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名古屋大学 1967年 文系 第1問 解説

数学A/図形の性質数学1/図形計量数学2/微分法テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
名古屋大学 1967年 文系 第1問 解説

方針・初手

図形的な条件を数式に翻訳するために、図形を座標平面上に配置するか、直角三角形の相似を利用する。直角が連続する構図では、相似な三角形が現れやすいため、それを利用して辺の長さを1つの変数(たとえば線分 $AP$ の長さ)で表すことが定石である。その後は微積分を用いて面積の関数の最大値を求める。

解法1

$AP = t$ ($0 \le t \le 14$) とおく。 線分 $AB$、$AC$ および直線 $g$ の位置関係から、直線 $g$ は点 $B$ を通り線分 $AB$ に垂直な直線であるとみなせる。 $\triangle CAP$ において、$\angle CAP = 90^\circ$ より、三平方の定理から

$$ CP^2 = AC^2 + AP^2 = 3^2 + t^2 = t^2 + 9 $$

点 $B$ において線分 $AB$ と直線 $g$ は直交するため、$\angle PBQ = 90^\circ$ である。 $\angle CPQ = 90^\circ$ であるから、

$$ \angle CPA + \angle QPB = 180^\circ - 90^\circ = 90^\circ $$

また、直角三角形である $\triangle CAP$ の鋭角の和から

$$ \angle PCA + \angle CPA = 90^\circ $$

これらより、$\angle PCA = \angle QPB$ となる。 $\angle CAP = \angle PBQ = 90^\circ$ と合わせて、2組の角がそれぞれ等しいため $\triangle CAP \sim \triangle PBQ$ が成り立つ。

相似比より $AC : PB = CP : PQ$ であるから、$PB = 14 - t$ より

$$ 3 : (14 - t) = CP : PQ $$

$$ PQ = \frac{14 - t}{3} CP $$

$\triangle CPQ$ は $\angle CPQ = 90^\circ$ の直角三角形であるから、その面積を $S(t)$ とすると、

$$ S(t) = \frac{1}{2} CP \cdot PQ = \frac{1}{2} CP \cdot \frac{14 - t}{3} CP = \frac{14 - t}{6} CP^2 $$

これに $CP^2 = t^2 + 9$ を代入して、

$$ S(t) = \frac{14 - t}{6} (t^2 + 9) = \frac{1}{6} (-t^3 + 14t^2 - 9t + 126) $$

$S(t)$ を $t$ で微分すると、

$$ S'(t) = \frac{1}{6} (-3t^2 + 28t - 9) = -\frac{1}{6} (3t - 1)(t - 9) $$

$S'(t) = 0$ となる $t$ の値は $t = \frac{1}{3}, 9$ である。 点 $P$ は線分 $AB$ 上にあるので、定義域は $0 \le t \le 14$ である。 この範囲における $S(t)$ の増減表は以下のようになる。

$t$ $0$ $\cdots$ $\frac{1}{3}$ $\cdots$ $9$ $\cdots$ $14$
$S'(t)$ $-$ $0$ $+$ $0$ $-$
$S(t)$ $21$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$ 極大 $\searrow$ $0$

$t = 9$ のとき、$S(t)$ は最大値をとる。 最大値は、

$$ S(9) = \frac{14 - 9}{6} (9^2 + 9) = \frac{5}{6} \times 90 = 75 $$

解法2

点 $A$ を原点とする座標平面を設定する。 $AB \perp AC$ であるから、$A(0,0)$、$B(14,0)$、$C(0,3)$ とおいても一般性を失わない。 直線 $g$ は線分 $AB$ と直交するため、$B$ を通り $x$ 軸に垂直な直線 $x = 14$ となる。 点 $P$ は線分 $AB$ 上にあるので、その座標を $(t, 0)$ ($0 \le t \le 14$) とおく。 点 $Q$ は直線 $g$ 上にあるので、その座標を $(14, y)$ とおく。

ベクトル $\vec{PC}$ と $\vec{PQ}$ の成分はそれぞれ、

$$ \vec{PC} = (0 - t, 3 - 0) = (-t, 3) $$

$$ \vec{PQ} = (14 - t, y - 0) = (14 - t, y) $$

$\angle CPQ = 90^\circ$ より $\vec{PC} \cdot \vec{PQ} = 0$ であるから、

$$ -t(14 - t) + 3y = 0 $$

$$ y = \frac{t(14 - t)}{3} $$

$\triangle CPQ$ は直角三角形であるから、その面積 $S$ は

$$ S = \frac{1}{2} |\vec{PC}| |\vec{PQ}| $$

ここで、$|\vec{PC}|^2 = (-t)^2 + 3^2 = t^2 + 9$ であり、$|\vec{PQ}|^2$ について計算すると、

$$ \begin{aligned} |\vec{PQ}|^2 &= (14 - t)^2 + y^2 \\ &= (14 - t)^2 + \left\{ \frac{t(14 - t)}{3} \right\}^2 \\ &= (14 - t)^2 \left( 1 + \frac{t^2}{9} \right) \\ &= \frac{(14 - t)^2 (t^2 + 9)}{9} \end{aligned} $$

$0 \le t \le 14$ より $14 - t \ge 0$ であるから、

$$ |\vec{PQ}| = \frac{14 - t}{3} \sqrt{t^2 + 9} = \frac{14 - t}{3} |\vec{PC}| $$

したがって、面積 $S$ を $t$ の関数 $S(t)$ として表すと、

$$ S(t) = \frac{1}{2} |\vec{PC}| \cdot \frac{14 - t}{3} |\vec{PC}| = \frac{14 - t}{6} |\vec{PC}|^2 = \frac{14 - t}{6} (t^2 + 9) $$

これ以降は解法1と同様に $S(t)$ を微分して増減を調べることで、$t=9$ のときに最大値 $75$ をとることがわかる。

解説

幾何的な条件から目的の関数を導出し、微分法を用いて最大値を求める典型的な融合問題である。 直角が連続する図形においては、相似な三角形を見つける(解法1)、あるいは座標平面を導入して内積などのベクトル演算を利用する(解法2)ことが有効なアプローチとなる。 面積を表す式を導出する際、$\triangle CPQ$ の底辺と高さから面積を直接計算する方針を立てることで、全体の計算量を抑えることができる。$PQ$ の長さを $CP$ の長さで表せることに気付くのがポイントである。

答え

$75$

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