大阪大学 1968年 理系 第4問 解説

方針・初手
- (1) は2つの放物線の交点を求め、上下関係を把握したうえで定積分によって面積を計算し、与えられた面積の値から $a, b$ の関係式を導く。
- (2) は交点 $P$ の座標と、原点 $O$ および $P$ における接線の傾きを $a$ (または $b$)を用いて表す。直線 $OP$ が2つの接線のなす角を2等分する条件を、直線の傾きを正接($\tan$)と捉えて加法定理を用いて処理する。
解法1
(1) 2つの放物線 $C_1: y^2=ax$ と $C_2: y=bx^2$ ($a>0, b>0$) の交点の $x$ 座標を求める。 $C_2$ の式を $C_1$ に代入すると、
$$ \begin{aligned} (bx^2)^2 &= ax \\ b^2x^4 - ax &= 0 \\ x(b^2x^3 - a) &= 0 \end{aligned} $$
$x$ は実数であるから、$x = 0, \sqrt[3]{\frac{a}{b^2}}$ となる。 $a>0, b>0$ より、もう一つの交点 $P$ の $x$ 座標を $\alpha = \sqrt[3]{\frac{a}{b^2}}$ とおく。$\alpha > 0$ である。
区間 $0 \leqq x \leqq \alpha$ において、$C_1$ は $y \geqq 0$ の部分である $y = \sqrt{ax}$ であり、2曲線の上下関係は $\sqrt{ax} \geqq bx^2$ となる。 したがって、2つの放物線が囲む図形の面積 $S$ は、
$$ S = \int_{0}^{\alpha} (\sqrt{ax} - bx^2) dx $$
$$ S = \left[ \frac{2}{3}\sqrt{a}x^{\frac{3}{2}} - \frac{b}{3}x^3 \right]_{0}^{\alpha} $$
ここで $\alpha^3 = \frac{a}{b^2}$、$\alpha^{\frac{3}{2}} = \frac{\sqrt{a}}{b}$ であるから、
$$ \begin{aligned} S &= \frac{2}{3}\sqrt{a} \cdot \frac{\sqrt{a}}{b} - \frac{b}{3} \cdot \frac{a}{b^2} \\ &= \frac{2a}{3b} - \frac{a}{3b} \\ &= \frac{a}{3b} \end{aligned} $$
条件より面積は $S = \frac{1}{3}$ であるから、
$$ \frac{a}{3b} = \frac{1}{3} $$
よって、$a = b$ が成り立つ。
(2) (1) より $b=a$ であるから、交点 $P$ の $x$ 座標は $\alpha = \sqrt[3]{\frac{a}{a^2}} = a^{-\frac{1}{3}}$ となる。 このとき、$y$ 座標は $y = a(a^{-\frac{1}{3}})^2 = a^{\frac{1}{3}}$ となるため、$P(a^{-\frac{1}{3}}, a^{\frac{1}{3}})$ である。 原点 $O$ と $P$ を通る直線 $OP$ の傾きを $m$ とすると、
$$ m = \frac{a^{\frac{1}{3}}}{a^{-\frac{1}{3}}} = a^{\frac{2}{3}} $$
次に、各放物線の $P$ における接線の傾きを求める。 $C_1: y^2=ax$ の $y>0$ の部分は $y = \sqrt{ax}$ であり、微分すると $y' = \frac{\sqrt{a}}{2\sqrt{x}}$ である。 $P$ における $C_1$ の接線を $l_1$ とし、その傾きを $m_1$ とすると、
$$ m_1 = \frac{\sqrt{a}}{2\sqrt{a^{-\frac{1}{3}}}} = \frac{1}{2}a^{\frac{1}{2}}a^{\frac{1}{6}} = \frac{1}{2}a^{\frac{2}{3}} = \frac{1}{2}m $$
$C_2: y=bx^2$ に $b=a$ を代入した $y=ax^2$ について、微分すると $y' = 2ax$ である。 $P$ における $C_2$ の接線を $l_2$ とし、その傾きを $m_2$ とすると、
$$ m_2 = 2a(a^{-\frac{1}{3}}) = 2a^{\frac{2}{3}} = 2m $$
$x$ 軸の正の向きから測った $OP, l_1, l_2$ の偏角をそれぞれ $\theta, \theta_1, \theta_2$ とする。 $\tan \theta = m$、$\tan \theta_1 = \frac{1}{2}m$、$\tan \theta_2 = 2m$ である。 $m = a^{\frac{2}{3}} > 0$ であるから、$0 < \theta_1 < \theta < \theta_2 < \frac{\pi}{2}$ が成り立つ。 直線 $OP$ が $l_1, l_2$ のなす角を2等分するための条件は、図形的な位置関係より
$$ \theta_2 - \theta = \theta - \theta_1 $$
が成り立つことである。このとき、
$$ \tan(\theta_2 - \theta) = \tan(\theta - \theta_1) $$
正接の加法定理より、
$$ \frac{\tan \theta_2 - \tan \theta}{1 + \tan \theta_2 \tan \theta} = \frac{\tan \theta - \tan \theta_1}{1 + \tan \theta \tan \theta_1} $$
これに $\tan \theta = m$、$\tan \theta_1 = \frac{1}{2}m$、$\tan \theta_2 = 2m$ を代入すると、
$$ \frac{2m - m}{1 + 2m \cdot m} = \frac{m - \frac{1}{2}m}{1 + m \cdot \frac{1}{2}m} $$
$$ \frac{m}{1 + 2m^2} = \frac{\frac{1}{2}m}{1 + \frac{1}{2}m^2} $$
右辺の分母分子を整理して、
$$ \frac{m}{1 + 2m^2} = \frac{m}{2 + m^2} $$
$m > 0$ より両辺を $m$ で割ると、
$$ \begin{aligned} \frac{1}{1 + 2m^2} &= \frac{1}{2 + m^2} \\ 1 + 2m^2 &= 2 + m^2 \\ m^2 &= 1 \end{aligned} $$
$m > 0$ より $m = 1$ を得る。 $m = a^{\frac{2}{3}}$ であったから、
$$ a^{\frac{2}{3}} = 1 $$
$a > 0$ より $a = 1$ となる。(1) より $a=b$ なので $b=1$ である。
解説
- 面積計算と交点 本問では交点の座標が無理式を含み複雑に見えるが、定積分の実行自体は基本的であり、計算を進めると非常に簡潔な形に帰着する。計算を恐れずに手を動かすことが重要である。
- 図形的な対称性の活用 (2) で、接線の傾きが直線 $OP$ の傾き $m$ に対して $\frac{1}{2}$ 倍および $2$ 倍になるという美しい関係が現れる。これは $y=x^2$ と $y=\sqrt{x}$ が直線 $y=x$ に関して対称であるという事実の一般化として捉えることもできる。
- 偏角と正接の加法定理 「直線のなす角」という条件を数式化する際、方向ベクトルの内積を利用する方法もあるが、本問のように直線の傾きが簡潔に表されている場合は、直線の偏角を設定して $\tan$ の加法定理を利用する方が見通しよく処理できる典型的な手法である。
答え
(1) $a = b$
(2) $a = 1, b = 1$
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