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九州大学 1977年 文系 第4問 解説

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九州大学 1977年 文系 第4問 解説

方針・初手

各項の分母が連続する整式の積になっていることに着目し、部分分数分解を用いて式を簡略化する。その後、得られた式の分母が2次関数になることを利用し、その値域を調べることで全体の式の値域を求める。その際、問題文で与えられた定義域と除外点 $x \neq 1, x \neq 2$ が値域に与える影響に注意する。

解法1

(1)

与えられた式①を $f(x)$ とおく。各項を部分分数分解すると、以下のようになる。

$$\frac{2}{x(1-x)} = \frac{2}{x} + \frac{2}{1-x} = 2 \left( \frac{1}{x} - \frac{1}{x-1} \right)$$

$$\frac{2}{(x-1)(2-x)} = 2 \left( \frac{1}{x-1} + \frac{1}{2-x} \right) = 2 \left( \frac{1}{x-1} - \frac{1}{x-2} \right)$$

$$\frac{2}{(x-2)(3-x)} = 2 \left( \frac{1}{x-2} + \frac{1}{3-x} \right) = 2 \left( \frac{1}{x-2} - \frac{1}{x-3} \right)$$

これらを足し合わせると、中間項が相殺されて以下のように簡単になる。

$$f(x) = 2 \left( \frac{1}{x} - \frac{1}{x-3} \right) = \frac{-6}{x(x-3)}$$

ここで、分母の関数を $g(x) = x(x-3)$ とおく。これを平方完成すると、

$$g(x) = \left( x - \frac{3}{2} \right)^2 - \frac{9}{4}$$

定義域は $0 < x < 3$ ($x \neq 1, 2$) である。 $0 < x < 3$ において、 $g(x)$ は $x = \frac{3}{2}$ のとき最小値 $-\frac{9}{4}$ をとる。また $x \to 0$ および $x \to 3$ のとき $g(x) \to 0$ であるため、 $g(x)$ は $-\frac{9}{4} \leqq g(x) < 0$ の値をとる。

さらに、除外点 $x = 1, 2$ における $g(x)$ の値を調べる。

$$g(1) = 1 \cdot (-2) = -2$$

$$g(2) = 2 \cdot (-1) = -2$$

したがって、$g(x)$ のとりうる値の範囲は $-\frac{9}{4} \leqq g(x) < 0$ かつ $g(x) \neq -2$ である。 式①は $f(x) = \frac{-6}{g(x)}$ と表される。$g(x) < 0$ の範囲において、 $g(x)$ が最小値をとるとき $f(x)$ も最小値をとる。 よって、$f(x)$ の最小値は $g(x) = -\frac{9}{4}$ のときであり、

$$f\left(\frac{3}{2}\right) = \frac{-6}{-\frac{9}{4}} = \frac{8}{3}$$

(2)

(1)より、$f(x)$ のとりうる値の範囲を考える。 $-\frac{9}{4} \leqq g(x) < 0$ であり、$g(x)$ が負の値をとりながら $0$ に近づくとき $f(x) \to \infty$ となる。 また、除外点 $x=1, 2$ ($g(x)=-2$) における $f(x)$ の値は、

$$f(x) \neq \frac{-6}{-2} = 3$$

ゆえに、$f(x)$ のとりうる値の範囲は $f(x) \geqq \frac{8}{3}$ かつ $f(x) \neq 3$ である。 ここで、$\frac{8}{3} = 2.66\cdots$ であるから、この範囲に含まれる整数値は $3, 4, 5, \cdots$ となる。しかし $f(x) \neq 3$ であるため、式①のとる最小の整数値は $4$ となる。 $f(x) = 4$ となる $x$ の値を求める。

$$\frac{-6}{x(x-3)} = 4$$

$$-6 = 4(x^2 - 3x)$$

$$4x^2 - 12x + 6 = 0$$

$$2x^2 - 6x + 3 = 0$$

これを解の公式で解くと、

$$x = \frac{3 \pm \sqrt{9 - 6}}{2} = \frac{3 \pm \sqrt{3}}{2}$$

ここで $1 < \sqrt{3} < 2$ より、 $\frac{3-2}{2} < \frac{3-\sqrt{3}}{2} < \frac{3-1}{2}$ すなわち $\frac{1}{2} < x < 1$ $\frac{3+1}{2} < \frac{3+\sqrt{3}}{2} < \frac{3+2}{2}$ すなわち $2 < x < \frac{5}{2}$ となり、得られた $x$ の値はいずれも $0 < x < 3$ かつ $x \neq 1, 2$ を満たす。

解説

部分分数分解を用いて中間項を相殺し、式を簡単にするのが定石である。そのまま通分して計算しようとすると分子の次数が上がり、非常に複雑になってしまう。 また、式が簡単になった後に最小値を求める際、問題文の「$x \neq 1$, $x \neq 2$」という条件が、単なる分母が $0$ になることの回避だけでなく、値域の除外点(穴)を生むことに気づけるかが (2) を正答するための重要なポイントである。この除外される値域の穴にちょうど整数「$3$」が含まれているため、これを除外して「$4$」と答える必要がある。

答え

(1) 最小値は $\frac{8}{3}$

(2) 最小の整数値は $4$ そのときの $x$ の値は $x = \frac{3 \pm \sqrt{3}}{2}$

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