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名古屋大学 2010年 理系 第4問 解説

数学A/整数問題数学1/二次関数テーマ/最大・最小テーマ/整数の証明
名古屋大学 2010年 理系 第4問 解説

方針・初手

(1) 方程式の係数が分数であるため、$x$ に適当な整数を代入しても $y$ が整数になるとは限らない。しかし、$x^2$ と $x$ の係数の分母の公倍数となるような整数を $x$ に代入すれば、分母が払われて $y$ が整数になることを利用する。

(2) (1) の結果から、「係数 $a, b$ がともに有理数であれば、グラフ上には無限個の格子点が存在する」と推測できる。与えられた $(0, 0)$ 以外の2つの格子点の座標を文字でおき、それを $y = ax^2 + bx$ に代入して $a, b$ についての連立方程式を解くことで、$a, b$ が有理数になることを示す。

解法1

(1) $y = \frac{1}{3}x^2 + \frac{1}{2}x$ について、$x = 6k$ ($k$ は整数)とする。

これを代入すると、

$$ y = \frac{1}{3}(6k)^2 + \frac{1}{2}(6k) = \frac{1}{3}(36k^2) + 3k = 12k^2 + 3k $$

となる。

$k$ は整数であるから、$12k^2 + 3k$ も整数となり、$y$ は整数である。

したがって、任意の整数 $k$ に対して、点 $(6k, 12k^2 + 3k)$ はグラフ上の格子点となる。

$k$ は無数に存在するため、$y = \frac{1}{3}x^2 + \frac{1}{2}x$ のグラフ上には無限個の格子点が存在する。

(2) $y = ax^2 + bx$ のグラフ上の点 $(0,0)$ 以外の2つの格子点を $(p, P), (q, Q)$ とおく。

ここで、$p, q, P, Q$ は整数であり、これらは $(0,0)$ 以外の異なる2点であるから、$p \neq 0, q \neq 0, p \neq q$ である。

これらがグラフ上の点であるから、以下の連立方程式が成り立つ。

$$ \begin{cases} ap^2 + bp = P & \cdots \text{①} \\ aq^2 + bq = Q & \cdots \text{②} \end{cases} $$

① $\times q$ - ② $\times p$ より、

$$ ap^2 q + bpq - (aq^2 p + bpq) = Pq - Qp $$

$$ apq(p - q) = Pq - Qp $$

$p \neq 0, q \neq 0, p \neq q$ より $pq(p - q) \neq 0$ であるから、両辺を $pq(p - q)$ で割ると、

$$ a = \frac{Pq - Qp}{pq(p - q)} $$

$p, q, P, Q$ はすべて整数であるから、この右辺は有理数である。したがって、$a$ は有理数である。

同様に、① $\times q^2$ - ② $\times p^2$ より、

$$ ap^2 q^2 + bpq^2 - (aq^2 p^2 + bqp^2) = Pq^2 - Qp^2 $$

$$ bpq(q - p) = Pq^2 - Qp^2 $$

$$ b = \frac{Pq^2 - Qp^2}{pq(q - p)} = \frac{Qp^2 - Pq^2}{pq(p - q)} $$

となり、$b$ も有理数である。

$a, b$ は有理数であるから、共通の分母を持つ分数として、

$$ a = \frac{A}{C}, \quad b = \frac{B}{C} $$

($A, B, C$ は整数、$C \neq 0, A \neq 0$)と表すことができる。

これを与式に代入すると、

$$ y = \frac{A}{C}x^2 + \frac{B}{C}x $$

ここで、$x = Ck$ ($k$ は整数)とすると、

$$ y = \frac{A}{C}(Ck)^2 + \frac{B}{C}(Ck) = ACk^2 + Bk $$

$A, B, C, k$ はすべて整数であるから、$ACk^2 + Bk$ も整数となり、$y$ は整数となる。

よって、任意の整数 $k$ に対して、点 $(Ck, ACk^2 + Bk)$ はグラフ上の格子点となる。

$k$ は無数に存在するため、$y = ax^2 + bx$ のグラフ上には無限個の格子点が存在する。

解説

(1)(2) のための誘導となっている。係数が分数であっても、有理数であれば分母の公倍数を $x$ に代入することで $y$ を整数にできるという構造に気づくことが重要である。

(2) では、未知数 $a, b$ に対する連立方程式を解き、$a, b$ が有理数であることを示すのが最大のポイントである。放物線 $y = ax^2 + bx$ は原点を通るため、原点以外の2点が決まれば放物線がただ1つに定まる。その2点が格子点(座標が整数)であれば、そこから逆算される係数 $a, b$ は必ず有理数になる、という図形的な背景を持っている。

答え

(1) (証明終)$x=6k$($k$は整数)とおくことで $y=12k^2+3k$ となり、無限個の格子点 $(6k, 12k^2+3k)$ が存在することが示された。

(2) (証明終)2つの格子点の存在から係数 $a, b$ が有理数であることを示し、共通分母の倍数を $x$ に代入することで無限個の格子点が存在することが示された。

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