九州大学 2017年 文系 第3問 解説

方針・初手
さいころを1回投げたときに勝敗が決まる(3以上の目が出る)確率と、勝敗が決まらない(1または2の目が出る)確率を求めることから始める。 (1) では、勝敗が決まらない状態が続く確率を立式し、常用対数を用いて不等式を解く。 (2) および (3) では、Aが勝つのはAがさいころを投げる奇数回目のみであることに注意し、各回でAが勝つ確率を求めて足し合わせる。
解法1
1回のさいころ投げで、3以上の目が出て勝敗が決まる確率は $\frac{4}{6} = \frac{2}{3}$、1または2の目が出て勝敗が決まらない確率は $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$ である。
(1)
$n$ 回以下で勝敗が決まらないのは、$n$ 回連続で1または2の目が出る場合であるから
$$ p_n = \left(\frac{1}{3}\right)^n $$
次に、$p_n < 0.005$ を満たす最小の $n$ を求める。
$$ \left(\frac{1}{3}\right)^n < \frac{5}{1000} $$
$$ \frac{1}{3^n} < \frac{1}{200} $$
$$ 3^n > 200 $$
両辺の常用対数をとると
$$ \log_{10} 3^n > \log_{10} 200 $$
$$ n \log_{10} 3 > \log_{10} (2 \times 10^2) $$
$$ n \log_{10} 3 > \log_{10} 2 + 2 \log_{10} 10 $$
$$ n \log_{10} 3 > \log_{10} 2 + 2 $$
与えられた $\log_{10} 2 = 0.301$ と $\log_{10} 3 = 0.477$ を代入すると
$$ 0.477 n > 0.301 + 2 $$
$$ 0.477 n > 2.301 $$
$$ n > \frac{2.301}{0.477} = 4.823\dots $$
$n$ は自然数であるから、これを満たす最小の $n$ は $5$ である。
(2)
Aが投げるのは奇数回目、Bが投げるのは偶数回目である。
さいころを投げた回数が3以下でAが勝つのは、1回目にAが勝つ、または3回目にAが勝つ場合であり、これらは互いに排反である。
1回目にAが勝つ確率は $\frac{2}{3}$ である。
3回目にAが勝つ確率は、1, 2回目に勝敗が決まらず、3回目に勝敗が決まる確率であるから
$$ \left(\frac{1}{3}\right)^2 \times \frac{2}{3} = \frac{2}{27} $$
よって、求める確率は
$$ \frac{2}{3} + \frac{2}{27} = \frac{18}{27} + \frac{2}{27} = \frac{20}{27} $$
(3)
さいころを投げた回数が $2k+1$ 回以下でAが勝つのは、$2i-1$ 回目($i = 1, 2, \dots, k+1$)にAが勝つ場合であり、これらは互いに排反である。
$2i-1$ 回目にAが勝つ確率は、$2i-2$ 回目まで勝敗が決まらず、$2i-1$ 回目にAが勝つ確率であるから
$$ \left(\frac{1}{3}\right)^{2i-2} \times \frac{2}{3} $$
求める確率は、これらの和であるから
$$ \sum_{i=1}^{k+1} \left\{ \left(\frac{1}{3}\right)^{2i-2} \times \frac{2}{3} \right\} = \frac{2}{3} \sum_{i=1}^{k+1} \left(\frac{1}{9}\right)^{i-1} $$
これは初項 $\frac{2}{3}$、公比 $\frac{1}{9}$、項数 $k+1$ の等比数列の和であるから
$$ \frac{\frac{2}{3} \left\{ 1 - \left(\frac{1}{9}\right)^{k+1} \right\}}{1 - \frac{1}{9}} $$
$$ = \frac{\frac{2}{3} \left\{ 1 - \left(\frac{1}{9}\right)^{k+1} \right\}}{\frac{8}{9}} $$
$$ = \frac{2}{3} \times \frac{9}{8} \left\{ 1 - \left(\frac{1}{9}\right)^{k+1} \right\} $$
$$ = \frac{3}{4} \left\{ 1 - \left(\frac{1}{9}\right)^{k+1} \right\} $$
解説
ゲームの勝敗に関する反復試行の確率、常用対数を用いた不等式の評価、および等比数列の和を組み合わせた標準的な問題である。
各回においてAとBのどちらがさいころを投げるのかを把握し、勝敗が決まる条件を明確にすることが重要である。特に(3)では、奇数回目でしかAが勝つことはないという点に注意して、$2i-1$ 回目の確率を正しく立式し、等比数列の項数が $k+1$ 個であることを見落とさないようにしたい。
答え
(1)
$$ p_n = \left(\frac{1}{3}\right)^n $$
最小の $n$ は $5$
(2)
$$ \frac{20}{27} $$
(3)
$$ \frac{3}{4} \left\{ 1 - \left(\frac{1}{9}\right)^{k+1} \right\} $$
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