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大阪大学 2016年 文系 第1問 解説

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大阪大学 2016年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) は、2次関数 $f(x) = x^2 - kax + a - k$ とおき、指定された区間の端点における関数値の符号を調べることで、中間値の定理を利用して解の存在を示す。

(2) は、「割り切れる」という条件を式で表し、それが (1) の2次方程式と同じ形になることに着目する。方程式のもう一つの解が整数に絞り込まれることを利用して、条件を満たす $n$ を決定する。

解法1

(1)

$f(x) = x^2 - kax + a - k$ とおく。

区間の左端 $x = -\frac{1}{a}$ における関数値を計算すると、

$$ f\left(-\frac{1}{a}\right) = \left(-\frac{1}{a}\right)^2 - k \cdot a \cdot \left(-\frac{1}{a}\right) + a - k = \frac{1}{a^2} + k + a - k = a + \frac{1}{a^2} $$

$a > 0$ であるから、$a + \frac{1}{a^2} > 0$ であり、$f\left(-\frac{1}{a}\right) > 0$ となる。

次に、区間の右端 $x = 1$ における関数値を計算すると、

$$ f(1) = 1^2 - k \cdot a \cdot 1 + a - k = 1 - ka + a - k = (1 - k)(a + 1) $$

$a > 0$, $k \geqq 1$ であるから、$a + 1 > 0$, $1 - k \leqq 0$ となる。 したがって、$f(1) \leqq 0$ である。

関数 $f(x)$ はすべての実数で連続であり、$f\left(-\frac{1}{a}\right) > 0$ かつ $f(1) \leqq 0$ を満たすので、中間値の定理により方程式 $f(x) = 0$ は区間 $-\frac{1}{a} < x \leqq 1$ に少なくとも1つの実数解をもつ。

よって、題意は示された。

(2)

$n^2 + a$ が $an + 1$ で割り切れるから、ある整数 $k$ を用いて次のように表せる。

$$ n^2 + a = k(an + 1) $$

$n \geqq 2$, $a \geqq 3$ より、$n^2 + a > 0$ かつ $an + 1 > 0$ である。 したがって $k > 0$ であり、$k$ は整数なので $k \geqq 1$ を満たす。

与式を展開して整理すると、

$$ n^2 - kan + a - k = 0 $$

これは、$x$ についての2次方程式 $x^2 - kax + a - k = 0$ が $x = n$ を解にもつことを意味している。 $a \geqq 3$(正の実数)、$k \geqq 1$($1$ 以上の実数)であるから、(1) の結果を用いることができる。 すなわち、この2次方程式は $-\frac{1}{a} < x \leqq 1$ の範囲に実数解 $s$ をもつ。

2次方程式の2つの解が $n$ と $s$ であるから、解と係数の関係により、

$$ n + s = ka $$

これを $s$ について解くと、

$$ s = ka - n $$

$k, a, n$ はすべて整数であるから、$s$ も整数である。 さらに、$a \geqq 3$ より $-\frac{1}{3} \leqq -\frac{1}{a}$ であるため、$-\frac{1}{a} < s \leqq 1$ を満たす整数 $s$ は $s = 0$ または $s = 1$ に限られる。

(i)

$s = 0$ のとき

$x = 0$ が方程式 $x^2 - kax + a - k = 0$ の解であるから、代入して、

$$ 0^2 - k \cdot a \cdot 0 + a - k = 0 $$

$$ k = a $$

このとき方程式は $x^2 - a^2 x = 0$、すなわち $x(x - a^2) = 0$ となる。

解は $x = 0, a^2$ であり、$s = 0$ ではないもう一つの解が $n$ であるため、$n = a^2$ である。 $a \geqq 3$ のとき、$n = a^2 \geqq 9$ となり $n \geqq 2$ を満たす。

(ii)

$s = 1$ のとき

$x = 1$ が方程式 $x^2 - kax + a - k = 0$ の解であるから、代入して、

$$ 1^2 - ka + a - k = 0 $$

$$ (1 - k)(a + 1) = 0 $$

$a \geqq 3$ より $a + 1 \neq 0$ であるから、$k = 1$ である。

このとき方程式は $x^2 - ax + a - 1 = 0$、すなわち $(x - 1)(x - a + 1) = 0$ となる。

解は $x = 1, a - 1$ であり、$s = 1$ ではないもう一つの解が $n$ であるため、$n = a - 1$ である。 $a \geqq 3$ のとき、$n = a - 1 \geqq 2$ となり $n \geqq 2$ を満たす。

以上 (i), (ii) より、条件を満たす整数 $n$ は $n = a - 1$ と $n = a^2$ の2つである。

解説

(1) は、2次方程式の解の配置問題として判別式や軸の位置から攻めることもできるが、区間の端点の符号に注目すると非常に簡潔に証明できる。「解の存在範囲」と「端点の値」の結びつきに気づけるかがポイントである。

(2) は、(1) が強烈な誘導になっている。整数の割り算の問題を方程式の形に帰着させ、(1) で保証された「区間内の解 $s$」と「もう一つの解 $n$」を解と係数の関係で結びつける発想が見事な問題である。$s$ が整数であることを導き、範囲から $s$ の値を $0, 1$ に絞り込む論理展開は、整数問題における「範囲の絞り込み」の典型かつ強力な手法である。

答え

(1)

略(解説参照)

(2)

$n = a - 1, a^2$

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