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大阪大学 1988年 理系 第2問 解説

数学B/数列数学2/図形と式数学2/微分法テーマ/漸化式テーマ/接線・法線
大阪大学 1988年 理系 第2問 解説

方針・初手

放物線と円が接する条件を立式する。円の中心が $y$ 軸上にあることから、中心の座標を $(0, c_n)$、半径を $r_n$ とおき、$y$ の2次方程式が正の重解をもつ条件(または微分を用いて法線が中心を通る条件)から $c_n$ と $r_n$ の関係式を導く。その後、外接するという条件から数列 $\{r_n\}$ の漸化式を立てて一般項を求める。

解法1

円 $O_n$ の中心の座標を $(0, c_n)$、半径を $r_n$ ($r_n > 0$) とおく。

円 $O_n$ の方程式は

$$ x^2 + (y - c_n)^2 = r_n^2 $$

これと放物線 $y = x^2$ を連立して $x$ を消去すると、

$$ y + (y - c_n)^2 = r_n^2 $$

$$ y^2 + (1 - 2c_n)y + c_n^2 - r_n^2 = 0 $$

放物線と円が $y$ 軸上ではない異なる2点で接するためには、この $y$ についての2次方程式が正の重解をもてばよい。

判別式を $D$ とすると、$D = 0$ であるから

$$ D = (1 - 2c_n)^2 - 4(c_n^2 - r_n^2) = 0 $$

$$ 1 - 4c_n + 4c_n^2 - 4c_n^2 + 4r_n^2 = 0 $$

$$ c_n = r_n^2 + \frac{1}{4} $$

このとき、重解は $y = -\frac{1 - 2c_n}{2} = c_n - \frac{1}{2}$ となり、$y > 0$ であるためには $c_n > \frac{1}{2}$ が必要である。

条件 (i) より $r_1 = 1$ であるから、$c_1 = 1^2 + \frac{1}{4} = \frac{5}{4} > \frac{1}{2}$ となり、条件を満たす。

次に、条件 (ii) より $n \geqq 2$ のとき $O_n$ と $O_{n-1}$ は外接し、$c_n > c_{n-1}$ であるから、中心間の距離は半径の和に等しくなる。

$$ c_n - c_{n-1} = r_n + r_{n-1} $$

これに $c_n = r_n^2 + \frac{1}{4}$ を代入して

$$ \left( r_n^2 + \frac{1}{4} \right) - \left( r_{n-1}^2 + \frac{1}{4} \right) = r_n + r_{n-1} $$

$$ r_n^2 - r_{n-1}^2 = r_n + r_{n-1} $$

$$ (r_n - r_{n-1})(r_n + r_{n-1}) = r_n + r_{n-1} $$

$r_n > 0, r_{n-1} > 0$ より $r_n + r_{n-1} \neq 0$ であるから、両辺を $r_n + r_{n-1}$ で割って

$$ r_n - r_{n-1} = 1 $$

したがって、数列 $\{r_n\}$ は初項 $r_1 = 1$、公差 $1$ の等差数列となり、

$$ r_n = 1 + (n - 1) \cdot 1 = n $$

このとき、各 $n$ において $c_n = n^2 + \frac{1}{4} > \frac{1}{2}$ を満たしており、中心の $y$ 座標は

$$ c_n = n^2 + \frac{1}{4} $$

以上より、円 $O_n$ の方程式は

$$ x^2 + \left( y - n^2 - \frac{1}{4} \right)^2 = n^2 $$

解法2

放物線上の点における法線が円の中心を通ることを利用する。

放物線 $y = x^2$ 上の点 $(t, t^2)$ ($t \neq 0$) における接線の傾きは $y' = 2x$ より $2t$ である。

よって、点 $(t, t^2)$ における法線の方程式は

$$ y - t^2 = -\frac{1}{2t}(x - t) $$

この法線が円 $O_n$ の中心 $(0, c_n)$ を通るので、代入して

$$ c_n - t^2 = -\frac{1}{2t}(0 - t) $$

$$ c_n = t^2 + \frac{1}{2} $$

接点が2つ存在するためには $t \neq 0$、すなわち $t^2 > 0$ が必要であり、$c_n > \frac{1}{2}$ を得る。

円 $O_n$ の半径 $r_n$ は、中心 $(0, c_n)$ と接点 $(t, t^2)$ の距離であるから

$$ r_n^2 = t^2 + (t^2 - c_n)^2 $$

これに $t^2 = c_n - \frac{1}{2}$ を代入すると

$$ r_n^2 = \left( c_n - \frac{1}{2} \right) + \left( c_n - \frac{1}{2} - c_n \right)^2 $$

$$ r_n^2 = c_n - \frac{1}{2} + \left( -\frac{1}{2} \right)^2 = c_n - \frac{1}{4} $$

ゆえに

$$ c_n = r_n^2 + \frac{1}{4} $$

これ以降は解法1と同様にして、条件から $c_n - c_{n-1} = r_n + r_{n-1}$ を立式し、$r_n = n$、$c_n = n^2 + \frac{1}{4}$ を導出する。

解説

「放物線と円が接する」という条件の処理方法として、方程式の重解条件(判別式)を用いる方法と、微分して法線が中心を通ることを用いる方法の2つが典型である。本問ではどちらで進めても計算量は同程度だが、判別式を用いる場合は重解の $y$ 座標が正であることの確認を忘れないようにしたい。

また、外接する条件から導かれる中心座標と半径の漸化式を解く際、$(r_n - r_{n-1})(r_n + r_{n-1}) = r_n + r_{n-1}$ の両辺を $r_n + r_{n-1} \neq 0$ で割ることで、単純な等差数列の漸化式に帰着させる流れは、円の列を扱う問題で頻出の処理である。

答え

$$ x^2 + \left( y - n^2 - \frac{1}{4} \right)^2 = n^2 $$

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