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九州大学 1977年 文系 第3問 解説

数学2/図形と式数学A/図形の性質テーマ/接線・法線テーマ/最大・最小
九州大学 1977年 文系 第3問 解説

方針・初手

円外の点から引いた接線の長さを求めるために、円の中心、接点、そして円外の点からなる直角三角形に注目する。 三平方の定理を用いて接線の長さ $\overline{PQ}$ の2乗を $a, b$ の式で表し、与えられた条件 $\overline{PO} = \overline{PQ}$ に代入して関係式を導出する。 (2) では、(1) の条件のもとで $\overline{PQ}$ の最小値を考えるため、$\overline{PO}$ の最小値を考える問題に帰着させる。

解法1

(1)

与えられた円の方程式は $(x-2)^2 + (y-3)^2 = 1$ である。 この円の中心を $C(2, 3)$、半径を $r=1$ とする。

点 $P(a, b)$ から円に引いた接線の接点が $Q$ であるから、$\triangle CQP$ において $\angle CQP = 90^\circ$ である。 三平方の定理より、

$$ CQ^2 + PQ^2 = CP^2 $$

が成り立つ。$CQ = 1$、および $CP^2 = (a-2)^2 + (b-3)^2$ を代入すると、

$$ 1^2 + PQ^2 = (a-2)^2 + (b-3)^2 $$

$$ PQ^2 = (a-2)^2 + (b-3)^2 - 1 $$

条件 $\overline{PO} = \overline{PQ}$ より $PO^2 = PQ^2$ である。 原点 $O$ と点 $P(a, b)$ の距離の2乗は $PO^2 = a^2 + b^2$ であるから、

$$ a^2 + b^2 = (a-2)^2 + (b-3)^2 - 1 $$

展開して整理する。

$$ a^2 + b^2 = a^2 - 4a + 4 + b^2 - 6b + 9 - 1 $$

$$ 0 = -4a - 6b + 12 $$

$$ 2a + 3b - 6 = 0 $$

ここで、点 $P(a, b)$ が円外にあるという条件を満たすか確認する。 点 $P$ の軌跡である直線 $l: 2x + 3y - 6 = 0$ と、円の中心 $C(2, 3)$ との距離 $d$ は、

$$ d = \frac{|2 \cdot 2 + 3 \cdot 3 - 6|}{\sqrt{2^2 + 3^2}} = \frac{7}{\sqrt{13}} $$

$d^2 = \frac{49}{13} > 1 = r^2$ より $d > r$ となり、直線 $l$ は円 $C$ と共有点を持たない。 したがって、直線 $2a + 3b - 6 = 0$ 上のすべての点 $(a, b)$ は円外の点という条件を満たす。 よって、求める関係式は

$$ 2a + 3b - 6 = 0 $$

(2)

$\overline{PQ}$ が最小となるとき、条件 $\overline{PO} = \overline{PQ}$ より $\overline{PO}$ も最小となる。 これは、原点 $O$ から点 $P(a, b)$ までの距離が最小になることを意味する。 (1) より、点 $P$ は直線 $2x + 3y - 6 = 0$ 上を動くため、$PO$ が最小となるのは、原点 $O$ からこの直線に下ろした垂線の足が点 $P$ に一致するときである。

原点を通る直線 $2x + 3y - 6 = 0$ の垂線の方程式は $3x - 2y = 0$ である。 点 $P$ はこれら2直線の交点であるから、連立方程式

$$ \begin{cases} 2a + 3b = 6 \\ 3a - 2b = 0 \end{cases} $$

を解けばよい。 第2式より $b = \frac{3}{2}a$。これを第1式に代入して、

$$ 2a + 3\left(\frac{3}{2}a\right) = 6 $$

$$ \frac{13}{2}a = 6 $$

$$ a = \frac{12}{13} $$

このとき、

$$ b = \frac{3}{2} \cdot \frac{12}{13} = \frac{18}{13} $$

よって、求める点 $P$ の座標は $\left(\frac{12}{13}, \frac{18}{13}\right)$ である。

解法2

(2) の別解

原点から直線 $2x + 3y - 6 = 0$ へ下ろした垂線の足を $P(a, b)$ とする。 直線の法線ベクトルは $\vec{n} = (2, 3)$ である。 ベクトル $\vec{OP} = (a, b)$ は法線ベクトル $\vec{n}$ に平行であるから、実数 $k$ を用いて

$$ \vec{OP} = k\vec{n} = (2k, 3k) $$

と表せる。すなわち、$a = 2k, b = 3k$ である。

点 $P$ は直線 $2a + 3b - 6 = 0$ 上にあるから、代入して

$$ 2(2k) + 3(3k) - 6 = 0 $$

$$ 4k + 9k = 6 $$

$$ 13k = 6 $$

$$ k = \frac{6}{13} $$

よって、

$$ a = 2 \cdot \frac{6}{13} = \frac{12}{13} $$

$$ b = 3 \cdot \frac{6}{13} = \frac{18}{13} $$

したがって、点 $P$ の座標は $\left(\frac{12}{13}, \frac{18}{13}\right)$ である。

解説

円外の点から引いた接線の長さに関する典型問題である。 接点と円の中心を結ぶ半径が接線と直交することを利用し、直角三角形で三平方の定理を用いる(あるいは方べきの定理を利用する)ことで接線の長さを立式できる。 (1) では導出した軌跡が「円外の点」という前提条件に矛盾しないかの確認(直線と円の中心との距離が半径より大きいことの確認)を行うと、論理の飛躍がない厳密な答案となる。 (2) は $\overline{PQ}$ の最小化を、与えられた条件を用いて $\overline{PO}$ の最小化に読み替えることで、図形的に「原点から直線に下ろした垂線の足」を求める問題へと簡略化できるかがポイントである。

答え

(1) $2a + 3b - 6 = 0$

(2) $P \left( \frac{12}{13}, \frac{18}{13} \right)$

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