京都大学 2014年 理系 第5問 解説

方針・初手
- $a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2)$ の因数分解を利用して、各因数が素因数 $3$ をいくつ持つかを調べる。
- $a+b=3k$ とおいて展開することで、$a^2-ab+b^2$ が $3$ でちょうど 1 回しか割り切れないことを示す。
- そこから $a+b$ が $27$ の倍数であることを導き、$a^2+b^2$ が最小となる $(a, b)$ の組を決定する。
解法1
$a,\, b$ は $3$ で割り切れない自然数であるから、$a \equiv 1,\, 2 \pmod{3}$ かつ $b \equiv 1,\, 2 \pmod{3}$。
$a^3+b^3 \equiv 0 \pmod{3}$ が成り立つためには、
- $a \equiv b \equiv 1 \pmod{3}$ のとき:$a^3+b^3 \equiv 1+1 = 2 \not\equiv 0$
- $a \equiv b \equiv 2 \pmod{3}$ のとき:$a^3+b^3 \equiv 8+8 = 16 \equiv 1 \not\equiv 0$
となり、いずれも不適。よって $a \not\equiv b \pmod{3}$、すなわち一方が $1$ 余り他方が $2$ 余るから、
$$ a + b \equiv 1 + 2 = 3 \equiv 0 \pmod{3} $$
自然数 $k$ を用いて $a+b = 3k$ とおき、$b = 3k-a$ を $a^2-ab+b^2$ に代入すると、
$$ a^2 - ab + b^2 = a^2 - a(3k-a) + (3k-a)^2 = 3a^2 - 9ak + 9k^2 = 3(a^2 - 3ak + 3k^2) $$
$a$ は $3$ で割り切れないから $a^2 \equiv 1 \pmod{3}$ であり、
$$ a^2 - 3ak + 3k^2 \equiv a^2 \equiv 1 \pmod{3} $$
したがって、$a^2-ab+b^2$ は $3$ で割り切れるが $9$ では割り切れない。
条件より $a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)$ は $81 = 3^4$ で割り切れる。$a^2-ab+b^2$ は $3$ の因数をちょうど 1 つ持つため、$a+b$ は $3^3 = 27$ の倍数でなければならない。
次に $a^2+b^2$ の最小値を求める。
$$ a^2 + b^2 = \frac{1}{2}\{(a+b)^2 + (a-b)^2\} $$
$a+b$ は $27$ の正の倍数であるから最小は $a+b = 27$。このとき、
$$ a^2 + b^2 = \frac{1}{2}(729 + (a-b)^2) $$
は $|a-b|$ が最小のとき最小となる。$a+b=27$ のもとで $|a-b|$ を最小にする整数の組は $(a,b) = (13, 14)$ または $(14, 13)$。
- $13 \equiv 1 \pmod{3}$、$14 \equiv 2 \pmod{3}$ であり、いずれも $3$ で割り切れない。✓
$a+b \geq 54$(すなわち $a+b=27m$, $m \geq 2$)のとき、$a^2+b^2 \geq \dfrac{1}{2} \cdot 54^2 = 1458 > 365$ となり、$a+b=27$ の場合より大きい。
したがって最小値は、
$$ 13^2 + 14^2 = 169 + 196 = \mathbf{365} $$
解説
整数問題における「素因数の個数($p$ 進付値)」に着目する解法である。$a^n+b^n$ が特定の素数で何回割れるかという議論(LTE補題の背景にある考え方)は難関大の整数問題で頻出する。
本問では $a+b=3k$ と置いて展開するだけで $a^2-ab+b^2$ が $3$ をちょうど 1 つ持つことを証明できる。
$a^2+b^2$ を最小化するステップでは、「和 $a+b$ が一定のとき、差 $|a-b|$ が小さいほど 2 乗の和が小さくなる」という性質を用いると素早く処理できる。
答え
$(a, b) = (13, 14)$ または $(14, 13)$ のとき、最小値 $\mathbf{365}$
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