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名古屋大学 1996年 文系 第4問 解説

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名古屋大学 1996年 文系 第4問 解説

方針・初手

3人でじゃんけんをして順位が確定するまでの「順位が未確定な人数」の推移に着目する。未確定の人数は最初は3人であり、じゃんけんを繰り返すことで2人となり、最終的に0人となって順位が完全に確定する。各状態において、あいこになる確率と状態が変化する(人数が減る)確率を求め、ちょうど $n$ 回目で未確定の人数が0人になる確率を計算する。

解法1

順位が未確定な人数に着目して状態の推移を考える。初期状態は未確定が3人である。

3人でじゃんけんを1回行うとき、起こり得る結果とその確率は以下の通りである。

よって、1回のじゃんけんで未確定が3人から2人に減る確率は $\frac{1}{3} + \frac{1}{3} = \frac{2}{3}$ である。また、1回のじゃんけんで一気に3人の順位が確定する(未確定が0人になる)ことはない。

未確定が2人になった後、その2人でじゃんけんを1回行うとき、起こり得る結果とその確率は以下の通りである。

ちょうど $n$ 回目で順位が完全に確定するためには、まず $n \geqq 2$ でなければならない。このとき、1回目から $n-1$ 回目までのどこか $k$ 回目($1 \leqq k \leqq n-1$)で未確定が3人から2人になり、その後 $n$ 回目に未確定が2人から0人になればよい。

この事象が起こるための推移は次のようになる。

これらの事象は独立に起こるため、$k$ 回目に状態が変化する場合の確率は、

$$\left(\frac{1}{3}\right)^{k-1} \times \frac{2}{3} \times \left(\frac{1}{3}\right)^{n-1-k} \times \frac{2}{3}$$

$$= \frac{4}{9} \left(\frac{1}{3}\right)^{n-2} = 4 \left(\frac{1}{3}\right)^n$$

この確率は $k$ の値によらず一定である。$k$ は $1 \leqq k \leqq n-1$ の範囲で $n-1$ 通りあり、それぞれが起こる事象は互いに排反である。したがって、求める確率 $P(n)$ はこれらを足し合わせて、

$$P(n) = \sum_{k=1}^{n-1} 4 \left(\frac{1}{3}\right)^n = 4(n-1)\left(\frac{1}{3}\right)^n$$

ここで、$n=1$ のとき式は $P(1)=0$ となり、1回目で順位が確定しないことと矛盾せず成立する。したがって、$n \geqq 1$ のすべての整数 $n$ についてこの式は成り立つ。

解説

じゃんけんによる順位決定の問題は、状態の推移(この問題では「未確定の人数が3人 $\to$ 2人 $\to$ 0人」)を追うことが定石である。各状態でのあいこになる確率と勝敗がつく確率を正確に計算し、状態が変化するタイミングを変数 $k$ で設定して確率を求め、最後に和をとることで解決できる。1回のじゃんけんで3人の順位が1位、2位、3位と完全に確定することは起こり得ない点に注意したい。

答え

$$P(n) = 4(n-1)\left(\frac{1}{3}\right)^n$$

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