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九州大学 2017年 文系 第2問 解説

数学C/複素数平面数学A/整数問題数学A/図形の性質テーマ/整数の証明テーマ/図形総合
九州大学 2017年 文系 第2問 解説

方針・初手

解法1

(1)

点 $O$ を中心として、点 $A(1, 1)$ を $\pm 60^\circ$ 回転させた点が点 $B(s, t)$ である。 複素数平面上で考えると、点 $A, B$ を表す複素数はそれぞれ $1+i, s+ti$ となるため、以下の式が成り立つ。

$$ s+ti = (1+i)\left(\cos(\pm 60^\circ) + i\sin(\pm 60^\circ)\right) $$

これを計算する。

$$ \begin{aligned} s+ti &= (1+i)\left(\frac{1}{2} \pm \frac{\sqrt{3}}{2}i\right) \\ &= \left(\frac{1}{2} \mp \frac{\sqrt{3}}{2}\right) + \left(\frac{1}{2} \pm \frac{\sqrt{3}}{2}\right)i \quad \text{(複号同順)} \end{aligned} $$

$s, t$ は実数であるから、実部と虚部を比較して、

$$ s = \frac{1 \mp \sqrt{3}}{2}, \quad t = \frac{1 \pm \sqrt{3}}{2} $$

したがって、求める $(s, t)$ は以下の通りである。

$$ (s, t) = \left( \frac{1 - \sqrt{3}}{2}, \frac{1 + \sqrt{3}}{2} \right), \left( \frac{1 + \sqrt{3}}{2}, \frac{1 - \sqrt{3}}{2} \right) $$

(2)

$\sqrt{3}$ が有理数であると仮定する。 このとき、互いに素な自然数 $p, q$ を用いて次のように表せる。

$$ \sqrt{3} = \frac{p}{q} $$

両辺を2乗して分母を払うと、以下の式を得る。

$$ 3q^2 = p^2 $$

左辺は3の倍数であるから、$p^2$ も3の倍数となる。 平方数が3の倍数であるとき、そのもとの数も3の倍数であるから、$p$ は3の倍数である。 よって、自然数 $k$ を用いて $p = 3k$ と表すことができる。 これを先の式に代入する。

$$ 3q^2 = (3k)^2 = 9k^2 $$

両辺を3で割る。

$$ q^2 = 3k^2 $$

同様に、$q^2$ は3の倍数であるから、$q$ も3の倍数となる。 これは、$p$ と $q$ が互いに素であるという仮定に矛盾する。 したがって、$\sqrt{3}$ は無理数である。

(3)

$s$ と $t$ がともに有理数であると仮定し、矛盾を導く。 (1) と同様に、点 $B(s, t)$ は点 $A(1, a)$ を原点の周りに $\pm 60^\circ$ 回転させた点であるため、複素数平面上において次式が成り立つ。

$$ s+ti = (1+ai)\left(\frac{1}{2} \pm \frac{\sqrt{3}}{2}i\right) $$

右辺を展開する。

$$ \begin{aligned} s+ti &= \left(\frac{1}{2} \mp \frac{\sqrt{3}}{2}a\right) + \left(\frac{a}{2} \pm \frac{\sqrt{3}}{2}\right)i \quad \text{(複号同順)} \end{aligned} $$

$s, t, a$ は実数であるから、虚部を比較して以下の式を得る。

$$ t = \frac{a}{2} \pm \frac{\sqrt{3}}{2} $$

変形すると、次式のようになる。

$$ \pm \sqrt{3} = 2t - a $$

仮定より $t$ は有理数であり、問題の条件より $a$ も有理数であるため、右辺の $2t - a$ は有理数となる。 しかし、左辺の $\pm \sqrt{3}$ は (2) で示したように無理数であるため、矛盾する。 したがって、最初の「$s$ と $t$ がともに有理数である」という仮定が誤りである。 よって、$s$ と $t$ のうち少なくとも1つは無理数であることが示された。

解説

正三角形の頂点を求める問題では、複素数平面を用いた回転の処理が非常に有効である。ベクトルや2点間の距離の公式を利用して連立方程式を立てることも可能だが、計算量が大きくなりやすい。 (2)の無理数の証明は、背理法を用いる典型的な問題である。(3)への布石となっているため、論理の飛躍がないように丁寧に記述する必要がある。 (3)は「少なくとも1つ」の証明に背理法を用いる典型的な論法である。「ともに有理数である」と仮定し、虚部に着目することで場合分けを回避し、(2)の結果を利用して矛盾を導くことができる。

答え

(1)

$$ (s, t) = \left( \frac{1 - \sqrt{3}}{2}, \frac{1 + \sqrt{3}}{2} \right), \left( \frac{1 + \sqrt{3}}{2}, \frac{1 - \sqrt{3}}{2} \right) $$

(2)

背理法により証明された(解法1参照)。

(3)

背理法により示された(解法1参照)。

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