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名古屋大学 1995年 文系 第3問 解説

数学A/確率数学B/数列テーマ/最大・最小テーマ/漸化式
名古屋大学 1995年 文系 第3問 解説

方針・初手

$n$ 回目の操作後に特定の目が出る確率を求める問題であるため、確率の漸化式を立てて解く。 求める目が「1または6」であることから、サイコロの上の面を「1または6が出ている状態」と「それ以外の目(2, 3, 4, 5)が出ている状態」の2つのグループに分け、$n$ 回目と $n+1$ 回目の状態推移に注目する。

解法1

$n$ 回目の操作後に上の面が1または6である確率を $p_n$ とする。このとき、上の面が2, 3, 4, 5のいずれかである確率は $1 - p_n$ となる。

$n$ 回目の状態から $n+1$ 回目の状態への遷移を考える。

(i) $n$ 回目に1または6が出ている場合 条件より、1と6は反対側の面にあるため、横の面はすべて2, 3, 4, 5のいずれかである。したがって、この状態からサイコロを倒すと、必ず2, 3, 4, 5のいずれかの目が出る。 よって、この状態から $n+1$ 回目に1または6が出る確率は $0$ である。

(ii) $n$ 回目に2, 3, 4, 5のいずれかが出ている場合 1と6は反対側の面にあるため、横の4つの面のうち、必ず1つの面が1であり、反対側のもう1つの面が6である。したがって、この状態から等確率でいずれかの横の面に倒したとき、1または6が出る確率は $\frac{2}{4} = \frac{1}{2}$ である。

(i), (ii) より、$p_{n+1}$ は次のように表される。

$$ p_{n+1} = p_n \cdot 0 + (1 - p_n) \cdot \frac{1}{2} $$

これを整理して、

$$ p_{n+1} = -\frac{1}{2}p_n + \frac{1}{2} $$

この漸化式を変形すると、以下のようになる。

$$ p_{n+1} - \frac{1}{3} = -\frac{1}{2} \left( p_n - \frac{1}{3} \right) $$

ここで、最初の状態では1の目が出ているため、1回目の操作後は必ず横の面であった2, 3, 4, 5のいずれかが出る。よって $p_1 = 0$ である。 したがって、数列 $\left\{ p_n - \frac{1}{3} \right\}$ は、初項 $p_1 - \frac{1}{3} = -\frac{1}{3}$、公比 $-\frac{1}{2}$ の等比数列であるから、一般項は次のように求められる。

$$ p_n - \frac{1}{3} = -\frac{1}{3} \left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1} $$

ゆえに、求める確率 $p_n$ は以下の通りとなる。

$$ p_n = \frac{1}{3} - \frac{1}{3} \left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1} $$

解説

状態の推移に注目して漸化式を立てる、確率問題の典型的な解法である。 本問の最大のポイントは「1と6は反対側の面にある」という条件の扱いである。この条件によって、上が2, 3, 4, 5のどの目であっても、横の面に必ず1と6が1つずつ現れることが保証され、「それ以外の目から1または6の目が出る確率」が常に一定の $\frac{1}{2}$ となる。 これにより、出目を一つずつ個別に考えるのではなく、「1または6」と「それ以外」の2つの状態にグループ分け(状態の縮約)して漸化式を立てることができる。

答え

$$ \frac{1}{3} \left\{ 1 - \left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1} \right\} $$

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