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大阪大学 2021年 理系 第4問 解説

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大阪大学 2021年 理系 第4問 解説

方針・初手

両辺の定積分を計算して展開し、$a, b, c$ に関する等式を導出する。 積分計算後、共通因数 $b-a$ で括り出し、関係式を因数分解しやすい形へ整理して整数の性質を用いることが第一歩となる。

解法1

(1)

定積分を計算すると、条件 $(*)$ は以下のようになる。

$$ \left[ \frac{1}{3}x^3 + \frac{b}{2}x^2 \right]_a^c = \left[ \frac{1}{3}x^3 + \frac{a}{2}x^2 \right]_b^c $$

展開して整理する。

$$ \frac{1}{3}c^3 + \frac{b}{2}c^2 - \frac{1}{3}a^3 - \frac{b}{2}a^2 = \frac{1}{3}c^3 + \frac{a}{2}c^2 - \frac{1}{3}b^3 - \frac{a}{2}b^2 $$

両辺から $\frac{1}{3}c^3$ を消去し、分母を払うために 6 を掛ける。

$$ 3bc^2 - 2a^3 - 3a^2b = 3ac^2 - 2b^3 - 3ab^2 $$

左辺に項を集める。

$$ 3(b - a)c^2 + 2(b^3 - a^3) + 3ab(b - a) = 0 $$

$b^3 - a^3$ を因数分解すると、

$$ 3(b - a)c^2 + 2(b - a)(b^2 + ab + a^2) + 3ab(b - a) = 0 $$

条件より $a \neq b$ であるから $b - a \neq 0$ であり、両辺を $b - a$ で割ることができる。

$$ 3c^2 + 2(b^2 + ab + a^2) + 3ab = 0 $$

$$ 3c^2 + 2a^2 + 5ab + 2b^2 = 0 $$

$$ 3c^2 + (2a + b)(a + 2b) = 0 $$

$$ (2a + b)(a + 2b) = -3c^2 \quad \cdots\cdots \text{①} $$

①の右辺は 3 の倍数であるから、左辺 $(2a + b)(a + 2b)$ も 3 の倍数である。 したがって、$2a + b$ と $a + 2b$ の少なくとも一方は 3 の倍数となる。 ここで、これら 2 つの式の和を考えると、

$$ (2a + b) + (a + 2b) = 3(a + b) $$

となり、和は 3 の倍数である。 和が 3 の倍数であるため、一方が 3 の倍数であれば、もう一方も 3 の倍数とならざるを得ない。 よって、$2a + b$ と $a + 2b$ はともに 3 の倍数である。

$2a + b = 3k, a + 2b = 3l$ ($k, l$ は整数)とおき、①に代入する。

$$ 3k \cdot 3l = -3c^2 $$

$$ c^2 = -3kl $$

$k, l$ は整数であるから、$c^2$ は 3 の倍数である。 3 は素数であるため、$c^2$ が 3 の倍数ならば $c$ も 3 の倍数となる。

(2)

$X = 2a + b, Y = a + 2b$ とおく。 (1) の議論から、$X$ と $Y$ はともに 3 の倍数であるため、$X = 3x, Y = 3y$ ($x, y$ は整数)とおける。 これを①に代入する。

$$ 3x \cdot 3y = -3c^2 $$

$$ 3xy = -c^2 $$

$c = 3600 = 2^4 \cdot 3^2 \cdot 5^2$ より $c^2 = 2^8 \cdot 3^4 \cdot 5^4$ であるから、これを代入する。

$$ 3xy = -2^8 \cdot 3^4 \cdot 5^4 $$

$$ xy = -2^8 \cdot 3^3 \cdot 5^4 \quad \cdots\cdots \text{②} $$

ここで、条件 $a < b$ を $x, y$ の関係式に変換する。

$$ Y - X = (a + 2b) - (2a + b) = b - a $$

であるから、$a < b \iff X < Y \iff 3x < 3y \iff x < y$ となる。

②より $xy < 0$ であるため、$x$ と $y$ は異符号である。 $x < y$ の条件から、$x < 0$ かつ $y > 0$ と確定する。 したがって、$x = -d_1, y = d_2$ ($d_1, d_2$ は正の整数)とおくと、

$$ d_1 d_2 = 2^8 \cdot 3^3 \cdot 5^4 $$

を満たせばよく、このとき $x < y$ ($-d_1 < d_2$)の大小関係は常に成り立つ。

また、$x, y$ が定まれば、連立方程式 $2a + b = 3x, a + 2b = 3y$ を解くことで、

$$ a = 2x - y, \quad b = 2y - x $$

として、整数 $a, b$ が一意に定まる。

したがって、条件を満たす $(a, b)$ の組の個数は、正の整数 $2^8 \cdot 3^3 \cdot 5^4$ の正の約数の個数に等しい。

$$ (8 + 1)(3 + 1)(4 + 1) = 9 \times 4 \times 5 = 180 $$

解説

積分の計算自体は基礎的だが、得られた式をどのように整理するかがポイントとなる。 $a \neq b$ という条件から $b - a \neq 0$ を見越し、因数分解によって $b-a$ を括り出して等式を簡略化する定石処理が重要である。 また、(2) では $(2a+b)$ と $(a+2b)$ を丸ごと別の文字で置換することで見通しが大きく改善する。最終的に約数の個数を求める問題に帰着させる流れは、整数問題における典型的な処理である。

答え

(1)

定積分を計算して整理すると $(2a+b)(a+2b) = -3c^2$ となる。$(2a+b)+(a+2b)=3(a+b)$ より一方が 3 の倍数なら他方も 3 の倍数となり、$(2a+b)(a+2b)$ が 9 の倍数となることから示される。

(2)

180個

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