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九州大学 2003年 文系 第4問 解説

数学B/数列数学2/図形と式数学1/二次関数テーマ/漸化式テーマ/接線・法線
九州大学 2003年 文系 第4問 解説

方針・初手

(1) 放物線と直線の交点の $x$ 座標を求めるための方程式を立てる。交点の1つが $P_k$($x$ 座標は $a_k$)であると分かっているため、解と係数の関係を用いるとスムーズに $a_{k+1}$ を導出できる。 (2) (1)で得られた漸化式を解く。右辺が等比数列である隣接2項間の漸化式であり、$r=-1$ の場合とそうでない場合で適切な式変形が異なるため、場合分けが必要になることに注意する。 (3) (2)の一般項に初期条件を代入して式を整理し、$m_k$ を $a_k$ で表す。それを直線 $l_k$ の方程式に適用し、未定の放物線 $y=bx^2$ と接する条件(判別式 $D=0$)を考えることで $b$ を決定する。

解法1

(1) 点 $P_k$ は $C: y=x^2$ 上にあるので、その座標は $(a_k, a_k^2)$ である。 点 $P_k$ を通り傾き $m_k$ の直線 $l_k$ の方程式は、

$$ y - a_k^2 = m_k(x - a_k) $$

すなわち

$$ y = m_k x - m_k a_k + a_k^2 $$

である。直線 $l_k$ と $C$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の解である。

$$ x^2 = m_k x - m_k a_k + a_k^2 $$

$$ x^2 - m_k x + m_k a_k - a_k^2 = 0 $$

この2次方程式の解が $a_k$ と $a_{k+1}$ であるから、解と係数の関係より

$$ a_k + a_{k+1} = m_k $$

が成り立つ。これは $l_k$ と $C$ が接する場合($a_{k+1} = a_k$ で重解となる場合)にも成立する。 したがって、

$$ a_{k+1} = m_k - a_k $$

である。

(2) 等比数列 $\{m_k\}$ は初項 $m_1$、公比 $r$ であるから、$m_k = m_1 r^{k-1}$ と表せる。 (1)の結果より、数列 $\{a_k\}$ の漸化式は

$$ a_{k+1} + a_k = m_1 r^{k-1} $$

となる。公比 $r$ の値によって場合分けを行う。

(i) $r \neq -1$ のとき 漸化式は、定数 $c$ を用いて次のように変形できる。

$$ a_{k+1} - c r^k = -(a_k - c r^{k-1}) $$

これを展開すると

$$ a_{k+1} + a_k = c r^{k-1}(r+1) $$

元の漸化式と比較して、$c(r+1) = m_1$ より $c = \frac{m_1}{r+1}$ とすればよい。 したがって、数列 $\left\{ a_k - \frac{m_1}{r+1} r^{k-1} \right\}$ は初項 $a_1 - \frac{m_1}{r+1}$、公比 $-1$ の等比数列である。

$$ a_k - \frac{m_1}{r+1} r^{k-1} = \left( a_1 - \frac{m_1}{r+1} \right) (-1)^{k-1} $$

よって

$$ a_k = (-1)^{k-1} a_1 + \frac{m_1}{r+1} \{ r^{k-1} - (-1)^{k-1} \} $$

となる。$-(-1)^{k-1} = (-1)^k$ を用いて整理すると、

$$ a_k = (-1)^{k-1} a_1 + \frac{m_1}{r+1} \{ r^{k-1} + (-1)^k \} $$

(ii) $r = -1$ のとき 漸化式は

$$ a_{k+1} + a_k = m_1 (-1)^{k-1} $$

となる。両辺を $(-1)^{k+1}$ で割ると、

$$ \frac{a_{k+1}}{(-1)^{k+1}} + \frac{a_k}{(-1)^{k+1}} = \frac{m_1 (-1)^{k-1}}{(-1)^{k+1}} $$

$$ \frac{a_{k+1}}{(-1)^{k+1}} - \frac{a_k}{(-1)^k} = m_1 $$

したがって、数列 $\left\{ \frac{a_k}{(-1)^k} \right\}$ は初項 $\frac{a_1}{-1} = -a_1$、公差 $m_1$ の等差数列である。

