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九州大学 1968年 理系 第6問 解説

数学A/確率数学B/確率分布・統計的推測
九州大学 1968年 理系 第6問 解説

方針・初手

袋に入っている玉の総数を、自然数の2乗の和の公式を用いて求める。

(1) は、「特定の数が書かれた玉の個数」を「玉の総数」で割ることで確率を計算する。

(2) は、期待値の定義に従い、「受け取る金額」と「その金額を受け取る確率」の積の総和を計算する。その際、自然数の3乗の和の公式を利用する。

解法1

(1)

袋の中に入っている玉の総数を $N$ 個とする。

各 $i$ ($1 \leqq i \leqq n$) について、$i$ と記入された玉が $i^2$ 個あるので、$N$ は次のように計算できる。

$$N = \sum_{i=1}^n i^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$$

$k$ 円を受け取るのは、取り出した $1$ 個の玉に記入されている数が $k$ のときである。

$k$ が $1 \leqq k \leqq n$ を満たす整数のとき、$k$ と記入された玉は $k^2$ 個存在する。したがって、求める確率を $P(k)$ とすると、以下のようになる。

$$P(k) = \frac{k^2}{N} = \frac{k^2}{\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)} = \frac{6k^2}{n(n+1)(2n+1)}$$

なお、$k$ が $1 \leqq k \leqq n$ を満たす整数以外のときは、該当する玉が存在しないため確率は $0$ である。

(2)

受け取る金額の期待値を $E$ とすると、期待値の定義より以下の式となる。

$$E = \sum_{k=1}^n k \cdot P(k)$$

これに (1) で求めた $P(k)$ の式を代入して計算する。

$$\begin{aligned} E &= \sum_{k=1}^n \left\{ k \cdot \frac{6k^2}{n(n+1)(2n+1)} \right\} \\ &= \frac{6}{n(n+1)(2n+1)} \sum_{k=1}^n k^3 \end{aligned}$$

ここで、自然数の3乗の和の公式 $\sum_{k=1}^n k^3 = \left\{ \frac{1}{2}n(n+1) \right\}^2 = \frac{1}{4}n^2(n+1)^2$ を用いると、期待値は次のように求まる。

$$\begin{aligned} E &= \frac{6}{n(n+1)(2n+1)} \cdot \frac{1}{4}n^2(n+1)^2 \\ &= \frac{3n(n+1)}{2(2n+1)} \end{aligned}$$

解説

確率の基本と数列の和の公式を組み合わせた標準的な問題である。

玉の総数を求める段階で $\sum k^2$ の公式、期待値を計算する段階で $\sum k^3$ の公式を正確に適用できるかが問われている。確率の問題において分母が文字式で表される場合でも、動揺せずに確率と期待値の定義通りに計算を進めればよい。約分などの計算ミスに注意したい。

答え

(1)

$\frac{6k^2}{n(n+1)(2n+1)}$ (ただし $k$ は $1 \leqq k \leqq n$ を満たす整数)

(2)

$\frac{3n(n+1)}{2(2n+1)}$

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