt{2}}{2} $$
このとき、共通解は $-\sqrt{2}$ の1つである。
ここで、$a = \pm\dfrac{3\sqrt{2}}{2}$ は $a^2 = \dfrac{9}{2} = 4.5 > 4$ より $a < -2, 2 < a$ の範囲に含まれることに注意する。
以上を踏まえ、全体の実数解の個数 $N$ を $a$ の値によって分類する。
$N$ は、((1)の解の個数)+((2)の解の個数)-(共通解の個数)で求められる。
(ア) $-2 < a < 2$ のとき
(1)の解は0個、(2)の解は2個。共通解はなし。$N = 0 + 2 - 0 = 2$
(イ) $a = \pm 2$ のとき
(1)の解は1個、(2)の解は2個。共通解はなし。$N = 1 + 2 - 0 = 3$
(ウ) $a = \pm\dfrac{3\sqrt{2}}{2}$ のとき
(1)の解は2個、(2)の解は2個。共通解は1個。$N = 2 + 2 - 1 = 3$
(エ) $a < -2, 2 < a$ かつ $a \neq \pm\dfrac{3\sqrt{2}}{2}$ のとき
(1)の解は2個、(2)の解は2個。共通解はなし。$N = 2 + 2 - 0 = 4$
解説
2つの方程式の積の形で表された方程式の解の個数を求める問題です。
基本的にはそれぞれの方程式の判別式を調べて解の個数を足し合わせますが、「2つの方程式が同じ解(共通解)をもつ場合、解の個数を重複して数えてしまう」という点に気づけるかが最大の鍵となります。
共通解の求め方は、連立方程式として扱い、$x^2$ と $ax$ の項を同時に消去するように引き算を行い、共通解の候補を絞り込むのが定石の処理です。
答え
- $a < -2, \ 2 < a \ \left(\text{ただし} \ a \neq \pm\dfrac{3\sqrt{2}}{2}\right)$ のとき:4個
- $a = \pm 2, \ \pm\dfrac{3\sqrt{2}}{2}$ のとき:3個
- $-2 < a < 2$ のとき:2個
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