$$ \frac{a_k}{(-1)^k} = -a_1 + (k-1)m_1 $$

両辺に $(-1)^k$ を掛けて、

$$ a_k = (-1)^{k-1} a_1 + (-1)^k (k-1)m_1 $$

となる。

(3) $m_1 \neq 0$ かつ $r \neq -1, 0$ であり、$a_1 = \frac{m_1}{1+r}$ とする。 $r \neq -1$ であるから、(2)の (i) の結果に代入すると、

$$ \begin{aligned} a_k &= (-1)^{k-1} \frac{m_1}{1+r} + \frac{m_1}{1+r} \{ r^{k-1} - (-1)^{k-1} \} \\ &= \frac{m_1}{1+r} r^{k-1} \end{aligned} $$

となる。$m_k = m_1 r^{k-1}$ であるから、

$$ a_k = \frac{m_k}{1+r} $$

すなわち

$$ m_k = (1+r)a_k $$

が成り立つ。 (1)より、直線 $l_k$ の方程式は $y = m_k x - m_k a_k + a_k^2$ であった。ここに $m_k = (1+r)a_k$ を代入して整理する。

$$ \begin{aligned} y &= (1+r)a_k x - (1+r)a_k^2 + a_k^2 \\ &= (1+r)a_k x - r a_k^2 \end{aligned} $$

この直線 $l_k$ が、ある2次関数 $y = bx^2$ のグラフとすべての自然数 $k$ について接する条件を求める。 $y = bx^2$ と $y = (1+r)a_k x - r a_k^2$ を連立して得られる2次方程式

$$ bx^2 - (1+r)a_k x + r a_k^2 = 0 $$

が重解をもてばよい。判別式を $D$ とすると、$D=0$ より

$$ \{ -(1+r)a_k \}^2 - 4 \cdot b \cdot r a_k^2 = 0 $$

$$ a_k^2 \{ (1+r)^2 - 4br \} = 0 $$

ここで、$a_k = \frac{m_1}{1+r} r^{k-1}$ であり、$m_1 \neq 0$ かつ $r \neq 0$ であるからすべての自然数 $k$ に対して $a_k \neq 0$ である。 したがって、

$$ (1+r)^2 - 4br = 0 $$

が成り立つ。$r \neq 0$ より $b$ について解くと、

$$ b = \frac{(1+r)^2}{4r} $$

となる。 また、$r \neq -1$ より $(1+r)^2 \neq 0$ であるため、$b \neq 0$ となり、$y = bx^2$ は確かに2次関数である。 以上より、すべての自然数 $k$ に対し、直線 $l_k$ は2次関数 $y = \frac{(1+r)^2}{4r} x^2$ のグラフに接することが示された。

解説

放物線と直線の交点に関する問題である。交点の $x$ 座標を求める際に、解の公式や力任せの因数分解ではなく「解と係数の関係」を用いることで計算を大幅に簡略化できる点がポイントである。 また、漸化式 $a_{k+1} + a_k = f(k)$ の形は典型処理であるが、右辺の指数関数の底と特性方程式の解(本問では $-1$)が一致する場合は、等比数列への帰着ができないため、両辺を割ることで等差数列に帰着させるという処理が必要になる。ここで場合分けを忘れずに行うことが重要である。 (3) は(2)で得られた結果を用いて直線の式を $a_k$ のみで表し、未知の放物線 $y=bx^2$ と接する条件を考える。接点が $a_k$ に依存して変化しても、$b$ の値が $k$ に依存しない定数として定まることを示せばよいという論理展開になる。

答え

(1) $a_{k+1} = m_k - a_k$

(2) $r \neq -1$ のとき、$a_k = (-1)^{k-1} a_1 + \frac{m_1}{r+1} \{ r^{k-1} + (-1)^k \}$ $r = -1$ のとき、$a_k = (-1)^{k-1} a_1 + (-1)^k (k-1)m_1$

(3) すべての自然数 $k$ に対して、直線 $l_k$ は2次関数 $y = \frac{(1+r)^2}{4r} x^2$ に接する。(証明は解法1を参照) $b = \frac{(1+r)^2}{4r}$

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