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大阪大学 1986年 文系 第1問 解説

数学A/整数問題数学2/式と証明テーマ/整式の証明
大阪大学 1986年 文系 第1問 解説

方針・初手

求める余りは、2次式 $(x-1)(x-2)$ で割ったときの余りであるから、1次以下の整式である。これを $px+q$ ($p, q$ は定数)とおき、剰余の定理を用いて $p, q$ についての連立方程式を立てる。その際、与えられた2つの条件式から $f(1)$ と $f(2)$ の値を求める。

解法1

$f(x)$ を $(x-1)^3$ で割ったときの商を $Q_1(x)$ とすると、条件より以下の恒等式が成り立つ。

$$ f(x) = (x-1)^3 Q_1(x) + ax^2+bx+c $$

この式の両辺に $x=1$ を代入すると、

$$ f(1) = a+b+c $$

となる。

次に、$f(x)$ を $x-2$ で割った余りが $d$ であるから、剰余の定理より、

$$ f(2) = d $$

である。

さて、$f(x)$ を2次式 $(x-1)(x-2)$ で割ったときの商を $Q_2(x)$、余りを $px+q$ ($p, q$ は定数)とおくと、以下の恒等式が成り立つ。

$$ f(x) = (x-1)(x-2)Q_2(x) + px+q $$

この式の両辺に $x=1, x=2$ をそれぞれ代入すると、先ほど求めた $f(1), f(2)$ の値を用いて、以下の連立方程式を得る。

$$ \begin{cases} p+q = a+b+c \\ 2p+q = d \end{cases} $$

下式から上式を辺々引くと、

$$ p = d - (a+b+c) $$

となる。これを上式に代入して $q$ を求めると、

$$ \begin{aligned} q &= a+b+c - p \\ &= a+b+c - \{d - (a+b+c)\} \\ &= 2a+2b+2c-d \end{aligned} $$

となる。

したがって、求める余りは

$$ \{d - (a+b+c)\}x + 2a+2b+2c-d $$

である。

解法2

$f(x)$ を2次式 $(x-1)(x-2)$ で割ったときの商を $Q_2(x)$ とすると、余りは1次以下の整式となるから、定数 $p$ を用いて $p(x-1) + f(1)$ と表すことができる。すなわち、

$$ f(x) = (x-1)(x-2)Q_2(x) + p(x-1) + f(1) $$

とおける。

解法1と同様に、$f(x)$ を $(x-1)^3$ で割ったときの余りが $ax^2+bx+c$ であることから、

$$ f(1) = a+b+c $$

である。よって、$f(x)$ は以下のように表せる。

$$ f(x) = (x-1)(x-2)Q_2(x) + p(x-1) + a+b+c $$

また、$f(x)$ を $x-2$ で割った余りが $d$ であるから、$f(2) = d$ である。上の恒等式に $x=2$ を代入すると、

$$ \begin{aligned} f(2) &= (2-1)(2-2)Q_2(2) + p(2-1) + a+b+c \\ d &= p + a+b+c \end{aligned} $$

となる。これを $p$ について解くと、

$$ p = d - (a+b+c) $$

を得る。

したがって、求める余りは

$$ \begin{aligned} &\{d - (a+b+c)\}(x-1) + a+b+c \\ &= \{d - (a+b+c)\}x - d + a+b+c + a+b+c \\ &= \{d - (a+b+c)\}x + 2a+2b+2c-d \end{aligned} $$

となる。

解説

整式の割り算における余りの決定問題である。割る式が2次式であれば余りは1次式以下となるため、$px+q$ とおいて剰余の定理から連立方程式を導くのが基本方針である。

本問では、「$(x-1)^3$ で割った余り」という強い条件が与えられているが、最終的に求めるものが「$(x-1)(x-2)$ で割った余り」であるため、実は $(x-1)$ で割った余り(すなわち $f(1)$ の値)さえわかれば十分であるという点に気づけるかがポイントとなる。不要な情報に惑わされず、必要な情報だけを抽出する力が問われている。

解法2のように余りを $p(x-\alpha) + f(\alpha)$ と設定する工夫は、文字を減らして計算を簡略化できるため、定石として押さえておきたい。

答え

$$ \{d - (a+b+c)\}x + 2a+2b+2c-d $$

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