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九州大学 1973年 理系 第2問 解説

数学A/確率数学B/確率分布・統計的推測数学B/数列
九州大学 1973年 理系 第2問 解説

方針・初手

確率の基本性質(全事象の確率が $1$ であること)と、数列の和と一般項の関係を用いて解き進める。 「$1$ から $k$ までの数のどれかである確率」は累積確率 $\sum_{j=1}^k p_j$ に相当する。したがって、$k=n$ のときの値から定数 $A$ を決定し、$k$ のときの確率の和から $k-1$ のときの確率の和を引くことで、ちょうど $k$ となる確率を求めることができる。

解法1

表示される数がちょうど $j$ ($j = 1, 2, \dots, n$) である確率を $p_j$ とおく。 問題の条件より、以下の等式が成り立つ。

$$\sum_{j=1}^k p_j = Ak^2 \quad (k = 1, 2, \dots, n)$$

(1)

ボタンを押したとき、$1$ から $n$ までのいずれかの数が必ず表示されるため、全事象の確率は $1$ である。 したがって、$k = n$ のとき、

$$\sum_{j=1}^n p_j = An^2 = 1$$

が成り立つ。よって、$A$ の値は、

$$A = \frac{1}{n^2}$$

(2)

表示される数がちょうど $k$ である確率 $p_k$ を求める。

$k \geqq 2$ のとき、

$$\begin{aligned} p_k &= \sum_{j=1}^k p_j - \sum_{j=1}^{k-1} p_j \\ &= Ak^2 - A(k-1)^2 \\ &= A \{ k^2 - (k^2 - 2k + 1) \} \\ &= A(2k - 1) \end{aligned}$$

(1) より $A = \frac{1}{n^2}$ であるから、

$$p_k = \frac{2k - 1}{n^2}$$

この式において $k = 1$ とすると、

$$p_1 = \frac{2 \cdot 1 - 1}{n^2} = \frac{1}{n^2}$$

となり、これは条件 $\sum_{j=1}^1 p_j = A \cdot 1^2 = \frac{1}{n^2}$ と一致するため、$k=1$ のときも成り立つ。 したがって、求める確率は、

$$p_k = \frac{2k - 1}{n^2}$$

(3)

ボタンを押して表示される数の期待値 $E$ は、各値 $k$ にその確率 $p_k$ を掛けたものの総和である。

$$\begin{aligned} E &= \sum_{k=1}^n k p_k \\ &= \sum_{k=1}^n k \frac{2k - 1}{n^2} \\ &= \frac{1}{n^2} \sum_{k=1}^n (2k^2 - k) \\ &= \frac{1}{n^2} \left\{ 2 \sum_{k=1}^n k^2 - \sum_{k=1}^n k \right\} \\ &= \frac{1}{n^2} \left\{ 2 \cdot \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) - \frac{1}{2}n(n+1) \right\} \\ &= \frac{1}{n^2} \cdot \frac{1}{6}n(n+1) \{ 2(2n+1) - 3 \} \\ &= \frac{n(n+1)(4n-1)}{6n^2} \\ &= \frac{(n+1)(4n-1)}{6n} \end{aligned}$$

解説

累積確率が与えられた状況から各事象の確率を求め、期待値を計算する問題である。数列の和 $S_n$ から一般項 $a_n$ を求める関係式 $a_n = S_n - S_{n-1} \ (n \geqq 2)$ を確率に応用する典型的な手法を用いている。(2) で求めた $p_k$ の式が $k=1$ のときも成立することの確認を忘れないようにしたい。(3) の期待値の計算では、$\sum$ の公式を正しく適用し、共通因数でくくることで計算ミスを防ぎやすくなる。

答え

(1) $A = \frac{1}{n^2}$

(2) $\frac{2k-1}{n^2}$

(3) $\frac{(n+1)(4n-1)}{6n}$

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