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名古屋大学 1976年 理系 第5問 解説

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名古屋大学 1976年 理系 第5問 解説

方針・初手

放物線上の2点 $A, B$ の $x$ 座標をそれぞれ $a, b$ とおき、線分 $AB$ の中点の座標を $(x, y)$ とおいて、$x, y$ と $a, b$ の関係式を導きます。$A, B$ が異なる2点として存在するための条件(判別式)と、与えられた距離の条件から $x, y$ の関係式を求めて軌跡の方程式とします。その後、導出した方程式を微分して増減や漸近曲線を調べ、概形を描くための情報を整理します。

解法1

放物線 $y = x^2$ 上の異なる2点 $A, B$ の $x$ 座標をそれぞれ $a, b$ とおく。$A \neq B$ より $a \neq b$ である。 点 $A(a, a^2)$, $B(b, b^2)$ であり、線分 $AB$ の中点を $(x, y)$ とすると、以下の式が成り立つ。

$$ x = \frac{a+b}{2}, \quad y = \frac{a^2+b^2}{2} $$

これらを $a+b$, $a^2+b^2$ について解くと、

$$ \begin{aligned} a+b &= 2x \\ a^2+b^2 &= 2y \end{aligned} $$

基本対称式 $ab$ を求めるため、$(a+b)^2 = a^2 + b^2 + 2ab$ を用いる。

$$ (2x)^2 = 2y + 2ab $$

$$ 2ab = 4x^2 - 2y $$

$$ ab = 2x^2 - y $$

ここで、$a, b$ は $t$ についての二次方程式 $t^2 - (a+b)t + ab = 0$ の異なる2つの実数解であるから、二次方程式 $t^2 - 2xt + (2x^2 - y) = 0$ の判別式を $D$ とすると、$D > 0$ を満たさなければならない。

$$ \frac{D}{4} = (-x)^2 - 1 \cdot (2x^2 - y) = y - x^2 > 0 $$

したがって、求める軌跡上の点は以下の条件を満たす必要がある。

$$ y > x^2 \quad \cdots \text{①} $$

次に、線分 $AB$ の距離が $5$ であるという条件を用いる。$AB^2 = 25$ より、

$$ (a-b)^2 + (a^2-b^2)^2 = 25 $$

$$ (a-b)^2 \{ 1 + (a+b)^2 \} = 25 $$

ここで、$(a-b)^2 = (a+b)^2 - 4ab$ であるから、$x, y$ を用いて表すと、

$$ (a-b)^2 = (2x)^2 - 4(2x^2 - y) = 4x^2 - 8x^2 + 4y = 4(y - x^2) $$

となる。これを代入して、

$$ 4(y - x^2) \{ 1 + (2x)^2 \} = 25 $$

$$ 4(y - x^2)(1 + 4x^2) = 25 $$

$1 + 4x^2 > 0$ であるから、両辺を割って、

$$ y - x^2 = \frac{25}{4(1+4x^2)} $$

$$ y = x^2 + \frac{25}{4(1+4x^2)} $$

このとき、$y - x^2 = \frac{25}{4(1+4x^2)} > 0$ はすべての実数 $x$ において成り立つため、条件①を満たしている。 ゆえに、軌跡の方程式は $y = x^2 + \frac{25}{4(1+4x^2)}$ となる。

続いて、この軌跡の概形を描くために増減を調べる。 $f(x) = x^2 + \frac{25}{4(1+4x^2)}$ とおく。$f(-x) = f(x)$ であるから、$y = f(x)$ のグラフは $y$ 軸に関して対称である。

関数 $f(x)$ を $x$ で微分すると、

$$ f'(x) = 2x - \frac{25}{4} \cdot \frac{8x}{(1+4x^2)^2} = 2x - \frac{50x}{(1+4x^2)^2} = 2x \left\{ 1 - \frac{25}{(1+4x^2)^2} \right\} $$

$f'(x) = 0$ となる $x$ を求める。

$$ 2x = 0 \quad \text{または} \quad 1 - \frac{25}{(1+4x^2)^2} = 0 $$

後者の式から、

$$ (1+4x^2)^2 = 25 $$

$1+4x^2 > 0$ より $1+4x^2 = 5$ となるから、

$$ 4x^2 = 4 $$

$$ x^2 = 1 $$

$$ x = \pm 1 $$

したがって、$f'(x) = 0$ となるのは $x = -1, 0, 1$ のときである。これをもとに増減表を作成する。

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$f'(x)$ $-$ $0$ $+$ $0$ $-$ $0$ $+$
$f(x)$ $\searrow$ $\frac{9}{4}$ $\nearrow$ $\frac{25}{4}$ $\searrow$ $\frac{9}{4}$ $\nearrow$

極値の計算は以下の通りである。

$$ f(0) = 0^2 + \frac{25}{4(1+0)} = \frac{25}{4} $$

$$ f(\pm 1) = (\pm 1)^2 + \frac{25}{4(1+4)} = 1 + \frac{25}{20} = 1 + \frac{5}{4} = \frac{9}{4} $$

さらに、漸近曲線について調べる。

$$ \lim_{x \to \pm\infty} \{ f(x) - x^2 \} = \lim_{x \to \pm\infty} \frac{25}{4(1+4x^2)} = 0 $$

また、すべての実数 $x$ において $f(x) > x^2$ である。 したがって、グラフは放物線 $y = x^2$ を漸近曲線にもち、常に $y = x^2$ の上側に存在する。

これらの情報(対称性、極値、漸近曲線)をもとに、滑らかな曲線を描くことで概形が得られる。

解説

軌跡を求める問題の定石に従う標準的な問題です。動点 $A, B$ の座標を文字で置き、中点の座標を対称式として表すアプローチが非常に有効です。

計算途中で現れる「異なる2点であることの条件(判別式 $D > 0$)」は、軌跡問題において値域を制限する隠れた条件になりやすいため、忘れずに確認する癖をつけましょう。本問では最終的にすべて満たされることがわかります。

また、概形を描く際に $y = x^2$ を漸近曲線として持つ点に気がつけるかどうかが、グラフの完成度を大きく左右します。$\lim_{x \to \pm\infty} (y - x^2) = 0$ となることから、両端が放物線に沿っていく様子を表現する必要があります。

答え

方程式: $y = x^2 + \frac{25}{4(1+4x^2)}$

概形の特徴:

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