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名古屋大学 1997年 文系 第4問 解説

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名古屋大学 1997年 文系 第4問 解説

方針・初手

与えられた条件は、$f(-1), f(0), f(1)$ がすべて整数であるということです。これらを文字(例えば $p, q, r$)で置き、多項式 $f(x)$ の係数 $a, b, c$ をこれらの文字を用いて表すことから始めます。その後、任意の整数 $n$ について $f(n)$ を計算し、それが整数となることを示します。その際、連続する2整数の積が偶数であることを利用します。

解法1

$f(-1), f(0), f(1)$ はすべて整数であるから、これらをそれぞれ整数 $p, q, r$ とおく。

$$ f(-1) = -1 + a - b + c = p $$

$$ f(0) = c = q $$

$$ f(1) = 1 + a + b + c = r $$

第2式より、$c = q$ である。これを第1式と第3式に代入して整理すると、以下のようになる。

$$ a - b = p - q + 1 $$

$$ a + b = r - q - 1 $$

この2つの式を辺々足し合わせると、

$$ 2a = p + r - 2q $$

$$ a = \frac{p + r}{2} - q $$

また、辺々引くと、

$$ 2b = r - p - 2 $$

$$ b = \frac{r - p}{2} - 1 $$

得られた $a, b, c$ を $f(n)$ の式に代入する。

$$ \begin{aligned} f(n) &= n^3 + an^2 + bn + c \\ &= n^3 + \left( \frac{p + r}{2} - q \right) n^2 + \left( \frac{r - p}{2} - 1 \right) n + q \\ &= n^3 - qn^2 - n + q + \frac{p + r}{2} n^2 + \frac{r - p}{2} n \\ &= n^3 - qn^2 - n + q + p \frac{n^2 - n}{2} + r \frac{n^2 + n}{2} \\ &= n^3 - qn^2 - n + q + p \frac{n(n-1)}{2} + r \frac{n(n+1)}{2} \end{aligned} $$

ここで、$n$ は整数であるから、$n^3, -qn^2, -n, q$ はすべて整数である。

さらに、$n(n-1)$ および $n(n+1)$ は連続する2つの整数の積であるため、必ず偶数となる。 したがって、$\frac{n(n-1)}{2}$ および $\frac{n(n+1)}{2}$ は整数である。

$p, r$ も整数であるから、$p \frac{n(n-1)}{2}$ および $r \frac{n(n+1)}{2}$ も整数となる。

以上より、これら整数の和で表される $f(n)$ は、すべての整数 $n$ に対して整数となる。

解説

整数を代入したときに常に整数となる多項式(整数値多項式)に関する典型的な証明問題です。

未知の係数 $a, b, c$ を、整数であることが分かっている値 $f(-1), f(0), f(1)$ を用いて表すのが基本方針となります。式変形の最後に現れる $\frac{n(n-1)}{2}$ のような形は、「連続する2整数の積は偶数(2の倍数)である」という性質を利用して整数であることを示す定石です。

答え

$f(-1), f(0), f(1)$ を整数 $p, q, r$ とおいて係数 $a, b, c$ を表し、$f(n) = n^3 - qn^2 - n + q + p \frac{n(n-1)}{2} + r \frac{n(n+1)}{2}$ と変形することで、連続する2整数の積の性質により、すべての整数 $n$ に対して $f(n)$ が整数になることが示された。

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