名古屋大学 1969年 理系 第1問 解説

方針・初手
2点 $P$, $Q$ が同一の位置にくるということは、$x$ 座標と $y$ 座標がそれぞれ一致するような時刻 $t > 0$ が存在することを示せばよい。 まずは $P$ と $Q$ が一致すると仮定し、原点からの距離を考えることで候補となる時刻 $t_0$ を求める。その後、与えられた条件を用いて、その $t_0$ において実際に $P$ と $Q$ の座標が一致すること(十分性)を証明する。
解法1
2点 $P$, $Q$ が同一の位置にくる時刻を $t_0 (> 0)$ とすると、それぞれの座標が一致するため、以下の式が成り立つ。
$$ \cos t_0 = a t_0 $$
$$ \sin t_0 = b t_0 $$
両辺をそれぞれ2乗して辺々を足すと、
$$ \cos^2 t_0 + \sin^2 t_0 = a^2 t_0^2 + b^2 t_0^2 $$
$$ 1 = (a^2+b^2)t_0^2 $$
$a, b$ は正の定数であり、$t_0 > 0$ であるから、
$$ t_0 = \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} $$
となる。これが同一の位置にくる時刻の候補である。次に、この $t_0$ において実際に $P$ と $Q$ の座標が一致することを示す。
与えられた条件 $\tan \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} = \frac{b}{a}$ より、
$$ \tan t_0 = \frac{b}{a} $$
が成り立つ。また、与えられた条件 $a^2+b^2 > \frac{4}{\pi^2}$ より、
$$ t_0^2 = \frac{1}{a^2+b^2} < \frac{\pi^2}{4} $$
$t_0 > 0$ であるから、
$$ 0 < t_0 < \frac{\pi}{2} $$
である。
$0 < t_0 < \frac{\pi}{2}$ の範囲において、$\cos t_0 > 0$ かつ $\sin t_0 > 0$ である。 $\tan t_0 = \frac{b}{a}$ および $a > 0$ であることを用いると、時刻 $t_0$ における点 $P$ の座標 $(\cos t_0, \sin t_0)$ は、
$$ \cos t_0 = \frac{1}{\sqrt{1+\tan^2 t_0}} = \frac{1}{\sqrt{1+\left(\frac{b}{a}\right)^2}} = \frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}} $$
$$ \sin t_0 = \tan t_0 \cos t_0 = \frac{b}{a} \cdot \frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}} = \frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}} $$
と計算できる。
一方、時刻 $t_0$ における点 $Q$ の座標 $(a t_0, b t_0)$ は、
$$ a t_0 = a \cdot \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} = \frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}} $$
$$ b t_0 = b \cdot \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} = \frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}} $$
となり、点 $P$ の座標と完全に一致する。
以上より、ある時刻 $t_0 (> 0)$ において2点 $P$ と $Q$ が同一の位置にくることが証明された。
解説
「同一の位置にくる」という条件を素直に立式し、そこから必要条件として時刻 $t_0$ を絞り込むアプローチが有効である。 絞り込んだ $t_0$ が実際に条件を満たすか(十分性)を確認する過程で、問題文に与えられた2つの条件式を余すことなく使用する。特に $a^2+b^2 > \frac{4}{\pi^2}$ という条件は、$t_0$ が第一象限の角であることを保証し、$\tan t_0$ の値から $\cos t_0$ と $\sin t_0$ を正の値として一意に決定するために不可欠な条件となっている。
答え
時刻 $t_0$ において2点が同一の位置にくることは証明に示した通り。 求める時刻 $t_0$ は、
$$ t_0 = \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} $$
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